2013年7月31日水曜日

「Chorus Antenne 2」ヴィドルジェ



フランスのヘヴィー・ジャズロック・バンドWeidorjeが、フランスのTV局「Antenne 2」の音楽番組「Chorus」に出演したライヴ映像。

曲はWeidorjeのアルバムからではなく、ベルナール・パガノッティのソロ「Paga」(1984)に収録されることになる「Una parcell d'urantia」。この曲はWeidorjeの2ndアルバムのために用意され実際にステージでも演奏されながら、バンドが解散したためソロアルバムに入れられたものと思われます。

[members]
Bernard Paganotti(ベース、ボーカル)
Patrick Gauthier(キーボード)
Michel Ettori(ギター)
Kirt Rust(ドラムス)
Alain Guillard(サックス、フルート)
Yvon Guillard(トランペット、ボーカル)
Jean-Philippe Goude(キーボード)

WeidorjeはMagmaのメンバーだったベルナール・パガノッティとパトリック・ゴーティエが中心になって1978年に結成されたバンド。当初Magmaと平行して活動していましたが、ヤニック・トップ(Janik Top)がMagmaに復帰したのを機に、両者はMagmaを脱退しWeidorjeに専念することになりました。

しかし活動は思うように続かず、わずか1枚のアルバムを残してバンドは解散。このわずかな期間におけるステージの様子が記録された貴重な映像と言えるでしょう。

何よりまずパガノッティの、あのMagma「Live」の音が聴けるだけで嬉しくなります。さらにパガノッティ自身、とても活き活きしているのも伝わってきます。やはり何と言っても独特のブイブイと唸る音でグルーヴィーに演奏されるベースが素晴らしいですが、ファルセットも駆使したボーカルも本家Magmaを彷彿とさせる力強いものです。

サウンドはまさにMagma直系。管楽器が入っているのは初期Magmaに近いですが、ドラムスのカート・ラストがパワフルながらも“わきまえた”演奏をしているので、重低音で疾走するバンドとしての一体感はWeidorjeならではと言えるでしょう。

尚、バンド名WeidorjeはMagmaの「Udu Wudu」(1976)に収録されたパガノッティによる同名曲から取られたものとのこと。

2013年7月26日金曜日

「Calkutta Jazz Festival 1979」エンブリオ



ドイツのエスノ・サイケデリック・ジャズロックバンドEmbryoが、インドで1979年に行なわれたCalcutta Jazz Festivalに参加した際の映像。ちなみにCalcuttaとは現Kolkataの2001年以前の旧称。

1979年、Embryoはイラン〜 アフガニスタン〜インドをバスで移動し、9ヶ月にも渡るツアーを敢行します。そしてその記録として80分のドキュメンタリー映画「Vagabunden Karawane」(1980)を制作しています。この映像は恐らくその映画からのものと思われます。曲は「Try to Do」。

[members]
Christian Burchard(ドラムス、パーカッション)
Roman Bunk(ギター、サズ、シタール、ボーカル)
Uwe Müllric(ベース)
Michael Wehmeyer(キーボード)
Friedemann Josch(フルート)


EmbryoはMCを取っているクリスチャン・ビュッシャールが中心となって1969年に結成されましたが、彼以外のメンバーは目まぐるしく入れ替わり、サウンドも初期のエスニック風味のジャズロックから、次第にエスニック・ミュージックそのものへと傾倒していき、音楽性を変えながら現在も活動している息の長いバンドです。

中近東的ムードとロックなパワーとジャズ風スキャットが、実に怪しいごった煮的世界を作り上げていますね。惜しむらくはバンド演奏風景がきちんと収められていないのが残念と言えば残念です。でも逆に、この当時のツアー先の風景を記録した映像の数々が、彼らのサウンドのエスニックな怪しさを倍増させているとも言えます。

Embryoのレアなライヴ映像であるとともに、1979年当時のイラン〜 アフガニスタン〜インドの貴重な映像記録でもあると言えるでしょう。
 

2013年7月25日木曜日

「Harujänta 1982」フォン・サムラ



スウェーデンのジャズ・ロックバンドVon Zamlaによる、1982年頃のTV番組と思われるスタジオライヴ映像。

曲はデビューアルバム「Zamlaranamma」(1982)から、「Harujänta」。

[members]
Eino Haapala(ギター)
Michel Berckmanns(バスーン、オーボエ)
Wolfgang Salomon(ベース)
Marten Tiselius(ドラムス、パーカッション)
Hans Loelv(キーボード)
Lars Hollmer(キーボード、アコーディオン)

