2013年6月30日日曜日

「300 millones 1979」アラメダ



フラメンコ色の強い、いわゆるアンダルシアン・ロックを聴かせるバンドAlamedaが、スペインのTV番組「300 millones」に出演した時の映像。時期ははっきりしないのですが、1stアルバム「Alameda」(1979)の曲を一曲だけ披露しているようなので、1stアルバムを発表した1979年頃のものと思われます。

曲はその1stから「Aires De La Alameda」。

[members]
José Roca(ボーカル、ギター)
Manuel Rosa(ベース)
Manuel Marinelli(キーボード)
Rafael Marinelli(キーボード)
Luis Moreno(ドラムス)

ツイン・キーボードですが作り出される音はシンフォニックなものではなく、ピアノ、シンセなどカラフルな音色が絡み合う、フュージョン的な心地良いサウンドが特徴です。

その多彩なキーボード・サウンド活かしつつ、ホセのまさにフラメンコで言う“カンテ”を思わせるハスキーな声と情熱的な節回しが、このバンドの一番の魅力でしょう。

ちょっとオシャレでテクニカルなフュージョンになりそうで、彼の土臭いボーカルがしっかりロックに引き戻してくれるという感じですね。アルバムではスパニッシュギターが効果的に使われていますが、彼の歌だけでも十分にフラメンコの熱さが伝わってきます。
 
この映像でもホセの振り絞るようなボーカルが素晴らしいですね。アルバム音源と比べてみて、恐らく当てぶりだと思われますが、ホセの歌はきっと生でも十分聞き応えがありそうな、そんあ迫力が伝わってきます。

「Hamburger Concerto 1974」フォーカス



オランダ最強のプログレッシヴ・ロック・バンドFocusが、1974年にBBCの番組「In Concert」に出演した際のスタジオライヴ。

曲は傑作アルバム「Hamburger Concerto」(1974)から、タイトル曲「Hamburger Concerto」。

[members]
Thijs van Leer(キーボード、フルート、ボーカル)
Jan Akkerman(ギター)
Bert Ruiter(ベース)
Colin Allen(ドラムス)

1973年にライヴアルバム「Focus At The Rainbow」を発表した後、ドラムスのピエール・フォン・デア・リンデン(Pierre Van Der Linden)がTrace結成のために脱退し、新メンバーにイギリス人のコリン・アレンを迎えます。そして新たなラインナップで制作したアルバム「Hamberger Concerto」は、それまでの多彩さ多様さは比較的抑えられた、美しく落ち着きのある作品となりました。

このライヴもそのニューラインナップによるもので、ブラームスの「ハイドンの主題による変奏曲」を用いた20分を越える大作である組曲「Hamburger Concerto」を完全再現しています。

相変わらずスタジオ盤と変わらない、テクニカルで情感に溢れたテイスとヤンのプレイが素晴らしいです。楽器が本当に良く歌っています。そして新加入のコリンも安定感のあるタイトなドラミングを聴かせてくれます。 さらに深みのある色とアップを多用する映像の落ち着いた感じがとても良いですね。

この時のステージでは、続いて名曲中の名曲「La Cathedrale De Strasbour」を演奏するのですが、それもまた絶品です。いずれそれを含めた「In Concert」完全版が見られる日が来るのを待ちたいと思います。

2013年6月29日土曜日

「"The Cave" down to the Earth 1973」ファー・イースト・ファミリー・バンド



ギター、ボーカルの宮下文夫、キーボードの高橋正明(現・喜多郎)、ベースの深草彰(現・深草アキ)を擁していた日本のバンドFar East Family Bandの映像。

曲は地球空洞説(The Cave" down to the Earth)」(1973)から「未知の大陸〜時代から(Undiscovered Northern Land ~ Timeless)」。

