2013年1月31日木曜日

「De Future Live in Paris 2005 」マグマ



フランスが誇る脅威の音楽集団Magma。2005年5月に35周年を記念してパリのLe Tritonクラブで行なった公演から、1976年のアルバム「Üdü Wüdü 」収録の大作「De Future」後半部。

御大クリスチャン・バンデ率いる2005年当時のMagmaのメンバーに加え、「Üdü Wüdü」制作時の盟友ヤニッック・トップとクラウス・ブラスキスを迎えて、17分という時間を感じさせない暗黒オペラティック・ジャズ・ロックを展開します。その集中力たるや鬼気迫る凄まじいもの。


[members

Christian Vander(ドラムス)
Stella Vander(ボーカル、コーラス)

Himiko Paganotti(ボーカル、コーラス)
Antoine Paganotti(ボーカル、コーラス)
Isabelle Feuillebois(ボーカル、コーラス)
James MacGaw(ギター)
Emmanuel Borghi(キーボード)

Philippe Bussonnet(ベース)

guest

Klaus Blasquiz(ボーカル)
Jannick Top(ベース) 

その高度なテクニックとリズム感、そして全員が譜面も見ずに40分を越える曲を怒濤のごとく演奏していく、一体感が尋常でないバンドです。中でもこの映像からもわかるように、テクニックがあるのは当たり前、その上で衝動をどう音にしていくかをカラダ全体で表現しているクリスチャン・バンダーの鬼神ぶりが凄いです。


高速フレーズをやすやすとこなし、恍惚としながらバンダーに微笑みかけるヤニック・トップ。行進するようにリズムを取りつつ、声の衰えなど微塵も感じさせない朗々たる声のクラウス・ブラスキ。オントワーヌ、ヒミコ、イザベル、そしてバンダーの元奥方であるステラの4人が織り成す一糸乱れぬコーラス・ワーク。暗黒宗教の集会に紛れ込んでしまったような、何か見てはいけない恐ろしくも魅惑的な世界を覗いてしまったような、そんな衝撃を受けてしまう音楽体験です。 


1975年のライヴアルバム「LIVE」では、ヤニック・トップと双璧をなすベース・プレーヤー、ベルナルド・パガノッティ(Bernard Paganotti)の轟音ベースと、終始ハイテンションで弾きまくるディディエ・ロックウッド(Didier Lockwood) が入り、King Crimsonの「突破口(Fracture)」に匹敵する、壮絶アンサンブルを聴かせてくれます。


2013年1月30日水曜日

「At the Rainbow 1973」フォーカス



オランダが誇る最強のプログレッシヴ・ロックバンドFocusによるロンドン・レインボー・シアターでのライヴ映像。曲はアルバム「Moving Waves」(1971)、「Focus 3」(1972)からの曲で構成され、まさに絶頂期のFocusが味わえる1973年のパフォーマンスです。

ライヴアルバム「At the Rainbow」(1973)と同内容のパフォーマンスですので、このライヴ・アルバムを聴いてきた人には、「あのライヴが絵がついた状態で見られるんだ…」という感慨もひとしおでしょう。
  
とにかくクラシック&ジャズの素養のあるヤン・アッカーマンとクラシックの教育を受けてきたタイス・ヴァン・レア(テイス・ヴァン・レール)の音楽性が素晴らしいです。ほぼ全てがインストゥルメンタル・ナンバーですが、2人の楽器が本当に良く歌います。

ヤン・アッカーマンのギターはハード・ロックテイスト溢れる荒く硬い音。その音で迫力あるリフや美しいメロディー、そしてテクニカルなソロをくり出します。一方のタイスはさらに個性的。オルガンサウンド一つとっても、非常に表情豊かに音色やビブラートをコントロールしている上に、フルート、口笛、スキャット、はてはヨーデルまで駆使し、一歩間違えば大道芸的にとっちらかってしまいそうな暴れぶりを、きちんとクラシカルな楽曲の中で活かしきっています。本家イギリスの一流バンドにもなかなか見られない高い音楽性を感じます。

[member]
Thijis Van Leer(キーボード、フルート、ボーカル)
Jan Akkerman(ギター
Bert Ruiter(ベース
Pierre Van Der Linden(ドラムス)