Samla Mammas Manna(Zamla Mammas Manna)が事実上解体してラーシュ・ホルメルとエイノ・ハーパラだけになってしまった時、、アルベール・マクール・アンサンブル(Albert Marcoeur's ensemble)との共演を機に、同バンドからリード奏者のDenis BrelyとベーシストのJan Garretが加入し、バンド名をVon Zamlaに変えて「Zamlaranamma」を発表します。

しかし1stアルバム発表後この二人が脱退、残ったホルメルとハーパラは、ベルギー人でUnivers Zeroのバスーン奏者だったMichel Berckmannsと、ドイツ人でMUNJUのメンバーのWolfgang Salomonを加えて活動を続けます。

Univers Zeroは言わずと知れた暗黒チェンバーロックの雄。この1980年前後は特にその暗黒度が強烈な時期でした。そしてMUNJUというのはドイツのジャズロック・バンドで、ちょうどこの頃Von Zamlaとともにドイツとスウェーデンに大規模ツアーに出ていたことなど交流があったと思われます。
 
演奏はまさにSamla Mammas Manna直系の、どこかどぼけたようでいて非常にテクニカルなジャズロック・サウンド。

Univers Zeroの暗黒音楽とは違ったちょっと脱力したミシェル・ベルクマンのバスーン/オーボエが全面に出ていること、素っ頓狂なスキャット、もぞもぞと細かく動き回るギター、安定感抜群のリズムセクション、何と形容していいのか分からないサウンドですが、結局“とってもカッコイイ”!
 

2013年7月20日土曜日

「魅惑劇」ノヴェラ



1980年初頭に“プログレッシヴ・ハード・ロック”のキャッチコピーでデビューした日本のバンドNovela。1983年のステージ映像より、1st「仮面劇」(1980)から「魅惑劇」。下記の第二期メンバー(下記参照)による第一期の代表曲のステージということになります。

レコード会社の思惑などもありデビュー当時は“元祖ビジュアル系バンド”的な印象が強烈でしたが、バンド名(イギリスのクラシカル・ロック・バンドRenaissanceのアルバム「Novella」より)からも分かるようにプログレ的な要素も持っていて、楽曲的には五十嵐のハイトーン・ボーカルを各メンバーの高度な演奏で支えるドラマチックなものが多いのが特徴でしょう。

変拍子やインスト・パートを含みながらハードロック的ストレートさを持ち合わせた、正に“プログレ・ハード”と言えるサウンドですが、当初からボーカルの個性、演奏の安定感は抜群ですね。

実際Teru's Symphoniaを立ち上げる平山のメロディアスなギターや、Gerardを結成する永川のシンフォニックなキーボードは、ビジュアル・バンドの域をはるかに越えた存在感を示しています。後半の第二期の映像になるとそのビジュアル面も落ち着きを見せ、バンドに貫禄のようなものが伺えます。

好き嫌いが激しく分かれるバンドかもしれませんが、間違いなく日本のロックシーンに大きな足跡を残したバンドNovela。その最盛期を記録した貴重な映像と言えるでしょう。

ちなみにその歴史を追うようにステージ映像を繋げた映像に、「Novela History I」があります。

[members]
【第一期:「仮面劇」(1980)〜「パラダイス・ロスト」(1981)】
五十 嵐久勝(ボーカル)
平山 照継(ギター)
山根 元嗣(ギター)
高橋 良郎(ベース)
永川 敏郎(キーボード)
秋田 鋭次郎(ドラムス)

【第二期:「サンクチュアリ(聖域)」(1983)※ イメージアルバム、ライヴアルバムを除く
五十 嵐久勝(ボーカル)
平山 照継(ギター)
笹井 りゅうじ(ベース)
永川 敏郎(キーボード)
西田 竜一(ドラムス)

[set list]
1. 時の崖
2. 奇蹟
3. きまぐれ天使
4. メタルファンタジー
5. 名もなき夜のために
6. メタマティック・レディダンス
7. 仮面
8. 第3の剣
9. シークレット・ラヴ
10. ドント・ストップ
11. 怒りの矢を放て
12. 黎明

1〜6が第一期、7〜12が第二期のメンバーによるライヴ映像です。 



「Beat Club 1970」レア・バード



イギリスのギターレス、ツイン・キーボードを特徴とするバンドRare Birdが、1970年にドイツのTV番組「Beat Club」に出演した際のスタジオライヴ映像。