宮下文夫 / Fumio Miyashita(リード・ボーカル、ギター)
伊藤明 / Akira Ito(キーボード)
高橋正明 / Masanori Takahashi(キーボード、パーカッション)
福島博人 / Hirohito Fukushima(ギター、ボーカル)
深草彰 / Akira Fukakusa(ベース)
高崎静夫 / Shizuo Takasaki(ドラムス)
  
後にクラウス・シュルツェ(Klaus Schulze)のプロデュースによるミックス盤「Nipponjin」(1976)で再び注目されますが、その時期にはバンドメンバーがかなり脱退していたということなので、これは地球空洞説」発売後の1973年頃のプロモーション映像ではないかと思われます。実際1974年には全世界47カ国同時発売&ヨーロッパツアー開始とワールドワイドな展開を図っているので、プロモーションにも力を入れていたのでしょう。

何と言っても粗さのあるサイケデリック&コズミック感が良いですね。この独特な音世界に合わせたベルボトムな白装束風衣装という佇まいが1970年代的ですが、その浮世離れした感じがとてもカッコ良いです。

今はミュージシャンがあまりに等身大になりすぎて、こうした雰囲気が共有できた当時のミュージシャンとリスナーの関係を羨ましく思ってしまいます。でもそれもまたミュージシャンの才能であり、技量なんでしょう。

ギターの音色や物々しい曲展開などにPink Floydの影響が伺えますが、ロックなリズムの上で明快なフォークソング風メロディーにTangerine Dream風シンセサイザーが被さるという音は新鮮です。和楽器などの伝統音楽を直接持ち込まずに、日本らしさを醸し出しているところは斬新とも言えます。すでに“喜多郎”の非凡さが伺えますね。

音楽はテクニックだけじゃないということを感じさせくれる、日本発の貴重な音&映像です。



2013年6月28日金曜日

「Live in England 1979」スティーヴ・ヒレッジ



イギリス/フランスの混交プログレッシヴ・ロック・バンドGongのRadio Gnome Invisible三部作などでギターを担当していたSteve Hillageが、1979年にKent Universityで行なったソロ・ライヴ。BBCのTV番組「Rock Goes to College」によるフルコンサート映像です。

[members]
Steve Hillage(ギター、ボーカル、シンセサイザー)
Miquette Giraudy(シンセサイザー、ボーカル)
Dave Stewart(ギター)
Andy Anderson(ドラムス)
John McKenzie(ベース)

※ ギターのDave StewartはKHANなどで一緒だった名キーボード奏者とは別人

[set list]
1. The Salmon Song
2. New Age Synthesis (Unzipping the Zype)
3. Hurdy Gurdy Person (Hurdy Gurdy Man)
4. 1988 Aktivator
5. Unidentified (Flying Being)
6. It’s All Too Much


曲はいずれもソロアルバムからで、「The Salmon Song」は「Fish Rising」(1975)、「New Age Synthesis」と「1988 Aktivator」は「Live Herald」(1979)、「Hurdy Gurdy Person」と「It’s All Too Much」は「L」(1976)、 「Unidentified」は「Green」(1978)収録です。(「New Age Synthesis」と「1988 Aktivator」は「Open」(1979)でスタジオ版として再録)。

後にSystem 7としてユニットを組むことになる紅一点ミケット・ジローディの弾くキーボードが、時折Gongを思わせるサイケデリックな音を奏でますが、全体としてはサイケデリック/コズミックな雰囲気を漂わせたファンキーでポップなサウンドです。

「Hurdy Gurdy Person (Hurdy Gurdy Man)」がドノヴァンの曲、ラストの「It's All Too Much」がジョージ・ハリスンの曲のカバーという選曲も、ポップ路線を象徴しているようですが、どちらの曲でもほんの一瞬だけGongの名作「You」(1974)収録の名曲「Master Builder」のフレーズが聴けて、しっかりスティーヴ・ヒレッジ色になっているのが面白いですね。