[set list]
1. Focus III
2. Answers? Questions! Questions? Answers!
3. Focus II
4. Eruption:
  a) Orfeus  b) Answer  c) Orfeus  d) Answer

  e) Pupilla   f) Tommy  g) Pupilla 
5. Hocus Pocus
6. Sylvia
7. Hocus Pocus (reprise)

Focusはタイスを中心に現在も精力的に活動しています。2012年には最新バルバム「X(テン)」を発表し、健在ぶりをアピールしています。
  

2013年1月29日火曜日

「Live in Midnight Special 1975」クラフトワーク



テクノ・ポップの先駆となるドイツのエレクトロニクス・バンドKraftwerkが、アメリカの「Midnight Special」で演奏した1975年の映像。曲は「Autobarn」ショートバージョン。
 
これは1974年に発売されたアルバム「Autobarn」のタイトル曲で、アルバムは全英4位、全米5位となる大ヒット、アメリカではシングルもチャート25位となりました。

芸術アカデミーでクラシック音楽の教育を受けていたラルフ・ヒュッターとフローリアン・シュナイダーが、デュッセルドルフ音楽院の即興音楽クラスで出会ったのがきっかけで音楽活動を開始。それぞれ医師の息子と建築家の息子という裕福な家庭に育ち、商業的成功などとは無関係にアヴァンギャルドでエクスペリメンタルな試みに没頭していたのだとか。

彼らがムーグ・シンセサイザーを手にし、新加入のウォルフガング・フリューアが自作の電子パーカッション(エレクトリック・ドラム)を持ち込むことで完成したのがこの「Autobahn」です。

Ralf Hütter(ヴォイス、シンセサイザー、キーボード)
Florian Schneider(ヴォイス、シンセサイザー、フルート)
Karl Bartos(電子ドラム)
Wolfgang Flür(電子ドラム)

無表情に楽器を操作するメンバーたち。でもアナログな楽器を演奏する姿には、後のショーアップされたステージとは違い初期の実験精神みたいなものが感じられますね。シンセ・リズムを手弾きしているのもとても新鮮です。ラフルとフローリアンがそれぞれMini MoogとARP Odysseyという別のシンセサイザーを操っているのも印象的です。

ちなみにアルバムジャケットはオリジナルが断然好きです。


「Live in Paris 1973」タンジェリン・ドリーム



ドイツ孤高のエレクトロニクス・バンドTangerine Dreamによる、1973年2月15日パリ公演の映像です。

Tangerine Dreamは現在でもエドガー・フローゼを中心に勢力的に活動していますが、この映像はまさにTangerine Dreamがプログレッシヴなエレクトロ・サウンドを追求し、最高のラインアップとも言える3人で傑作アルバムを作り出していた時期です。
 
Edgar Froese(VCS3シンセサイザー、オルガン、ギター)
Chris Franke(VCS3シンセサイザー、ムーグシンセサイザー)
Peter Baumann(VCS3シンセサイザーオルガン、エレクトリックピアノ、フルート)

1973年というとアルバム「Atem」を発表し、翌1974年の「Phaedra」で確立されるアナログ・シーケンサー・リズムを、試行錯誤しながら生み出そうとしている時期と言えるでしょうか。この“瞬間の音”にこだわっている3人の真剣な表情が、動きの少ない“絵”なのに独特な緊張感を生んでいますね。
 

2013年1月28日月曜日

「Live in State Theater in Falls Church 2002」ハッピー・ザ・マン



1977年にデビューしたアメリカのテクニカル・シンフォ・バンドHappy the Manのライヴで、復活後の2002年8月に行なわれたTheater in Falls Churchでのパフォーマンス。曲は傑作「Crafty Hands」(1978)から「Service with a Smile」。

Happy the Manは、Camelの「I Can See Your House From Here(リモート・ロマンス)」で華麗なキーボード・ワークを聴かせてくれたキット・ワトキンス(Kit Watkins)が在籍したことでも有名ですね。 超名曲「Ice」での名演が思い出されます。

バンドは1979年に解散した後、2000年にギターのスタンレイ・ウィテイカーとキーボードのフランク・ワイアットを中心に復活。その後2004年にドラムスが交替して復活作「The Muse Awakens」を発表。しかし再び活動停止状態となり、スタンレイ・ウィテイカーとフランク・ワイアットは現在新バンドOvlivion Sunとして活動しています。