曲は1st「Rare Bird」(1969)から「Beautiful Scarlet」。

[members]
Graham Field(キーボード)
David Kaffinetti(キーボード)
Steve Gould(リード・ボーカル、ベース)
Mark Ashton(ドラムス)

ギターレス、ツイン・キーボードというと、NiceやEL&P顔負けのキーボード主体のサウンドかと思ってしまいますが、実はスティーヴ・ブールドのソウルフルな歌を核にした、ポップなオルガン・ロックと言えるでしょう。

グラハム・フィールドはオルガン主体、デヴィッド・カフィネッティはエレクトリック・ピアノ主体と、ツイン・キーボードでもある程度の役割分担があり、昨今の“分厚いキーボード・オーケストレーション”とは無縁の、味のあるプレイ&掛け合いが信条です。これが震えるほど渋くて良いですね。

アルバムを聴くと、スティーヴはノーマル・ボイスとソウルフル・ボイスを使い分けていて、それがまたサウンドに変化と厚みをもたらしています。こういう声&歌唱法は、今の“プログレ”的感覚から言うと、受け入れ難いものがあるのかもしれませんが、逆にこの時代だからこそ生み出せた、クラシカル&シンフォ色に拘らない何でもアリな本当の“プログレ”的魅力を持ったバンドだと言えるでしょう。

その“ソフルフルなプログレ”、あるいは“ゴスペル風プログレ”という他に類を見ないサウンドが結実したのが、2nd「As Your Mind Flies By」収録の19分を越える大曲「Flight」です。

ちなみにこの「Beautiful Scarlet」は、これまたコーラス主体のポップバンドながら「Voice」(1973)という傑作プログレアルバムを作ってしまったイギリスのバンドCapability Brownが、1st「From Scratch」で第一曲目としてカバーしています。こちらも分厚いハーモニーが特徴の素晴らしい出来です。





2013年7月19日金曜日

「Radio Bremen Session 1970」サード・イヤー・バンド



chember rockの始祖とも考えられ、呪術的/瞑想的なサウンドで孤高の存在であったThird Ear Bandが、1970年にドイツのTV番組「Beat Club」に出演した際のスタジオライヴ映像。 

演奏されている曲「In D」は、「Raga in D」として1st「Alchemy」(1969)のために用意されながら収録されなかったもの。

[members]
Glen Sweeney(ドラムス、パーカッション)
Paul Buckmaster(チェロ、ベース)
Paul Minns(オーボエ)
Denim Bridges(ギター)
Gasper Lawal(コンガ)

このライヴはアコースティック楽器によるchember色はあまり強くなく、エレクトリック楽器を使用したちょっと意外なパフォーマンス。でも呪術性はしっかり保たれていて、当時の他の実験的なバンドと地続きでありながら、際立った個性を発揮していたことが分かります。

アルバムでは「Macbeth」(1972)の布陣に近く、アコースティックな響きの一翼を担っていたバイオリン/ヴィオラ担当のリチャード・コフ(Richard Coff)が抜け、ギターのデニム・ブリッジスが加入したことで、サウンドに変化があったのかもしれません。

さらに呪術性を高めているのがナイジェリア出身のセッション・ミュージシャン、ガスパー・ローウェルのコンガでしょう。線の細いポール・ミンズのオーボエと共に、独特の瞑想空間を作り出していますね。そこにデニス・ブリッジスの即興的なギターが被さり、サイケデリックな雰囲気も加わります。

アルバムで聴くThird Ear Band以上に“ロック”なバンドのであったことがわかる、貴重な映像でしょう。

2013年7月18日木曜日

「Live in Italy 1970」イースト・オブ・エデン



イギリスのエスニック・ジャズロック・バンドEast of Edenが1970年にイタリアで行なったライヴの映像。
 
曲は2nd「Snafu」(1970)から「Leaping Beauties For Rudy / Marcus Junior」。

[members]
Dave Arbus(テナー・サックス、バイオリン、フルート)
Ron Caines(ソプラノ・サックス)
Geoff Nicholson(ギター)
Andy Sneddon(ベース)
Geoff Britton(ドラムス)

デイヴ・アーバスが中心となって結成されたバンドということもあり、彼のサックス、バイオリン、フルートの中近東風なエキゾチックさと、当時のサイケデリックさが渾然一体となったサウンドです。