スティーヴ・ヒレッジは歌にギターに大活躍。ファンキーなリズム・セクションやスペイシーなキーボードに乗って、Gong以上に多彩なサウンドを聴かせてくれています。1970年代の生のギターと歌声が聴ける貴重なライヴ映像と言えるでしょう。
  

2013年6月22日土曜日

「Live at Montreux Jazz Festival 1969」コロシアム



イギリスのブルース・ジャズロックバンドColosseumが、1969年にスイスのモントルー・ジャズ・フェスティバルで行なったライヴの映像。曲は名作2nd「Valentyne Suite」(1969)から「Valentyne Suite」。

[members]
Dave Greenslade(オルガン、ボーカル)
Dick Heckstall-Smith(サックス)
James Litherland(ギター、ボーカル)
Tony Reeves(ベース)
Jon Hiseman(ドラムス)

「Valentyne Suite」はローマの政治家/軍人/文筆家として名高いジュリアス・シーザーの最後の三ヶ月をテーマにしたと言われる、三部構成のインストゥルメンタル組曲です。

アルバム「Valentyne Suite」では前半にジェイムズ・リザーランドのブルース色溢れるボーカルが特徴なブルージーなジャズ・ロック曲、そして後半にグリーンスレイドのキーボードが大活躍するこの大曲が待ち構えているという構成でした。

このようにコロシアムは、ブルージーな歌、ロックなギター、ジャズテイスト溢れるヘクストールのサックス、ジャズ/クラシックを感じさせるグリーンスレイドのキーボードなどの様々な要素が、ジョン・ハイズマンの重量感と安定感溢れるドラムスで力強くまとめあげられたサウンドが特徴。特にブルースの要素が他のプログレッシヴ・ロック・バンドとは一線を画していたと言えるでしょう。

上半身が微動だにしないハイズマン、逆にくねくねと派手な動きをするトニー・リーヴス、サックス二本同時演奏を見せてくれるヘクストール、アルバム以上にササクレだったオルガン・ソロを聴かせてくれるグリーンスレイドなど、画像の悪さを忘れて思わず魅き付けられてしまいます。

残念なのは演奏がここまで長い映像であるのに、曲の最後まで収録されていないこと。ぜひリザーランドのギター・ソロが炸裂する(はずの)怒濤のラストまで収録された、完全版が発掘されることを期待したいですね。

2013年6月21日金曜日

「Live in Europe 2011」アニマ・ムンディ



キューバが誇る世界レベルの現役シンフォ・バンドAnima Mundiが、2011年6月にオランダで開催されたLive Prog Festivalで演奏した際のライヴ映像で、バンドのサイトでDVD「Live in Europe」(2012)として発売されています。

曲は傑作2ndアルバム「The Way」(2010)から「Time to Understand」。

[members]
Roberto Diaz(ギター、バッキングボーカル)
Carlos Sosa(ボーカル、キーボード、パーカッション)
Virginia Peraza(キーボード)
Manuel Govin(ドラムス)
Yaroski Corredera(ベース)

キューバのバンドということで果たしてどのような音なのか興味が湧きますが、彼らの作り出す音は良い意味で辺境らしさのない堂々たるシンフォニック・サウンドです。歌詞も英語なので一聴すると欧米のトップクラスのバンドかと思ってしまうほど。もちろんテクニック的にも申し分ないものを持っています。

メロディーを重視しながらドラマチックに展開していく曲は、テクニカルで複雑な構成に走りがちな今のバンドとは異なり、よりストレートな魅力感じさせてくれますね。

ロベルト・ディアスの流麗なギターに、抜群のセンスが光るヴァージニア・ペラサの分厚いキーボード、そして伸びのあるハイトーンが美しいカルロス・ソーサのボーカル。各プレーヤーの個性が光っているのも、このバンドの素晴らしいところでしょう。

待望の新作4th「The Lamplighter」(2013)では、ボーカリストがEmmanuel Pirko Farrathに交替し、より深みを増したAnima Mundiサウンドを聴かせてくれています。