2000年の復活時にキット・ワトキンスのキーボード・サウンドを継承したのが、Rainbow、Elton John Band、Bill Joel Bandなどで活躍していたデイヴ・ローゼンタールでした。このライヴ映像はその当時のものです。
 
Stanley Whitaker(ギター、ボーカル)
Frank Wyatt(キーボード、管楽器)
Rick Kennell(ベース)
David Rosenthal(キーボード)
Ron Riddle(ドラムス、パーカッション)

画質はあまり良くないのですが、とにかく登場の場面からゾクゾクするほどカッコイイ!2000年に復活してコンサートを行なってからほぼ2年ぶりのステージということもあるのでしょう、プレイできる事を皆心から喜んでいるのが伝わってきます。

そして始まるキラー・チューン「Servie with a Smile」。11/8(6/8+5/8)拍子というノリにくい変拍子にもかかわらず、じわじわと高まる興奮。キット・ワトソン譲りのキーボードのクリアーな音色と、全員が一丸となったテクニカルなアンサンブルが見事です。特にプログレ・バンドには珍しいケレン味たっぷりのデイヴ・ローゼンタールが良い!曲が終った瞬間のポーズにもシビレます。

カメラワークからもきちんとした映像記録だったことがうかがえますから、どこかに映像が残っているんじゃないかと思うのですが…。ぜひフル・コンサートを見てみたいですね。

「Living in the heart of the beast 1976」ヘンリー・カウ



イギリスのアヴァンギャルド・ロック・バンドHenry Cowによる1976年のライヴ。スイスのTV用パフォーマンスで、ロックのダイナミズムに現代音楽の実験性を加えた独自の世界を味わうことが出来ます。曲はアルバム「In Praise Of Learning」(1975)から「Living I The Heart Of The Beast」。

1970年代後半になるにつれ商業主義に侵されていく“ロック”に対し、本来のカウンター・カルチャー的独自性と反抗性を取り戻そうとする「RIO(Rock In Opposition:反体制ロック)」運動の祖でもあります。そしてメンバーだったクリス・カトラーが「Recommended Records」を立ち上げて、RIO運動に参加したバンドを支援したため、後に「レコメン系」と呼ばれるようになるアヴァンギャルド/チェンバー・ロックのジャンルを作ったバンドとも言えます。

ちなみに当時彼らが標的にしていた“商業主義”ロックとは、一般的に反体制の象徴みたいに言われていたパンク・ロックだったというのが面白いところ。

Henry Cowは1973年に「Legend」でデビュー、女性木管奏者リンゼイ・クーパーが加入して1974年に「Unrest」発表後、 Slapp Happyというバンドと1974年に共演作「Desperate Straights」を発表します。その後両バンドは合体。しかしアルバム「In Praise Of Learning」」完成後、女性ボーカル、ダグマー・クラウゼを残して元Slapp Happyのメンバーは脱退。そして1976年にライヴアルバム「Concerts」発表後、ベースのジョン・グリーヴズも脱退。このライヴはその時期のメンバーによるものです。

Tim Hodgkinson(キーボード、サックス)
Fred Frith(ギター、バイオリン)Georgina Born(ベース)
Chris Cutler(ドラムス)
Dagmar Krause(ボーカル)
Lindsay Cooper  (オーボエ、クラリネット、キーボード)

女性がメインボーカルのバンドだからと、最近多い美声の女性ボーカルをフロントに置いたシンフォ・バンドをイメージすると、見事に裏切られます。ダグマー・クラウゼは服装も地味でそっけなく、声も低音が中心で男性的。すでに佇まいがアンチ・コマーシャリズムです。

そしてレギュラー・グリップなのに踊るような大振りで叩くクリス・カトラーのドラミングが独特です。フレッド・フリスのギターはKing Crimsonのロバート・フリップ(Robert Fripp)に似て太く硬い音。この曲ではリンゼイ・クーパーが奥に引っ込んでいてほとんど映らないのが残念です。

どこかしら1970年前後のアングラ・バンド風な雰囲気があり、それこそアンチ商業主義を標榜した彼らの望むところであったのだろうと思います。それでも演奏にはルーズな部分はなく、むしろ木管楽器やバイオリンも加わって、全体的に現代音楽風な緊張感に満ちているのが魅力でしょう。