それでもその風貌や一聴した時の荒っぽさとは異なり、実はかなりクールでテクニカルな演奏です。 中間部のフリーパートも自由奔放というよりは抑制の効いたもの。ジェフとアンディのリズム・セクションが実に安定感があって良いですね。

曲の終盤でライヴ映像が無くなってしまうのが何とも惜しいですが、この時期のこのメンバーによる映像は大変貴重なものと言えるでしょう。

2013年7月17日水曜日

「Nederposien Live 1973」カヤック


オランダのバンドKayakが、1stアルバム「See See the Sun」(1973)を発表した1973年にオランダのTV番組「Nederpopzien」に出演した際のライヴ映像。

曲はその1stから「Hope for a Life」。

[members]
Ton Scherpenzeel(キーボード、ボーカル)
Pim Koopman(ドラムス、ボーカル)
Max Werner(リード・ボーカル、パーカッション、メロトロン)
Cees van Leeuwen(ベース、ボーカル)
Johan Slager(ギター、ボーカル)


後に10cc、ELO、Supertrampのようなポップなサウンドで人気を博した彼らですが、最初期は結構プログレ的と言いますか、Yesに近い音を出していたことが分かる映像ですね。

そのYes風味を醸し出しているのが、全員がボーカルを取れるという美しいコーラスワーク。そしてリッケンバッカーの硬質なベース音。そしてリック・ウェイクマンを思い起こさせる、リーダーのトン・シャーペンジールのピアノ/オルガンを主体としたキーボード・ワーク。リック・ウェイクマン似と言えば、リード・ボーカルのマックス・ヴェルナーがキーボード(メロトロン)を前にケイプをつけて立っている姿も…。

ただ全体を映す時、アングル的にトン・シャーペンジールが画面から切れてしまうのが残念なところ。音質も今ひとつなのが惜しいです。

しかしELOにしてもこのKayakにしても、最初期は結構トンガったロックな音だったのが、次第にメロディーを重視した上質なポップ・ロックバンドへと変わっていくわけですが、それを考えると逆に「Relayer」に向けて複雑さとアバンギャルド性を増していったYesというバンドの特異性に思いを馳せてしまいます。

ちなみにトン・シャーペンジールは後にCamelのアルバム「Stationary Traveller」(1984)に参加したことでも有名です。
 

2013年7月15日月曜日

「Beat Club 1971」プロコル・ハルム



1967年のデビュー曲「A White Sade of Pale(青い影)」が大ヒットし、一躍イギリスのトップバンドとなったProcol Harumが、1971年にドイツの音楽番組「Beat Club」に出演したスタジオライヴ映像。

[members]
Gary Brooker(ピアノ、ボーカル) 
Alan Cartwright(ベース)
B.J.Wilson(ドラムス、マンドリン)
Chris Copping(オルガン)
Dave Ball(ギター、ボーカル:1〜9)
Mick Grabham(ギター:10〜11)
Keith Reid(作詞)

[set list]
1. Power Failure
2. A Salty Dog
3. Simple Sister

Procol Harumはプログレッシヴ・ロック・バンドなのかと言われれば、なかなか難しいところでしょうけれど、ピアノとオルガンのツイン・キーボード編成の妙や、ブルースやクラシックからの影響、コンセプチュアルなアルバム作り、さらにオーケストラとの共演など、プログレッシヴ・ロックに大きな影響を与えたバンドであることは間違いないでしょう。

この時のライヴは「Broken Barricades」(1971)までのアルバムからの選曲。デイヴ・ブルッカーのブルージーなボーカルとピアノ、クリス・コッピングのクラシカルなオルガン、ジミー・ペイジがLed Zeppelinのドラマーにと考えていたこともあると言われるB.J.ウィルソンの粘っこくパワフルなドラム、デイヴ・ボールの流れるようなギターが、品と翳りのあるポップな世界を作り出します。

このメンバーは、1972年にTen Years Afterと共に来日公演を行なった時の編成でもあります。

2013年7月14日日曜日

「WDR Köln 1977」クラウス・シュルツェ



1969年〜1970年にはTangerine Dream、1970年〜1971年にはAsh Ra Tempelにドラマーとして参加していたKlaus Schulzeが、ソロ・デビュー後の1977年1月にドイツのケルンで行なった、WDR(西ドイツ放送)TV番組「Musik Extra 3」用のスタジオライヴ映像。