2013年6月20日木曜日

「Les rendez vous du dimanche 1975」タイ・フォン



フランスのバンドTai Phongが仏TV番組「Les rendez vous du dimanche」に出演した1975年の映像。曲は1st「Tai Phong」(1975)から「Sister Jane」。

[members]
KHANH(ボーカル、ギター)
TAI(ボーカル、ベース、アコースティック・ギター、キーボード)
J.J.Goldman(ボーカル、ギター、バイオリン)
Jean-Alain Gardet(キーボード)
Stephan Caussarieu(ドラムス、パーカション)

「Sister Jane」のビデオ・クリップは何種類か見つけることができるので、当時「日本のみならず本国フランスでも大ヒット」と言われていたことが事実であったことが良くわかります。

日本には“プログレッシヴ・ロック・バンド”として紹介され、確かに1st「Tai Phong」も2nd「Windows」(1976)もロマンチックでドラマチックな素晴らしい作品だったため、「1975年という時期にフランスでプログレ・バンドがヒットを飛ばしたとは!」というような“偉業”を喜んだ覚えたありました。

しかしこうして映像を見ると、少なくとも「Sister Jane」の大ヒットは、後に国民的人気歌手となるボーカルのJ.J.ゴールドマンの甘いマスクとハイトーン・ボーカルを特徴とした、ソフトロック的なバンドとしての成功だったのだということなのでしょう。

この映像を含めてどのビデオ・クリップも歌&演奏が口パクなのは、彼らがヒット・ソング番組でもてはやされ、ライヴ映像が残るような活動はしていなかったことを物語っているのかもしれません。

個人的にはTai Phongのボーカルは、そのちょっと固い声質からベトナム系フランス人であるカーンかタイが担当しているものとばかり思い込んでいましたので、映像を見てびっくりした記憶があります。

歌心とテクニック(テクニカルということではありません)の両方を持ち合わせた素晴らしいバンドなので、ぜひインスト曲を含めたライヴ映像が発掘されることを期待したいですね。
 


2013年6月17日月曜日

「Live in Japan 2003」キング・クリムゾン



イギリスの最強プログレッシヴ・ロック・バンドKing Crimsonが、2003年に来日した際のステージ映像。

[members]
Robert Fripp(ギター)
Adrian Belew(ギター、ボーカル)
Trey Gunn(ウォー・ギター)
Pat Mastelotto(ドラムス、パーカッション)

[setlist]
1. Introductory Soundscape
2. The Power To Believe I: A Cappella
3. Level Five
4. ProzaKc Blues
5. The ConstruKction Of Light
6. Happy With What You Have To Be Happy With
7. Elektrik
8. One Time
9. Facts Of Life
10. The Power To Believe II (Power Circle)
11. Dangerous Curves
12. Larks' Tongues In Aspic: Part IV
13. The Deception Of The Thrush
14. The World's My Oyster Soup Kitchen Floor Wax Museum

15. Extra Feature : Tokyo Sound & Camera Check

現在のところの最新作である「The Power to Believe」(2003)を引っ提げての来日、東京公演です。場所は東京厚生年金ホール。

Neuvo Metalを標榜していただけあってダブル・トリオだった「Thrak」(1995)の頃よりも曲のキャッチーさは後退し、ハードでシリアス。演奏もテクニカルでパワフル。

ダブルトリオでは複雑な音の絡み合いやウォール・オブ・サウンド的な音の厚みがありましたが、逆にあまりに音が多過ぎて誰がどう貢献しているのかが分かりづらいという難点がありました。

しかしここでは4人という通常のロックバンド的なラインアップに落ち着くことで、各人のプレイや全体の中の役割が分かりやすくなって、バンドとしての一体感は増したように思います。