2013年1月26日土曜日

「Sight & Sound Live at BBC 1977」ルネッサンス



YARD BIRDSキース・レルフ(Keith Relf)とジム・マッカーティ(Jim McCarty)らによって結成されアルバム2枚を残し解散、その後アニー・ハズラムをボーカルに1971年に登場した新生Renaissanceの1977年ライヴ。BBCの番組「Sight & Sound」出演時のもので、「Novella」発表後のまさに充実期のパフォーマンスを1時間以上にわたって堪能できます。

クラシカルで優雅なジョン・タウトのピアノ、独特な響きを持つアニー・ハズラムの落ち着きと開放感のあるクラシカルなボーカル、そして2012年11月に亡き人となったマイケル・ダンフォードの繊細なアコースティック・ギターが作り出す、気品があり幻想的で、かつ親しみ易い彼らのサウンド。女性ボーカルをフロントに置くシンフォ・バンドは多いですが、この肌触りは唯一無二ですね。最近流行(?)のケルト風味がないのも、今聴くと大きな特徴に思えます。

[members]
Annie Haslam(リードボーカル、バッキングボーカル)
Michael Dunford(アコースティック・ギター、バッキングボーカル)
John Tout(キーボード、バッキングボーカル)
Jon Camp(ベース、バッキングボーカル)
Terence Sullivan(ドラムス、パーカッション、バッキングボーカル)

[set list]
1. Carpet Of The Sun
2. Mother Russia
3. Can You Hear Me
4. Ocean Gypsy
5. Running Hard

  - Band Introduction -
6. Touching Once
7. Prologue

アルバムでは生オーケストラと融合したようなサウンドが大きな魅力でしたが、オーケストラなしでも十分に魅力的であることを証明した素晴らしいライヴです。

Annieと共にフロントに立ってベースにハモりに活躍するジョン・キャンプが存在感あります。アコースティック楽器中心なのに意外とハードな広がりを感じられるのは彼のベースとテレンス・サリヴァンのドラムスのリズム・セクションが表情豊かに曲のボトムを支えているからでしょう。「Touching Once」のラストで見せる2人のアンサンブルが素晴らしい!

祈るように歌うアニー・ハズラムの佇まいが良いですね。大人の音楽、大人のバンドという感じがします。

2013年1月25日金曜日

「The Old Grey Whistle Test 1978 」ブルーフォード

 

1978年、後にWhitesnakeに加入するニール・マーレイをベースに迎えてのThe Old Grey Whistle スタジオライヴ。曲はビルのソロアルバム「Feels Good to Me」(1978)から「Feels Good To Me」とBack To The Beginning」の2曲です。

[memeberts] 
Bill Bruford(ドラムス)
Dave Steward(キーボード)
Allan Holdsworth(ギター)
Neil Murray(ベース)
Annette Peacock(ボーカル)

Brufordがバンドとしてのアルバム「One of a Kind」を発表するのは1979年。「Feels Good to Me」にもジェフ・バーリン(Jeff Berlin)がベースで参加していますが、この頃はまだバンドというよりBrufordのソロ・プロジェクトみたいな感じだったのかもしれません。そのためジェフ・バーリンの参加は絶対だったわけではなかったのでしょう。確かジェフ・バーリンは元々アメリカに住んでいたので、一緒にプレイするのは中々大変だったはず。

ニール・マーレイはNational Healthに在籍していた頃に当時参加していたビルと知り合い、ジェフ・バーリンの代打として「Feels Good to Me」のリハーサルに参加したことがあったとのこと。このBBCの番組出演時もJeff Berlinの代わりだったようですね。Gilgameshでもリハーサルしていたこともあるため、カンタベリー・ミュージシャンの一人と見られることもあるようです。

冒頭の紹介でも「Bill Bruford with his band」と呼ばれていますし、ちょっと照れくさそうにビルが一人ずつメンバー紹介していたりと、“バンドBruford前夜”みたいな時期の貴重な映像と言えるでしょう。

尚、ビデオには「Allan Holdsworth - Bill Bruford 1979」とタイトルがつけられ、「概要」では「Bill Bruford group performing at The Old Grey Whistle Test 1979 with Allan Holdsworth on guitar」と書かれていますが、Neil Murrayのバイオからは1978年が正しいようです。
  

