2013年12月29日日曜日

「Jamming in the Studio 1971」ファウスト



ドイツのバンドFaustが1971年にスタジオで行った非常にレアなライヴ映像で、WRD(西ドイツ放送局)が「Faust jamming in the studio, 1971」というドキュメンタリーとして記録したものとのこと。

曲は前半が1st「Faust」収録の「Miss Fortune」のさわり、後半がローテンブルク(ヴュンメ)でのスタジオ・ジャム・セッションと思われます。

[members]
Werner "Zappi" Diermaier(ドラムス)
Hans Joachim Irmler(オルガン)
Arnulf Meifert(ドラムス)
Jean-Hervé Péron(ベース)
Rudolf Sosna(ギター)
Gunter Wüsthoff (サックス、シンセサイザー)

アヴァンギャルド・ロックとかエクスペリメンタル・ロックなどと語られることが多いと思われますが、映像を見る限りは演奏はいたってシンプルで“普通”な感じです。

しかし近年こそドラム缶をチェーンソーでガァ〜とか、ナタでTVをドシャ〜!みたいなステージも行っているFaustですが、元々は決して過激で難解なノイズや破天荒なパフォーマンスで売っていたバンドではありませんでした。

初期のアルバムで見せた個性は、ポップとも言えるシンプルなサイケデリック・ミュージックを元にした卓越したサウンドコラージュにあったと言えるわけですが、その要素である演奏自体にも大きな魅力があるバンドです。こうして淡々と演奏する姿は意外ではないのかもしれませんね。

ちなみにfaustとは英語のfist、拳のこと。1stアルバムに写っている写真ですね。


2013年12月28日土曜日

「Live in 2007」アフター・クライング


1986年結成のハンガリーのバンドAfter Cryingが、2004年12月にBudapestで行ったコンサートのフル・ステージを収めた、2時間近くに渡る映像。


[members]

Bátky Zoltán(ボーカル)
Winkler Balázs(トランペット、シンセサイザー)
Lengyel Zoltán(ピアノ、シンセサイザー)
Pejtsik Péter(ベース、チェロ)
Torma Ferenc(ギター、シンセサイザー)
Madai Zsolt(ドラムス、パーカッション)
Egervári Gábor(フルート、コンサート・サウンド)
Görgényi Tamás(コンセプト)

[set list]

1. Intro
2. Viaduct
3. Remote Control (Invision/News/Media Overdose)
4. Globevillage at Night
5. New World Coming
6. Paradise Lost
7. Secret Service
8. Jonah’s Prayer
9. Good Night (Good Night I./Red Night/Good Night II.)
10. Don’t Betray Me
11. Technopolis/Setup
12. Burlesue
13. Stonehenge
14. Conclusion
15. Band Introduction – Setup Reprise
16. Farewell I.
17. Life Must Go On
18. Arrival of Manticore II.
19. Confess Your Beauty (excerpt)
20. Cello-Guitar Duet
21. Piano Solo
22. Drum Solo
23. Viaduct – Reprise
24. Farewell II.

当時の最新アルバム「Show」(2003)の楽曲を中心に過去作の代表曲を網羅した内容で、After Cryingの凄さをとことん堪能できます。

ステージでフルに演奏を繰り広げるのは6人。キーボードを3人が弾きますが、キーボード専任はレンニエル・ゾルタンだけで、トルモ・フェレンツはロバート・フリップ張りの緊張感あふれる素晴らしいギターを弾き、ヴィンクレー・バラッシュは片手でキーボードを弾きながら片手でトランペットを吹きます。またベースのペイチック・ピーテルはチェロも弾き、ダブルベースのようなプレイも見せてくれます。

とにかく全員がテクニシャンですが、それが超絶ソロを弾きまくるのではなく、それぞれの楽器の音やアンサンブルの安定感とか美しさから感じられるのが凄いところ。ヴィンクレーの片手トランペットの音の良さなんて素晴らしいの一言です。

クラシック音楽という下地のあるプレーヤーばかりということもあるのでしょう、メンバーは譜面を見ながらプレイします。それでもロック的躍動感は損なわれることはありません。中でもトルモのギターは、豊潤で平和なアンサンブルにヘヴィ・ロック的な緊張感を加えてくれる大きな役割を担っていると言えそうです。

すでにベテランバンドでありますが、2011年には傑作「Creature」を発表し、現役プログレッシヴ・ロック・バンドの最高峰の一つであることを示してくれました。

2013年12月21日土曜日

「Amico Flauto 1972」PFM



イタリアのPFM(Premiata Forneria Malconi)が1972年にイタリア国営放送(RAI)の番組「Amico Flauto」に出演した際のTV映像。

曲は1st「Storia Di Un Minuto」(1971)収録曲「Dove...Quando...(Part 2)」。

[members]
Flavio Premoli(キーボード、ボーカル)
Giorgio Piazza(ベース、ボーカル)
Franz Di Cioccio(ドラムス、ボーカル)
Mauro Pagani(フルート、ピッコロ、バイオリン、ボーカル)
Franco Mussida(ギター、メロトロン、ボーカル)

1971年にデビューアルバムStoria Di Un Minuto」、1972年「Per Un Amico」発表後で、マンティコアからの英語版「Photos Of Ghosts」(1973)前という、バンドの歴史最初期にあたる時期の映像となります。