その演奏ですが…何げなく合わせている風でいて、実に徹頭徹尾高度なアンサンブルです。 本人の希望でライトのあたらない暗闇でギターを弾くロバート・フリップからは、終始怪しいエネルギーが放たれていて、エイドリアン・ブリューもはしゃぎ過ぎず歌にも落ち着きがあるので、両者の陰陽のバランスが取れている感じ。ブリューのうねるようなギターも活きていますね。


仁王立ちのトレイ・ガンとワイルドなパット・マステロットのリズム・セクションも鉄壁。フリップとブリューの二本のギターの絡みに耳が行きがちですが、実はトレイ・ガンのベースパートも負けず劣らず複雑に絡んでいるのがわかります。そして時々ちょっとエロティック。これはフリップにもブリューにも無いモノですね。


そのウォーギターは重低音というよりはテクニカルに動き回るフットワークの良い音なので、実は上モノ的な3人のギタリストをボトムで支えているのがパットのドラミング。ビル・ブルーフォード(Bill Bruford)ではなくパットである必然性が、このメンバー、この楽曲、このサウンドバランスには感じられます。


MCも無く音楽だけで聴衆を独自の音世界に引きずり込む力は圧倒的です。

2013年6月16日日曜日

「Beat Club 1971」ベガーズ・オペラ



イギリスのバンドBeggers Operaが、ドイツのTV番組「Beat Club」に1971年に出演した際の映像。曲は1stアルバム「Act One」(1970)から「Raymond Road」。

[members]
Martin Griffiths(リード・ボーカル)
Alan Park(オルガン)
Virginia Scott(メロトロン)
Ricky Gardiner(リード・ギター、ボーカル)
Gordon Sellar(ベース、アコースティック・ギター、ボーカル)
Raymond Willson(ドラムス)

クラシック曲を大胆に詰め込んだ「Act One」でデビューした彼らですが、この曲はまさにそんなクラシック色全開。トッカータとフーガ、ウィリアムテル序曲、ペールギュントなどが次々と飛び出す“クラシック・メドレー”と言えるような曲です。

このスピードで弾き倒すギターのリッキー・ガーディナーとオルガンのアラン・パークが素晴らしいですね。特にアランは、Keith EmmersonやRick Wakmanのような華はありませんが、職人的な堅実なプレイが光ります。

2ndアルバム「Waters Of Change」(1971)から参加するヴァージニア・スコットも参加していて、要所要所で彼女のメロトロンが効果的に響いてきます。

唯一残念なのは、この曲がインストなので仕方ないのですが、マーチン・グリフィスのパワフルなボーカルが聴けないこと。それでもフロントで腕を振り回しながら演奏に参加している姿が良いですね。

2013年6月15日土曜日

「Concerto Grosso live @ RAI UNO 1971」ニュー・トロルス



イタリアのバンドNew Trollsが、イタリア国営放送RAI UNOで1971年に行なったライヴ映像。場所は巨大なパイプオルガンを備えるナポリのAuditorium Rai di Napoli(ナポリ・RAI講堂)、共演はRAI所属オーケストラと思われます。

[members]
Nico Di Palo(ボーカル、ギター)
Vittorio De Scalzi(ボーカル、ギター、フルート)
Gianni Belleno(ドラムス)
Giorgio D'Adamo(ベース)
Maurizio Salv(キーボード)

[set list]
1. Concerto Grosso I  Allegro
2. In St.Peter's Day

1はエンリケ・バカロフのアレンジによるオーケストラと共演した名盤「Concerto Grosso I」(1971)の冒頭曲、2は「Searching For A Land」(1972)収録のアコースティック・ナンバー。

とにかく会場が異様に広く聴衆の数も凄まじく、当時の国営放送がロックバンドを呼んでこの規模のライヴを行なうことが出来たことに感動します。クラシックとかロックとかいうジャンル的なこだわり以上に、音楽として良いものは受け入れてしまうというような国民性の違いを見る思いですね。
 
