2015年5月22日金曜日

「Live at the Empire Pool 1975」リック・ウェイクマン

 
Yesのキーボード奏者として活躍するかたわら、「ヘンリー八世と六人の妻」(1972)、続く「地底探検」(1974)と、ソロとしても充実した作品を作りあげていたRick Wakemanが、1975年にソロ第3作として発表したのが、アーサー王伝説を取り上げたコンセプトアルバム「アーサー王と円卓の騎士たち」(The Myths and Legends of King Arthur and the Knights of the Round Table)です。
 
そして、同年5月に前作「地底探検」をも凌ぐほどのライヴを行います。それがこのウェンブリー・エンパイア・プール(現在のウェンブリー・アリーナ)でのアイス・ショーです。氷のスケート・リンクの真ん中にオーケストラや合唱団を含む大勢のミュージシャンが並び、そのまわりを20人近いスケーターが踊るのです!
 
ここでは「アーサー王と円卓の騎士たち」のパートとして「魔術師マーリン(Merlin The Magician)」を除く6曲(以下のsetlist)が、アルバムに忠実なかたちで演奏されています。本映像はそこから「Guinevere(王妃グィネヴィア」です。
 
[members]
Rick Wakeman(キーボード)
English Rock Ensemble
 Ashley Hole(ボーカル)
 Gary Pickford Hopkins(ボーカル)
 Jeffery Crampton(ギター)
 Roger Newell(ベース)
 Barney James(ドラムス)
 
Martin Shiels(トランペット)
John Hodgeson(パーカッション)
Terry Taplin(ナレーション)
David Measham(オーケストラ&合唱指揮)
 
The English Chamber Choir(合唱)
Nottingham Festival Vocal Group(合唱)
New World Symphony Orchestra(オーケストラ演奏)
 
[set list]
アーサー王と円卓の騎士たち」
(The Myths and Legends of King Arthur and the Knights of the Round Table)
 1. Arthur(アーサー王)
 2. Lady Of The Lake(湖の妖精)
 3. Guinevere(王妃グィネヴィア
 4. Sir Lancelot And The Black Knight(湖の騎士ラーンスロットと黒騎士)
 5. Sir Galahad(騎士ガラハド)
 6. The Last Battle(最後の戦い)
 
この規模の大きさと、ロックコンサートとアイスショーというミスマッチ感は、いかにもなんでもアリな1970年代的です。でも、ここにしかないロックとオーケストラの融合があります。そしてクラシカルでポップでドラマチックで、そのメロディーの素晴らしさにあらためて胸を打たれます。何よりも、Rick Wakemanの奏でるムーグの使い方が圧巻ですね。
 
キワモノ的な企画に終わってもおかしくないところですが、今までとは違ったことをやろうという意気込みと情熱が伝わってくる、徹底したこだわりと誠実さの溢れるステージです。