chember rockの始祖とも考えられ、呪術的/瞑想的なサウンドで孤高の存在であったThird Ear Bandが、1970年にドイツのTV番組「Beat Club」に出演した際のスタジオライヴ映像。
演奏されている曲「In D」は、「Raga in D」として1st「Alchemy」(1969)のために用意されながら収録されなかったもの。
[members]
Glen Sweeney(ドラムス、パーカッション)
Paul Buckmaster(チェロ、ベース)
Paul Minns(オーボエ)
Denim Bridges(ギター)
Gasper Lawal(コンガ)
Paul Buckmaster(チェロ、ベース)
Paul Minns(オーボエ)
Denim Bridges(ギター)
Gasper Lawal(コンガ)
このライヴはアコースティック楽器によるchember色はあまり強くなく、エレクトリック楽器を使用したちょっと意外なパフォーマンス。でも呪術性はしっかり保たれていて、当時の他の実験的なバンドと地続きでありながら、際立った個性を発揮していたことが分かります。
アルバムでは「Macbeth」(1972)の布陣に近く、アコースティックな響きの一翼を担っていたバイオリン/ヴィオラ担当のリチャード・コフ(Richard Coff)が抜け、ギターのデニム・ブリッジスが加入したことで、サウンドに変化があったのかもしれません。
さらに呪術性を高めているのがナイジェリア出身のセッション・ミュージシャン、ガスパー・ローウェルのコンガでしょう。線の細いポール・ミンズのオーボエと共に、独特の瞑想空間を作り出していますね。そこにデニス・ブリッジスの即興的なギターが被さり、サイケデリックな雰囲気も加わります。
アルバムで聴くThird Ear Band以上に“ロック”なバンドのであったことがわかる、貴重な映像でしょう。
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