またオーケストラが身近な存在であるという点も痛感します。日本で言えばもう少しコンパクトなビッグバンド的な感覚で、フルオーケストラがサポートしているという感じなのかもしれません。
 
さて演奏の方は言いますと、時間の関係とかもあったのかもしれませんが、「Concerto Grosso I Allegro」はアルバムより速いテンポで一気に聴かせます。しかしバンドとオーケストラとバンドの息もピッタリです。 
 
そして後半、後に音楽的確執が続くことになるヴィットリオ・デ・スカルツィとニコ・ディ・パーロが、並んで歌っているいる姿にグッと来てしまいます。

「Allegro」ではフルートを吹き、後半の「In St.Peter's Day」ではアコースティック・ギターの弾き語りで切々と歌うヴィットリオの、ちょっと緊張した表情が良いですね。ニコのファルセット・ボイスが美しい!

しかしどちらの曲も聴いていて恥ずかしくなるくらい超ドラマチックにオーケストラが盛り上げてくれますね。 これぞイタリアという感じです。
 




2013年6月12日水曜日

「Live at RadioShow」ディスカス


インドネシアのバンドDiscusが、2012年にインドネシアのTV局tvOneの「RadioShow」に出演した際のスタジオライヴ映像。

[members]
Iwan Hasan(ギター、ボーカル)
Eko Partitur(バイオリン)
Fadhil Indra(キーボード、ボーカル)
Krisna Prameswara(キーボード、パーカッション)
Hayunaji(ドラムス)
Kiki Caloh(ベース)
Yuyun(ボーカル)

[set list]
1. Breathe
2. System Manipulation
3. Condissonance
4. Anne:
 i) Voxoverture 
 ii) Conversation
 iii) Inner Thoughts
 iv) March Of The Fools 

名作2nd「... Tot Licht!」(2004)で、超絶ジャズロックにメタルやポップスなどを力づくで融合させ、エスノやシンフォニックな味付けまでほどこした彼らの音は、まさに東南アジアからしか出て来ない類の、猥雑さすら感じられるパワフルなもの。

「... Tot Licht!」では素晴らしいサックス&クラリネットを聴かせてくれていたマルチ・ウインド奏者アント・プラブー(Anto Praboe)でしたが、アルバム発表後に心臓マヒで急逝、さらにイワン・ハッサンの脱退によって、バンドは一時期事実上の解散状態にありました。

しかし色々あってイワン・ハッサンを中心に再び活動を始め、その新しいラインアップで臨んだステージがこのライヴ映像となります。

重要な役割を果たしていたアントのパートをキーボードで補って、楽曲のオリジナルな音を大切にしているのが伺えますね。ビッグバンド風な趣きもあった以前に比べ、さすがに少し雑多な感じが整理されコンパクトになった印象がありますが、その分ロックバンド的になったとも言えそうです。

各メンバーのテクニックやバンドとしてのコンビネーションは素晴らしく、特にハユアージのドラミングはバンドサウンドの強力な推進力になっています。バイオリンのエコの風貌もなかなか怪しくて素敵です。

新ラインアップではフロントに立つ女性ボーカリストも、アルバム時のノニー(Noni)からユーユン(Yuyun)に替わっています。ユーユンはよりパワフルでワイルドな歌を聴かせてくれます。

大曲「Anne」がライヴで聴けるのも嬉しいですね。

「Beat Club 1971」アース・アンド・ファイアー



オランダのシンフォ・バンドEarth and Fireが、ドイツの音楽番組「Beat Club」に出演した際の1971年のスタジオライヴ映像。曲は傑作2ndアルバム「Song of the Marching Children」(1971)から「Storm and Thunder」。

[members]
Jerney Kaagman(リード・ボーカル)
Gerard Koerts(オルガン、ピアノ、メロトロン、バッキングボーカル)
Chris Koerts(ギター、バッキング・ボーカル)
Hans Ziech(ベース)
Ton van de Kleij(ドラムス、パーカッション)