曲は「La Vie Electronique Vol. 5」(2010)に収録されている「For Barry Graves」。

今でこそ電子音楽作曲家/演奏家のパイオニア&大御所として孤高の存在となっているシュルツェですが、1947年生まれの彼はこのライヴ当時29歳。若き修行僧といった趣きがまた魅力です。

ポポル・ヴー(Popol Vuh)のフローリアン・フリッケ(Florian Fricke)から譲り受けたという巨大ムーグ・シンセサイザー・システムを中心に、ミニ・ムーグ、ポリムーグ、EMS Synth-Aなどをところ狭しと周りに並べ、まるで宇宙船のコックピットかタイムマシンのコントロールルームのような雰囲気の中で、時間と空間を操るかのように荘厳な音世界を作り上げていますね。

ちなみにこの“Barry Graves”というのは、有名なドイツのジャーナリスト、作家、ラジオ番組司会者。このスタジオライヴが行なわれた番組「Musik Extra 3」の司会者でもありました。

残念ながらこの「For Barry Graves」を収録したアルバム「La Vie Electronique Vol. 5」は現在入手困難なため、同年に発表した美しい傑作「Mirrage」(1977)を関連アルバムとして挙げておきたいと思います。
 

2013年7月13日土曜日

「Requiem Für Einen Wicht 1972」ヘルダーリン



ドイツのフォーク・ロック/シンフォ・ロック・バンドHölderlin(2nd以降Hoelderlin)が1st「HÖLDERLIN's Traum」(1972)発表当時のPVか、TV番組用編集映像と思われます。

曲はその1st 「HÖLDERLIN's Traum」から「Requiem Für Einen Wicht」。

[members]
Nanny De Ruig(ボーカル)
Nops Noppeney(バイオリン、ヴィオラ)
Peter Kassim(ベース)
Michael Bruchmann(ドラムス、パーカッション)
Jochen Grumbkow (フルート、チェロ、キーボード)
Christian Grumbkow(ギター)

 
2nd以降は男性ボーカルによるシンフォニック・ロック・バンドになってしまいますが、唯一本作ではオランダ出身の女性ボーカリスト、ナニーの素朴な歌による神秘的、呪術的なフォーク・ロック・サウンドを聴くことが出来ます。またドイツ語で歌われていたのもナニーのボーカルによるこの1stだけです。

この映像でも緊張気味な表情のナニーと、生真面目そうなメンバーの表情が印象的です。映像は前半が屋内、後半が野外ステージと変化しますが、それに伴いドラムスがパワフルに叩き始め、一気にロック色が強まりますね。それでも独特の悲哀に満ちたロマンティシズムは変わりません。

演奏もしっかりしていて、アコースティック楽器のアンサンブルも美しく、そこにベースのペーター・カッシムがロック的な力強さを与えている点が特徴的ですね。でももともと6分を越えるこの曲の繊細なインスト部分が切れてしまっているのが、とても残念でもあります。

2013年7月10日水曜日

「Live in Tokyo 1996」ナイアシン



ファンク・フュージョン/テクニカル・ジャズ・ロックバンドNiacinが、 1996年10月に「ブルーノート東京」にて行なったライヴのコンサート映像。1996年に結成され1stアルバム「Niacin」(1996)を発表、それに合わせて初来日した際の模様です。

[members]
Billy Sheehan(ベース)
John Novello(キーボード)
Dennis Chambers(ドラムス)

[set list]
1. No Man's Land
2. Do A Little Dirty Work
3. I Miss You (Like I Miss The Sun)
4. One Less Worry
5. Pay Dirt
6. Klaghorn
7. Birdland
8. Niacin
9. You Keep Me Hangin' On

初期のこの頃はファンク色が強く、ビリー・シーン曰く「ファンキーなEL&P」という感じでしたが、近年はジョン・ノヴェロが以前よりも弾きまくるようになり、テクニカル・プログレ色が増してきたようです。

ジョン・ノヴェロは担当が「キーボード」となっていますが、実際はピアノとハモンド・オルガンのみ。と言うかほぼハモンド・オルガンB3。

1stアルバムのジャケット写真もハモンドB3の大写しでしたし、何よりバンド名が、ハモンドB3を“B3”からの連想でビタミンB3(=ナイアシン)に掛けたシャレだということからも、オルガンサウンドへのこだわりが感じられます。

