ラベル Trace の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル Trace の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2020年6月18日木曜日

「ブーレ(Bourrée)1976」トレイス(Trace)




オランダのキーボード・トリオTraceが1976年に行なった、スペイン国営放送(Radiotelevisión Spanish:RTVE)のTV用スタジオ・ライヴ。曲は1975年の名作2ndアルバム「Birds」の冒頭曲「Bourrée」。

[member]
Rick Van Der Linden(キーボード)
Jaap Van Eik(ベース、ギター)
Ian Mosley(ドラムス、パーカッション)

この曲は、バッハのイギリス組曲第二番ブーレをアレンジしたものですが、抜群のスピードとロックなダイナミズムを加えて、見事にバンドの音に仕上げています。
  
良く聞くと、実はアルバムの音を使った当て振りなのですが、3人とも見事に演奏通りの動きをしています。実力の持ち主たちなのですから、ならば思い切ってライブを聞かせてほしかったところですね。
  
当て振りが一番難しいのはしっかり叩けないドラマーでしょう、今やイギリスのバンドMarillion(マリリオン)のドラマーであるイアン・モズレーも、さすがにちょっとやる気がなさそうな感じです。さらにベースのヤープ・ヴァン・エイクに至っては、ほとんど顔が映されません。

メインのリック・ヴァン・ダー・リンデンも、カメラがフォーカスしているのはその手の動きです。でもそれが、当て振りと言えども、目のさめるようなプレイなので、思わず見入ってしまいます。

  

「Gaillarde 1974」トレース(Trace)


  
オランダのキーボード・トリオTraceが1974年に、イギリスBBCの番組「The Old Grey Whistle Test」で行った、スタジオ・ライヴ。(※ 音量が小さいのでご注意ください)

曲は1974年の第一作「Trace」の冒頭曲「Gaillarde」。

[member]
Rick Van Der Linden(キーボード)
Jaap Van Eik(ベース、ギター)
Pierre Van Der Linden(ドラムス、パーカッション)
  
ちなみにピエール・バンダー・リンデンはリックの弟。Traceに参加したのは本作のみで、次作「超人王国(Birds)」(1975)では、名手イアン・モズレーに交代します。
「Gaillarde」は、映像冒頭でリックが紹介しているように、バッハの「イタリア協奏曲 第三楽章」がベースになっています。
  
後のイアン・モズレーと比べてしまうと、どうしてもピエールのドラミングは単調に聞こえてしまい、その分イージー・リスニングに近づいてしまいそうなところを、ヤープのベースがボトムを駆け巡ることで、バンド的な躍動感が保たれています。
   
キース・エマーソンの向こうを張ろうとしているようなリックのステージングですが、音そのものに破天荒さや暴力性が感じられないので、ちょっと無理している感が出てしまっていますね。

むしろ、ラスト近くのメロトロン・ソロが中々感動的で、Traceらしいさが出ている気がします。

2013年2月12日火曜日

「Bird-King Live 1977」トレース



オランダのキーボード・トリオTraceが1977年5月に行なった、ドイツのTV用スタジオ・ライヴ。曲は1975年の名作「Birds」収録の大曲「Bird-King(組曲:鳥人王国)」からの抜粋を中心とした構成になっています。

なおキーボードのハンス・ヤコブスは、映像的にもほとんど無視されているので、実質的にライヴ用サポート・メンバーだったのだと思われます。
 
[member]
Rick Van Der Linden(キーボード)
Jaap Van Eik(ベース、ギター)
Ian Mosley(ドラムス、パーカッション)
Hans Jacobse(キーボード)   
 
[set list]
1. King-Bird
2. Sculpture-Bird
3. Pathetique(悲愴)
4. Surrender(降伏)
5. Confrontation(対立)
6. Preacher Bird
7. A Memory 

アルバム「Birds」から元Wolf、後にMarillionに加入するテクニシャン、イアン・モズレイが加わって、リズムにも安定感が増したこの時期。ヤープのボーカル・パートを無くし、代わりにピアノソロなどが取り入れられ、よりリックのキーボードを中心に据えたクラシカルな構成になっています。

もともと同じキーボード・トリオでもEL&PよりNiceに近く、さらにクラシカルで端正なメロディーが魅力のバンドですが、それはライヴでも変わらず。リックだけはちょっと気合いが入っていますが、他のメンバーはスタジオ・ミュージシャン並みに冷静かつ的確なプレイに徹している感じ。

とは言えそこはTrace、中盤の高速7/8拍子におけるリズム・セクションの切れは素晴らしいの一言。ラスト近くのドラムソロにおける、音の粒立ちの良さも驚異的です。恐るべしイアン・モズレー。

悲しいことにリック・ヴァン・ダー・リンデンは2006年1月22日に永眠。このような映像が残っていたことが奇跡的ですが、この映像を見ながら、Traceの世界をあらためてじっくりと味わいたいものです。