2016年12月10日土曜日

「Canada Jam 1978」カンサス(Kansas)

  
アメリカのバンドKansasが、1978年8月にカナダのオンタリオ州で行われた音楽フェスティバルCanada Jamに出演した際のライヴ映像。曲は1976年発表の4thアルバム「Leftoverture」から、彼らの代表曲の一つ「Carry On My Wayward Son」。

[members]
Phil Ehart(ドラムス、パーカッション)
Dave Hope(ベース、ボーカル)
Kerry Livgren(ギター、キーボード、ボーカル)
Robby Steinhardt(バイオリン、ビオラ、ボーカル)
Steve Walsh(キーボード、パーカッション、ボーカル)
Rich Williams(ギター)

1977年に5thアルバムの「Point on Know Return」を発表し、翌1978年にライヴ・アルバム「Two For the Show」を発表。そのマテリアルが1977年から1978年にかけてのステージの模様を元にしているので、まさに絶頂期の映像と言って良いでしょう。

見どころは何と言ってもスティーヴ・ウォルシュ。格好はまるでプロレスラー、アクションも派手で、ちょっと下品なくらいにワイルド。とにかく内から溢れ出るエネルギーをぶつけている感じです。

もちろん演奏は完璧。一糸乱れぬアンサンブル。ツインギター体制でベースと一丸となって奏でるメイン・リフは、実にカッコ良いですね。

残念な点があるとすれば、この曲に関してはベースのデイヴ・ポープがほぼ映っていないところでしょうか。


2016年11月6日日曜日

「Rainbow Theatre Live 1975」ハットフィールド&ザ・ノース(Hatfield and the North)



いわゆるカンタベリー派を代表するバンドHatfield and the Northによる、1975年のRainbow Theatreでの超お宝ライヴ映像。

[members]
Phil Miller(ギター)
Richard Sinclair(ベース、ボーカル)
Pip Pyle(ドラムス)
Dave Stewart(キーボード)
   
[setlist]
1. The Yes No Interlude
2. Fitter Stroke Has a Bath
3. Didn't Matter Anyway
   
曲は名作「The Rotters' Club」(1975) からの2曲で、アルバム通りにメドレーで演奏されます。
   
冒頭から安定感があり小気味良いリズムに乗ってデイヴ・スチュアートのファズ・オルガンが鳴り響き、一気にカンタベリーな雰囲気に包まれます。しかし、この淀みなく流れていく演奏の何と素晴らしいことでしょう。故ピップ・パイルのドラミングが切れ味最高です。

中盤から入るリチャード・シンクレアのソフトなボーカルにウットリ。でもさりげなく7拍子。そして美しいスキャットと共に再び演奏が走り出す。
   
フィル・ミラーのうねるギターが7拍子で弾きまくっても、アンサンブルは美しくリズムは軽快。でもジャズにもフュージョンにもならないというのが独特のバランス感覚のなせるワザなのでしょう。


2016年11月1日火曜日

「Live 8 2005」ピンク・フロイド(Pink Floyd)



Live 8(アフリカ貧困撲滅チャリティーコンサート)に賛同し、24年ぶりにリユニオンした際の貴重な映像。2005年7月2日、ロンドンのハイドパークでのステージ。


[members]

David Gilmour(ギター、ボーカル)
Nick Mason(ドラムス)
Roger Waters(ベース、ボーカル)
Richard Wright(キーボード、ボーカル)
  
[setlist]
1. Breathe
2. Money
3. Wish You Were Here
4. Comfortably Numb

直後にイギリスのDaily Mirror紙が行ったLive 8でのベスト・パフォーマンスで一位を獲得した彼らですが、別に他のミュージシャンと比較する必要はないでしょう。何より嬉しいのはPink FloydがちゃんとPink Floydとして堂々たるステージを行っていることです。

   
ここには、企画先行で形だけ再編されたようないい加減さや緩さは微塵もありません。素晴らしいギターソロを連発するギルモア、ちょっとヨレ気味だけれどあの独特な鼻にかかった声で精一杯歌うウォーターズ。そしてあらためて感じる、リック・ライトとニック・メイスンの、〝弾きすぎない〟巧みさ。
    
リック・ライトの映像が少ないのが残念ですが、モニター用のヘッドフォンを脱ぎ捨てるニック・メイスンがカッコイイ!

そのステージに向けたリハーサル映像がこちら。





2016年1月11日月曜日

「Live in Tokyo 1972」エマーソン、レイク&パーマー(EL&P)




イギリスが誇る唯一無二のキーボード・トリオ、Emerson, Lake & Palmerの1972年初来日公演の記録。場所は後楽園球場。テレビ放送用の超貴重なフルステージ映像です。
  
  
[members]
Keith Emerson(ハモンドC3、ピアノ、シンセサイザー)
Greg Lake (ボーカル、ベース、ギター)
Carl Palmer(ドラムス、パーカッション)

[setlist]
1. Hoedown
2. Tarkus
3. Take a Pebble Pt 1
4. Lucky man
5. Take a Pebble Pt 2
6. Rondo
7. Pictures at an Exhibition
  
  
冒頭の「Hoedown」は当時はまだ国内未発売の最新アルバム「Trilogy」(1972)から。「Tarkus」は「Tarkus」(1971)、「Take a Pebble」と「Lucky man」は1st「Emerson Lake & Palmer」(1970)から。そして「Rondo」はNice時代の曲。さらに1971年にライヴアルバムとして出ている「Pictures at an Exhibition」では、グレッグ・レイクがKing Crimsonの「Epitaph」を歌ってくれます。
  
演奏は全力投球の素晴らしいもの。カール・パーマーの気合の入りっぷりが凄いです。特にキース・エマーソンのハモンドがぐんぐん飛ばしていく「Tarkus」は名演。バンドの勢いを感じさせてくれますね。
  
サポートなしの3人だけのステージなのに、音に説得力があるから、物足りなさや音の薄さは微塵も感じられません。もの凄いテンションの高さに終始圧倒されます。厚みのあるハモンド、別世界に切り込むムーグ、突進し続けるドラムス、安定したベース、美しいボーカル!
  
ちなみにこの時のステージは「ROCK EXPLOSION '72 #7--SUPER SUMMER 0722」というイベントのもので、メインアクトはもちろんEL&P、前座が再結成Freeでした。TV放送は当時の「東京12チャンネル」(現在の「テレビ東京」)で、夜8時からの生放送。さらに当日深夜にも再放送されたようです(当時は家庭用ビデオなどありませんので、コンサートを見に行った人たちは生放送を見られなかったですし)。
  
前半部分の映像が終始しゃをかけたようになっていますが、当時は台風が近づいており、小雨が降り時折カミナリが鳴るような天候だったため、雨に濡れないようにカメラなどの機­材にビニールが被せられていたためのようです。

ステージが素晴らしいため残念と言えば残念ですが、むしろそういう厳しい状況で頑張ったテレビ局の撮影&放送スタッフを讃えたいですね。