フラヴィオ・プレモリが司会者にメロトロンやムーグ・シンセサイザーの解説をしているのが面白いですね。こうした機材がまだまだ珍しい時期だったことが分かります。プレモリがスポークスマンという感じでしょうか。

しかしそうした“先進的”な楽器に頼ることなく、生ピアノを流麗に弾き始めるプレモリの演奏が素晴らしいですね。マウロ・パガーニはフロントマンとしてバイオリンにフルートに活躍します。終盤まで出番がないギター・マエストロのフランコ・ムシーダは、メロトロンとムーグで曲をドラマチックに盛り上げています。

ラストのバンド一体となった美しくもスキのないアンサンブルが見事です。ハッタリのないPFMの豊かな音楽性が広がります。


Areaからパトリック・シヴァス(Patrick Djivas)を迎える以前の、ジョルジオ・ピアッツァがベースを弾いている映像としても、貴重なものだと思われます。

     

2013年12月13日金曜日

「Rock en Stock - French TV 1972」キャラバン



イギリスのバンドCaravanが1972年にフランスのTV番組「Rock en Stock」に出演した際のスタジオライヴ映像。放送は1973年。

曲は4th「Waterloo Lily」(1972)からの大作「The Love in Your Eye」。

[members]
Pye Hastings(ギター、リードボーカル)
Richard Coughlan(ドラムス)
Geoffrey Richardson(ヴィオラ)
Derek Austin(キーボード)
Stuart Evans(ベース)

「Waterloo Lily」発表後、キーボードのスティーヴ・ミラー(Steve Miller)とボーカル&ベースのリチャード・シンクレア(Richard Sinclair)が脱退したため、キーボードにデレク・オースティン、ベースにスチュアート・エヴァンスを迎えて、精力的なツアー活動に臨みます。

「Waterloo Lily」はスティーヴ・ミラーの影響で、Caravanのアルバム中一番ジャズ色が強いと言われますが、一方でリチャード・シンクレアがボーカルを取る曲が1曲のみで後はパイ・ヘイスティングがボーカルを担当するなど、パイ・ヘイスティングス色が強まったアルバムでもあります。ここでも彼を中心としたバンドという雰囲気が漂っています。

ちなみにスティーブ・ミラーは、ギタリスト、フィル・ミラー(Phil Miller)の兄。スティーヴを介してフィルとリチャード・シンクレアが知り合って、Hatfield & the Northが結成されることになります。

アルバムではジミー・ヘイスティングス(Jimmy Hastings)の目の覚めるようなフルート演奏も入り、スティーヴのエレクトリック・ピアノが大きなアクセントになっていますが、ここでは新加入のデレクはオルガンに徹し、ジェフリー・リチャードソンのヴィオラがすでに大活躍していて、次作「For Girls Who Grow Plump In The Night」(1973)に近いバンド・アンサンブルになっているのが面白いですね。

この後1973年になるとベースはジョン・G・ペリー(John G. Perry)に交替、そしてキーボードにはデイヴ・シンクレア(Dave Sinclair)が復帰することになります。

2013年12月5日木曜日

「TV Show 1972」イ・プー



イタリアのラヴ・ロック・グループ、I Pooh(イ・プー)が、国営放送RAIで行なったTV放送用スタジオライヴ。リッカルド・フォッリ(Riccardo Fogli)在籍時なので、第5作「Alessandra(邦題:ミラノの映像)」発表の1972年頃の映像だと思われます。

曲はオーケストラとの共演で「Alessandra」(1972)から「Noi Due Nel Mondo e Nell'anima(邦題:愛のルネッサンス)」。

[members]
Roby Facchinetti(ボーカル、キーボード)
Dodi Battaglia(ボーカル、ギター)
Riccardo Fogli(リード・ボーカル、ベース)
Stefano D'Orazio(ボーカル、ドラムス)

華麗なピアノと弦楽器によるイントロに導かれて、冒頭ロビー・ファキネッティの弾くミニムーグ・シンセサイザーが太い音を奏でますが、当時このミニムーグをいち早く取り入れたことでも注目された曲とのこと。ロビーのヒゲが珍しいですね。

イ・プーはとにかく全員が取るボーカルが強力で、そのユニゾンやハーモニーが力強く美しいのですが、同時にシンプルなのにうっとりしてしまう甘いメロディーも大きな魅力。この曲「Noi Due Nel Mondo e Nell'anima」は、その両方が詰め込まれた、正に名曲中の名曲と言えるでしょう。

この当時はオーケストラを大胆に起用したアルバム制作を行なっていて、ツアーもオーケストラを帯同する大規模なものだったようです。それでも決してコーラスグループではなく、ポップ・ロック・バンドとして堂々とステージに立っていたことが伺われます。

基本的にラヴ・ロック・バンドですが、特にこの時期のオーケストラとの一体感は格別で、その壮大で流麗なサウンドはプログレ・ファンの人気も高いですね。

リッカルド・フォッリ在籍時の貴重な映像ですが、この後彼は1973年にバンドを離れソロ活動の道へと進みます。バンドは新たにレッド・カンツィアン(Red Canzian)を迎え、プログレ作としても人気がある次作「PARSIFAL」以降のさらなる快進撃が始まることになります。