そもそもが1968年結成のポップス・バンドであったということもあってか、プログレッシヴ・ロックとは言っても聴き易く明快なメロディーが特徴です。
 
ただしヘラルト・クールツの弾く上蓋を外したメロトロンが、絵的にも音的にも強烈です。まさに洪水がごとし。そしてクリス・クールツの黒いレスポールから繰り出されるファズ・サウンドも、ドラマチックな曲調に合っていて良いですね。

そこにややハスキーでちょっとドスの効いた感じのイェルニー・カーグマン嬢の歌が乗ると、迫力のあるEarth & Fireの世界が広がります。個性と押しの強い声に圧倒されてしまいますが、実はかなり難しい音程の曲をしっかり歌っているので、テクニック的にも安定していることが分かります。

ボーカル主体のポップスがプログレ・レベルまでドラマチックに構築されたと言えば、曲調は違いますがYesなどにも通じる言わば当時の王道路線。でも近年の女性シンフォバンドのようなケルト色やトラッド色が無くサイケ風味がほのかに漂っているのが、今聴くと逆に新鮮です。

雑然としたステージや盛り上がりの過剰さが1970年代ですね。
 

2013年6月9日日曜日

「Musica in Libertà 1974」レ・オルメ



イタリアのキーボード・トリオLe OrmeがイタリアのTV番組「Musica in Libertà」に出演した際のスタジオライヴ。「Contrappunti」(1974)の曲を演奏しているので、1974年の映像ではないかと思われます。

曲は「Contrappunti」から「Contrappunti」と「Frutto Acerbo」の2曲。

[members]
Toni Pagliuca(キーボード)
Aldo Tagliapietra(ボーカル、ベース、ギター)
Michi Dei Rossi(ドラムス、パーカッション)

名作「Felona e Solona」(1973)に続く「Contrappunti」は、作曲家/編曲家/指揮者であるGian Piero Reverberiが参加して作られた作品。恐らく協力はアルバム制作のみで、ライヴ活動には参加していなかったと思われますが、作品の方向性や完成度には大きく貢献していたことが想像されます。

そんな経緯もあり、バンドも演奏がこなれてきたこともあってか、Le Ormeの作品の中でも、ここで演奏されるアルバムタイトル曲は、完成度の点で屈指の出来でしょう。

かつてはドタバタしていたミッキ・デイ・ソッシのドラムスもテクニカルでキレの良い音を叩き出し、キーボードのトニー・パッリューカも多彩ながら無駄も気負いも無い誠実なプレイが光ります。

しかしやはりアルド・タリアピエトラの哀愁のボーカルが素晴らしいですね。そして耳に残る美しいメロディーもLe Ormeならではです。

2013年6月7日金曜日

「Live in Philadelphia 1979」イエス



傑作「Relayer」(1974)発表後にキーボードのパトリック・モラーツが脱退し、リック・ウェイクマンが再び加入して制作された「Going for the One」(1977)。そのままのメンバーで翌年制作されたのが「Tormato」(1978)でした。

この映像はその「Tormato」発表後(と言っても約9ヶ月後)、フィラデルフィアのスペクトラム・アリーナでの公演を収録したものです。テレビ用に撮影されましたが、放送されたのは一部で収録時間50分程。そのラストを飾る「Roundabout」です。

[members]
Jon Anderson(ボーカル)
Chris Squire(ベース)
Steve Howe(ギター)
Alan White(ドラムス)
Rick Wakeman(キーボード)
  
このツアー直後にジョンとリックが脱退という、バンド的には崩壊寸前と言える時期でのライヴですが、演奏はさすがにこのラインアップならではの完成度。「Yessongs」(1972)の鬼気迫る雰囲気とは異なり、安定感と余裕を感じさせつつ、自分たちの音世界を観客に届けてくれている感じです。
 