そもそも"Billy Sheehan Project"として始まったこのバンドですから、ビリー・シーンが思いっきりベースを弾きまくっているのは当然と言えば当然。もともとMr.Bigでもそのテクニカルな早弾きプレイが注目されていましたが、インストバンドであるこのNiacinでは、水を得た魚のように技巧の限りを尽くしていると言って良いでしょう。それもとても嬉しそうに。

デニス・チェンバースの安定感抜群でパワフルなドラムスは、うねりまくるビリーのベースととても相性が良く、二人のグルーヴィーでヘヴィーなリズムは最高。そこに時に攻撃的に時に哀愁たっぷりにメロディーを乗せていくジョン・ノヴェロのハモンドB3の音がまた良いですね。

プログレ的にはまだジョン・ノヴェロがハジけていない感じもありますが、そういう拘りを捨てて極上の音楽として楽しみたい充実のライヴです。

2013年7月9日火曜日

「Deutschrock Nacht 1977」エロイ


ドイツ(当時は西ドイツ)のハード/シンフォニック・ロックバンドEloyが、1977年にイベント「Deutschrock Nacht」に出演した様子を記録したものと思われる映像。

曲は5th「Dawn」(1976)収録の「The Sun Song」。

[members]
Frank Bornemann(リード・ボーカル、ギター)
Klaus-Peter Matziol(ベース、ボーカル)
Detlev Schmidtchen (キーボード、ボーカル)
Jurgen Rosenthal(ドラムス)

フランク・ボルネマンを中心に1969年に結成されたEloyは、当初はハードロック色が濃かったようですが、この「Dawn」でフランク意外のメンバーを一新、ハードロックなワイルド感を残しながら、シンフォニックでドラマチックなサウンドに変化しました。

クラウス - ペーター・ マツィオルのベースとユルゲン・ローゼンタールのリズム・セクションは、それまでのサウンドを継承してドライヴの効いたハードロック調。

デトレフ・シュミッツェンは前任者と異なり、オルガンではなくムーグシンセサイザーやストリングスアンサンブル中心にプレイするため、一気にプログレ度が上がります。特にこの曲はスローバラードなのでシンフォニックなキーボードが大活躍です。

フランクの歌は安定感があるのですが、ちょっと英語の発音がぎこちない?でもそのユルさもまた魅力でしょう。GibsonのフライングVがサイケ/ハードロックという出自を感じさせてくれますね。
 

2013年7月8日月曜日

「Rockenstock 1972」マッチング・モール



イギリスのジャズ・ロック・バンドMatching Moleが、1972年にフランスのTV番組「Rockenstock」に出演した際のスタジオライヴ映像。

2nd「Matching Mole's little red record」(1972)の「Gloria Gloom」、1st「Matching Mole」(1972)の「Part of the Dance」を、メドレーで演奏しています。

[members]
Robert Wyatt(ドラムス、ボーカル)
Phil Miller(ギター)
Bill MacCormick(ベース)
Dave MacRae(キーボード)

編成はデイヴ・インクレア(Dave Sinclair)が抜け、1stでゲスト参加していたデイヴ・マックレイが参加した2nd制作メンバーです。

ロバート・ワイアットが覆面(スキー帽)姿で登場(最後まで外さず)というのが印象的。実験的な「Gloria Gloom」で、さらに覆面の男がボイスパフォーマンスをするという図はなかなか怪しいですが、意外とぐちゃぐちゃにならず、演奏もボイスも計算されているところが彼ららしいところでしょうか。

「Part of the Dance」は一転してハードなジャズロック。ロバートとビル・マコーミックのワイルドで奔放なリズム・セクションが良いですね。どちらもしっかり自己主張している感じです。

そして後にHatfiled and the NorthやNational Healthで活躍するフィル・ミラーの、朴訥で粘りのあるギターを弾く姿を見ることができて感激。元々ジャズ出身のデイヴの小気味良いオルガンも、ここではカンタベリー・サウンドを強く感じさせてくれますね。

2013年7月7日日曜日

「The Rhythms of the Caucasus」リシャド・シャフィ&グネッシュ



超絶ドラマーRishad Shafi率いるトルクメニスタン(Trukmenistan)のバンドGunesh(Gunesh Ensemble: УНЕШ)による1984年のTV映像。ちなみに当時は旧ソ連。

曲は2nd「Looking at the Earth」(1984)から「The Pain of Loss」前半部〜「The Rhythms of the Caucasas」後半部と続くメドレー。

