2023年9月12日火曜日

「Live At THE OLD GREY WHISTLE TEST (1979)」U.K.(ユー・ケー)



イギリスのバンドU.K.が、イギリスBBCの音楽番組「Old Gray Whistle Test」に出演した1979年のライブ映像。曲はライブアルバム『ナイト・アフター・ナイト』(1979)にのみ収録されている「ナイト・アフター・ナイト」、そして「デンジャー・マネー」(1979)収録の「シーザーズ・パレス・ブルース」です。


[members]
John Wetton(ベース、ボーカル)
Eddie Jobson(キーボード、エレクトリック・バイオリン)
Terry Bozzio(ドラムス)

[setlist]
1. Night After Night
2. Caesar's Palace Blues


1978年に突如スーパーバンドとしてデビューしたU.K.でしたが、1stアルバム『U.K. (憂国の四士)』(1978)発表後、Allan Holdsworth(ギター)、Bill Bruford(ドラムス、パーカッション)の二人が脱退し、新たにBrufordを結成します。

残されたジョン・ウェットンとエディ・ジョブソンは、フランク・ザッパ率いるザ・マザーズ・オブ・インヴェンションのドラマーだったテリー・ボジオとともに、トリオ編成として再出発し、2ndアルバム「デンジャ・ーマネー」を発表します。

当時は、ツワモノだらけのオリジナル・ラインアップにも驚愕しましたが、再編の結果、EL&Pと張り合えそうなキーボード・トリオ(+バイオリン!)が登場したことにも、大いに胸踊らせたものでした。

そして同年5月に初来日し、そのライブ・ステージを記録した『ナイト・アフター・ナイト (ライヴ・イン・ジャパン)』(1979)をリリースします。本映像は、このライブアルバム発表後に収録されたものと思われます。

大きな期待にも関わらず、U.K.はメンバー間の方向性の違いから翌年解散してしまいます。わずか3年足らずの活動となりましたが、そのインパクトは大きく、相当テクニカルなアンサンブルなのに、今のプログメタルの弾き倒しとは違う、メロディアスでドラマチックな曲は、今聞いても非常に格好良く魅力的です。

口パクではなくライブ演奏だと思われ、前者ではテリー・ボジオが、後者ではエディ・ジョブソンがハモリを入れていたり、「シーザーズ・パレス・ブルース」の冒頭部分で、エディ・ジョブソンがエレクトリック・バイオリンをギターのように指で弾く場面など、いろいろと見どころの多い映像です。





2023年6月3日土曜日

「Supertramp Live on Young Music Show 1976」スーパートランプ



イギリスのバンドスーパートランプ(Supertramp)が、NHKのヤング・ミュージック・ショーに出演したライブ映像。1976年5月に東京・渋谷のNHK101スタジオで収録されたもの。

members
Rick Davies(リード・ボーカル、キーボード、ハーモニカ)
Roger Hodgson(リード・ボーカル、ギター、キーボード、マリンバ)
John Anthony Helliwell(サックス、クラリネット)
Dougie Thomson (ベース)
Bob Siebenberg(ドラムス、パーカッション)

[setlist]
1 School
2 Bloody Well Right
3 Hide in your Shell
4 Poor Boy
5 Dreamer
6 Rudy
7 Lady
8 Crime of the Century


1979年発表のアルバム『Breakfast in America』で全米ビルボード・チャート第1位を獲得し、日本での人気も爆発する前の1976年に来日した時のステージです。NHKには先見の明があったのです。

3rdアルバム『Crime of the Century』(1974)
で、広範な音楽性、プログレ的展開、緻密なアレンジ、見事な演奏、ポップなメロディーを高度に融合させていたスーパートランプ。すでに4枚目Crisis? What Crisis?(危機への招待)』(1975)が出ていたにも関わらず、そこからは「Lady」一曲のみで、残りの「School」、「Bloddy Well Right」、「Hide in your Shell」、「Dreamer」、「Ludy」はすべて「Crime of the Century」からをいう、最新作を差し置いた(!?)選曲です。『Crime of the Century』好きとしては最高の流れ!

やはりリック・デイヴィスとロジャー・ホジソンの二人のリードボーカルが大きな魅力で、二人が交互にボーカルを取る構成になっています。加えてエレピやブラス楽器の効果的な使い方など、アンサンブルや曲構成の素晴らしさも光ります。音楽性の幅広さ、奥深さを実感。

また、
ジャズやブルースの影響を受けたノリの良い曲は、その魅力がライブでは一層引き立ちますね。

そしてアルバム
『Crime of the Century』で特に顕著だった、ポップさの奥に垣間見える叙情性と幻想性が、ここでも見事に再現されています。

音質・画質とも残念なものですが、上り調子のバンドの勢いが感じられる、基調で素晴らしいライブ記録と言えるでしょう。



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2022年11月12日土曜日

「L'anno,il posto,l'ora e Parsifal Live 1972」イ・プー(I Pooh)


イタリアのバンド、イ・プーの第6作目にして、もっともシンフォニックな傑作となった「Parsifal(パルシファル)」(1973)の、1972年のライブ映像。詳しい情報がないのが残念です。

[members]
Roby Facchinetti(ボーカル、キーボード)
Dodi Battaglia(ボーカル、ギター)
Red Canzian(ボーカル、ベース)
Stefano D'Orazio(ボーカル、ドラムス)

アルバム「Parsifal」から、冒頭曲「L’Anno, Il Postso, L’Ora(年、場所、時間)」とラストの大曲「Parsifal」をメドレーで演奏したもの。画質・音質は決して良いとは言えませんが、ライブ・バンドとしても定評のあるイ・プーの、パワフルで荒々しい演奏が楽しめます。

前半で見せる安定感のあるバンド演奏、絶妙なボーカルハーモニーも素晴らしいものがありますが、後半でストリングスを加えた「Parsifal」の、何と感動的なことか。

ちなみに「パルシファル」はアーサー王の聖杯伝説に出てくる騎士の名前。リヒャルト・ワーグナーが1882年に完成させた楽劇では「パルジファル」となっています。