2013年1月24日木曜日

「BBC Sight and Sound Concert 1977」キャメル


BBCの番組「Sight and Sound」で放送された、1977年9月のライヴ映像。

始めてのメンバーチェンジでダグ・ファーガソン(Doug Ferguson)が去り、Caravanのリチャード・シンクレア(Richard Sinclair)が加入。ベースだけでなくボーカルも充実、アンサンブル的には最高のメンバーになった「Rain Dances」(1977) 〜「Breathless」(1978) の時期です。 


[members]
Andrew Latimer(ギター、フルート、ボーカル)
Andy Ward(ドラムス、パーカッション)
Richard Sinclair(ベース、ボーカル)
Peter Bardens(キーボード)
Mell Colins(サックス、フルート、パーカッション)



[set list]
1. First Light
2. Metrognome
3. Unevensong
4. Rhayader
5. Rhayader Goes To Town
6. Skylines
7. Highways Of The Sun
8. Lunar Sea
9. Rain Dances
10. Never Let Go

11. One Of These Days I'll Get An Early Night

やっぱりリチャード・シンクレアは歌上手いですね〜、声も良いし。そしてリチャード・シンクレアとアンディ・ラティマーのハモりなんて嬉し過ぎます。アンディのダブルネックギター、ピーターのMC、アンディとメルのダブル・フルート、 そしてデニム短パンでタイトにドラムスを叩きまくるのアンディ・ウォード(良いドラミングだなぁ)…あぁ感激な映像の目白押し。

特にギターとキーボードの絡みにサックスが加わることでアンサンブルのバリエーションや音の厚みが増えているのが、このライヴの特徴。旧曲もアレンジが凝っていて“フュージョン版”的な新しい魅力が感じられます。

こうして見ると確かにピーター・バーデンスはソロを任された時にはテクニック的に苦しいかなぁという気がしないでもないですが、逆に彼がテクニカルな演奏に走らないからCamel独特のメロディアスでファンタジックな世界が広がる気がします。

2013年1月23日水曜日

「Live at Montreux Jazz Festival 1974」ソフト・マシーン



カンタベリー・ミュージックの祖にしてジャズ・ロック最重要バンドSoft Machineによる1974年7月Montreux Jazz Festivalにおけるライヴ・パフォーマンス。メンバーはバンド初のギタリスト、アラン・ホールズワースを含む翌1975年作「Bandles(収束)」時のものです。

曲はその「Bandles」から「Hazard Profile」、及び「Sixth」(1973)から「Riff II」で、それぞれ抜粋。

[members]
Allan Holdsworth - Guitar, voc
Karl Jenkins - Saxophones, keyboards
Mike Ratledge - Keyboards
John Marshall - Drums
Roy Babbington - Bass
 

アラン・ホールズワースはすでに切れ味最高ですが、さすがに全体のバランスに気を配った分をわきまえたようなプレイ。彼のボーカル(スキャット)も聴けます。カール・ジェンキンスのほとんど動きのないサックス・プレイが聴くものに集中力を促し、マイク・ラトリッジがくり出す軽やかで幻想的なファズ・オルガンが浮遊感を醸し出します。かと思えばエフェクターを切り換えながら多彩な音を使ったロイ・バビングトンのベースソロがあったり、終始正確無比な凄まじいドラミングで迫るJジョン・マーシャルは、怪しげなパーカッションソロも見せてくれます。

アラン・ホールズワースの加入もあって、初期の頃の管楽器を中心とした強烈なフリー・ジャズ感覚は薄れましたが、ダイナミックな曲と静謐な曲、そして奔放なソロ・インプロヴィゼーションと、多彩なプレイに酔いしれることのできる1時間です。

Soft Machineの映像にはオリジナル・メンバーのロバート・ワイアット(Robert Wyatt)がドラムを叩く「Live in Paris 1970」もありますが、ページへの埋め込み不可なため、こちらからご覧下さい。初期のSoft Machineのステージを1時間にわたって捉えた貴重な映像です。
 

「A Plague of Lighthouse Keepers - Live, Belgian TV, 1972」ヴァン・ダー・グラーフ・ジェネレーター



現在もトリオで精力的に活動しているVan der Graaf Generatorの1972年ベルギーTVのスタジオ・ライヴ。曲は1971年発表の傑作「Pawn Hearts」に収録された23分を越える大作メドレー「A Plague Of Lighthouse Keepers」です。