Rishad以外のメンバーは不明ですが、同年に発表された2nd「Looking at the Earth」における、管楽器を除いたメンバーは以下の通りです。

[members] 
Rishad Shafiev(ドラムス、パーカッション)
Vladimir Belousov(ベース)
Mikhail Loguntsov(ギター)
Hassan Mamedov(バイオリン)
Oleg Korolev (キーボード)
Stepan Stepanyants (キーボード)
   
※映像ではキーボードは一人なのですが、どちらかは(あるいは全くの別人かは)不明

強烈なエスニック・ジャズ・ロック。演奏は恐らくアルバム音源を使った当てぶりだと思われますが、とにかく髭のリシャドの存在感が凄いですね。“怒濤”とか“突進”とかいった言葉が浮かぶ強烈なドラミングです。

テクニック的にはそれほど難しいことをやっているわけではないと思われますが、クラシックやジャズの影響を感じさせない、その取り憑かれたようにひたすら叩きまくり隙間を埋め尽くさんとするプレイは、濃い風貌と相まってまさに圧倒的です。

高速フレーズをユニゾンで決めまくるギターとバイオリンなど、他のメンバーのテクニックも凄まじく、イタリアのAREAやイギリスのBrand Xを思い出すほど。そこに加わるエスニックな風味も大きな魅力となっています。
 
バルカン音楽などもそうですが、クラシック、ジャズ、そしてポップスフィールドとは別の民族音楽という世界には、テクニック的にもメロディーやアンサンブル的にも、非常に豊穣な世界が広がっていることを感じさせてくれる音でもあります。

現在1st「Gunesh」も2nd「Looking at the Earth」も手に入りづらい状況ですが、2 in 1として「Rishad Shafi Presents Gunesh」というタイトルでCD化されたものが入手可能です。ちなみにこのCDでは2nd、1stの順で曲が並んでいます。

さらに続編として1984年〜1990年の作品集「45° in a Shadow」も出ています。
 

2013年7月6日土曜日

「Rockpalast 1978」ピーター・ゲイブリエル



Genesisを1975年に脱退し1977年にソロ・アーティストとして活動を再開したPeter Gabrielが、2nd「Peter Gabriel II」(1978)ツアーにおけるドイツのEssenでのライヴをドイツのTV番組「Rockpalast」が放送したフルコンサート映像。 

選曲は1st ソロアルバム「Peter Gabriel」(1977)と2nd「Peter Gabriel II」から。そしてラスト曲はもちろんGenesis時代の最後のアルバム「The Lamb Lies Down on Broadway(幻惑のブロードウェイ)」のタイトル曲です。

[members]
Peter Gabriel(ボーカル、キーボード、ドラムス)
Tony Levin(ベース、スティック、ボーカル、ピアノ)
Jerry Marotta(ドラムス、ボーカル、ベース)
Larry Fast(シンセサイザー)
Timmy Capello(ピアノ、サックス)
Sid McGinnis(ギター、ボーカル)

[set list]
1. On The Air
2. Moribund The Burgermeister
3. Perspective
4. Here Comes The Flood
5. White Shadow
6. Waiting For The Big One
7. Humdrum
8. I Don't Remember
9. Solsbury Hill
10. Modern Love
11. The Lamb Lies Down On Broadway

シド・マギニスはパンキッシュな風貌 に似合わず、スライド・ギターを含めた様々なギターを使い分け、職人的な上手さを見せてくれます。「Modern Love」ではギターのシールドが抜けてしまうというアクシデントも。ティミー・カペロは筋肉質の身体でパワフルなサックスとパワフルなピアノを披露。

そしてロバート・フリップ関連でも活躍するトニー・レヴィン、ジェリー・マロッタの抜群のリズム・セクションに加え、キーボードにはシンセサイザーの第一人者でシナジー(Synergy)名義でソロ・アルバムもヒットさせ、Nektarの「Recyced」(1975)を傑作に仕立て上げた影の立役者(だと私は信じている)ラリー・ファーストを擁したバンドは、バックバンドというよりは“ピーター・ゲイブリエル・バンド”として、皆存在感を発揮していますね。途中楽器の持ち替えもあって、ショーとしても楽しませてくれます。

ピーターはGenesis時代の派手で多彩なメイクのイメージを払拭するかのように髪の毛を短くカットし、まさにボーカリストとして勝負している感じ。プログレ風味を残しつつポップさとドラマチックさを兼ね備えた独自の世界を披露しています。