初登場となる回転円形ステージですが、コンパクトで立体的なセッティングがとてもカッコ良いですね。ステージ上にグランドピアノが載っているのが当時を偲ばせてくれます。

曲のスピードもかなり速く、ちょっと神がかったようなアンサンブルに興奮させられます。リック・ウェイクマンのパーカッシヴなハモンド・オルガンが素晴らしいですね。観客の盛り上がりも凄いです。

2013年6月2日日曜日

「Beat Club 1970」アモン・デュールII(Amon Düül II)


ドイツのサイケデリック・ロック・バンドAmon Düül IIが、1970年に音楽番組Beat Clubに出演した際のものと思われるスタジオ・ライヴ映像。

曲は名作「Yeti」(1970)収録の「Eye-Shaking King」。

[members]
Peter Leopold(ドラムス)
Lothar Meid(ベース)
Chris Karrer(ギター、バイオリン、ボーカル)
John Weinzir(ギター)
Kalle Hausmann(オルガン)


[set list]
1. Between the Eyes
2. Eye-Shaking King

「Between the Eyes」は1970年のシングル曲B面(ちなみにA面は「Rattlesnakeplumcake」)、「Eye-Shaking King」は名作「Yeti」から。

メンバー的にはすでに次作「Dance Of The Lemmings」(1971)に移行した後のようで、ベースのローター・マイトやキーボードのカーラ・ハウスマンが顔を揃えています。

元々プロのミュージシャン達ではなかったAmon Düül IIでしたが、メンバー各人が次第にテクニックを身に付け、またローター・マイトというプロ・ミュージシャンが加入することによって、ラフでサイケデリックでノイジーなサウンドから、緩やかに引き締まった音へと変化して行く時期のライヴと言えます。

何かに追い立てられるかのようにドラムを叩きまくるベーター・レオポルトや吐き捨てるようなクリス・カラーのボーカルは、どちらかと言えば呪術的な雰囲気が強かったアルバム・バージョンとは異なった荒々しさをこの曲にもたらしています。

キーボードそっちのけで、オシレーターでミュンミュンした音を出しているハウスマンが何だかドイツっぽいですね。

2013年6月1日土曜日

「Live At the Rehearsal Room 2004」アネクドテン



スウェーデンのヘヴィー・シンフォバンドAnekdotenが2004年のヨーロッパツアー前に行なったスタジオ・リハーサル。曲は「From Within」(1999)から「From Within」。

ちなみに撮影は同郷のAnglagardオリジナルメンバーで2012年秋のニューラインアッップから現メンバーとして復帰したTord Lindmanとのこと。

Peter Nordin(ドラムス、パーカッション)
Anna Sofi Dahlberg(キーボード、チェロ、ボーカル)
Nicklas Barker(ボーカル、ギター、メロトロン、ムーグ)
Jan Erik Liljestrom(ボーカル、ベース)

何より冒頭からのペーターのドラムスが素晴らしいですね。派手なドラミングではないですが、ジワジワ盛り上がるAnekdotenの曲調には欠かせない、抜群なリズムの安定感と堅実でタイトなプレイ。

安定感と言えばリッケンバッカーで重低音を叩き付けるヤンのベースも迫力満点。ボトムでうごめく彼のベースはAnekdotenのヘヴィさに大きく貢献しています。

そしてこの曲ではボーカルも取るニクラスのうねるようなギターも独特。華麗なギターソロを延々と披露するタイプではないけれど、彼のリフに徹したプレイはAnekdotenには欠かせない音。

そして全てを押し流すようなアンナのメロトロン。生真面目な学生のような彼女の真剣な佇まいがまた良いですね。

キャッチーなメロディーや目の覚めるようなギター/キーボード・ソロやスリリングなインスト・バトルがあるわけではない彼らのサウンド。曲はどれも、大きな影響が感じられるKing Crimsonよりも、ある意味さらに地味でストイックなものです。その激しくも荒涼とした音世界は、正に北欧という風土が産んだ彼らだけのものと言えましょう。