ラストのアンコール曲「The Lamb Lies Down on Broadway」も、Genesis時代の幻想性を取り払ったような力強い歌と演奏が聴けます。



「Live in Paris 1970」ソフト・マシーン



イギリスのジャズロック・バンドSoft Machineが、1970年3月にパリで行なったコンサートの模様を収録したフランスのTV番組「POP2」の完全版。当時TVでは2回に分けて放送されたとのことで、前半が1〜3、後半が4〜5となっています。
 
[members]
Mike Ratledge(オルガン、ピアノ、エレクトリック・ピアノ)
Hugh Hopper (ベース)
Robert Wyatt(ドラムス、ボーカル)
Elton Dean(アルト・サックス、サクセロ)
Lyn Dobson(ソプラノ・サックス、フルート、ハーモニカ、ボイス)

[set list]
1. Facelift
2. Robert Wyatt Vocal Improvisation
3. Esther's Nose Job
4. Eamonn Andrews / Backwards
5. Out-Bloody-Rageous

傑作「Third」の発表が1970年6月で、ちょうどこのコンサート前後の時期にアルバム制作をしていたことになります。「Facelift」など「Third」に収録される曲も演奏されていますね。 短期間だけメンバーだったリン・ドブソンがフロントに立つ二管編成という点でも貴重な映像です。

ロバート・ワイアットの繊細かつ躍動感あふれるドラミング、ヒュー・ホッパーの安定感と重量感のあるベース、ラトリッジのテクニカルなファズ・オルガン(この音が良い!)とエルトン・ディーン、リン・ドブソンの管楽器の緻密に構成されたアンサンブル。それらが一体となって流れるように進んでいく、まさにジャズともロックとも言える彼らならではの楽曲。素晴らしいの一言です。

美しい映像なのにカメラワークが良くなく、各プレーヤーのソロパートなどが無視されていたりするのが残念ですが、それでも見応え/聴き応えのある映像と言えるでしょう。

2013年7月1日月曜日

「Live in Tokyo 1984」アラン・ホールズワース



Allan Holdsworthが自身のバンドを率いて、1984年5月に東京の郵便貯金ホールで行なったライヴのフルコンサート映像に、単独インタビュー映像(日本語字幕付き)を加えたもの。当時VHS、VHD、LDで発売されましたが、その後未だにDVD化されていないという貴重映像です。

[members]
Allan Holdsworth: Guitar
Jimmy Johnson: Bass
Chad Wackerman: Drums
Paul Williams: Vocals

[set list]
1. Tokyo Dream
2. Road Games
3. White Line
4. Panic Station
 〜 Band Introduction
 〜 Interview 1
5. Letters of Marque
6. Home
 〜 Interview 2
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まずライヴ前にギターの弦交換をしているところから始まるという、ちょっとマニアックな構成に引込まれますね。

Bruford脱退後1982年に「i.o.u」を自主制作で発表しますが、レコード会社と契約できず持っていたギターも全て手放すほどの不遇な時期が続いていたアラン。しかしエディ・ヴァン・ヘイレン(Edward Van Halen)の助力を得てミニアルバム「Road Games」(1983)をメジャー・レーベルから発表。この来日があった1984年はその翌年で、ようやく少しずつ陽の目を浴びて来た時期と言えるでしょう。

アランの演奏はもちろん素晴らしいもの。ギター・シンセサイザー(ギター型MIDIコントローラー)シンタックス(SynthAxe)を使い始める前の時期で、エレキギターを弾きまくっています。タッピングなどの奏法も絡めながら、アラン独特の、ピッキング音がほとんどしない流れるようなレガート奏法が存分に味わえるのが嬉しいですね。声援の凄さから観客の興奮も伝わってきます。

チャド・ワッカーマンとジミー・ジョンソンのリズム・セクションも鉄壁。ジャズ/フュージョンというより、すでにテクニカル・ロックという感じの熱いプレイで、流麗でクールなアランのギターを支えます。ポール・ウィリアムスのボーカルの存在もロック色を高めていると言えるでしょう。

インタビュー部分も興味深く、「どんな音楽を演っているかを説明するのは難しいな。ジャズから見るとロック過ぎて、ロックから見るとジャズ過ぎると言われる。この手の音楽を演るのはとても大変なんだ…」「ステージに出る前は震えてるよ、とてもアガルんだ。時々ミュージシャンになんてならなきゃ良かったって思うくらいさ。観客がいない方がもっと上手く演奏できるんじゃないかな。」などと緊張気味に受け答えしている姿が印象的です。