この「Pawn Hearts」は、完成後にバンドが一旦活動停止してしまうくらい全精力を注ぎ込んだ作品。ロバート・フリップ(Robert Fripp)もギターで少しだけ参加していますが、 それすら消し飛んでしまうくらいバンドのヒリヒリするような緊張感が全編を貫く凄まじい内容です。

なんと言ってもピーター・ハミルの情念を叩き付けるようなボーカルが強烈ですが、教会のオルガンを感じさせつつ今よりかなり実験的な音を出すヒュー・バントンも、タメのあるリズムで突進してくるガイ・エヴァンスも、もちろん唯一立って演奏しているサックス2本同時プレイが得意技のデイヴィッド・ジャクソンも、皆十分な存在感を発揮しています。

Peter Hammillのボーカルだけでなく、ギターもベースもいないという特異な編成でHugh Bantonがベースペダルで低音を支えているというのも、バンドの音に通常のバンドにはない緊張感を与えているように思います。 

序盤に映し出されるキャンドル以外は実に素っ気ないスタジオで、バンドの使用楽器もシンプルそのものですが、とにかく混沌としたパワーに圧倒される演奏です。

2013年1月22日火曜日

「In Concert 1975」リック・ウェイクマン



5歳からピアノを習いはじめたリック・ウェイクマンは、高校卒業後は王立音楽アカデミーに通う(中退)かたわら、セッション・ミュージシャンとして活動を開始します。数々のセッションをこなし1970年代にはStrawbsに加入、その後1971年にトニー・ケイ(Tony Kaye)に替わってYesのキーボード奏者となります。

Yes加入後は、ピアノやオルガンに於ける華やかな鍵盤さばきと、ソロ楽器としての魅力を引き出したシンセサイザーのプレイ、そしてクラシックの素養を活かした深みのあるメロトロンの使用などにより、Yesサウンドの完成とバンドとしての大躍進に大きく貢献することとなります。もちろん金色の長髪にケープという魔術師と見まごうような風貌でキーボードを自由に操っている姿も、強烈な存在感がありました。

この映像は、Yesでの活躍後に一旦脱退してソロ活動に専念していた1975年2月のオーストラリア公演の映像です。共演はThe Melbourne Philharmonic OrchestraとThe Melbourne Chamber Choir。

曲はセカンド・ソロ・アルバム「地底探検」(1974)から「The Battle」。


[Musicians]
Rick Wakeman(キーボード)
Ashley Holt(ボーカル)
Gary Pickford Hopkins(ボーカル)
Jeffrey Crampton(ギター)
Roger Newell(ベース)
Barney James(ドラムス)

John Hodgson(パーカッション)

Terry Taplin(ナレーション)

The Melbourne Philharmonic Orchestra.
The Melbourne Chamber Choir.

全体のセットリストは以下の通りです。


[Set List]
1. Catherine Parr.
2. Guinevere.
3. Journey to the Centre of the Earth:
(I) The Journey.
(II) The Recollection.
(III) The Battle.
(IV) The Forest.
4. Catherine Howard.
5. Merlin.
6. Anne Boleyn.
7. Reprise from the Forest.


直前の日本公演に触れて「日本の合唱団の英語の発音が酷かったから、英語を話す国に戻ってこれて嬉しいよ。」などというリップサービスも、まぁ今となってはご愛嬌。 オーケストラや合唱団とのコンビネーションも良く、彼の存在感も抜群。ムーグの太い音一つでオーケストラサウンドをなぎ倒すような迫力と勢いが感じられます。

アシュレイ・ホルトとゲイリー・ピックフォード・ホプキンスという二人のボーカリストを擁するバンドも良いですね。2人の硬軟異なった声質が楽曲の物語性を高めつつ、オーケストラに対抗したロックのパワーとスリルを生み出しています。


この大仰さと強引さ、そしてミュージシャンのカリスマ的な佇まいは、やはり1970年代ならではだったと思いますし、それをきっちりと収めたこの映像作品は、歴史的傑作と言えるでしょう。

2013年1月21日月曜日

「Live in Concert Hammersmith Odeon 1976」キャメル



イギリスのファンタジック・ロックバンドCamelが、オリジナルメンバー4人でロンドンのハマースミス・オデオンで行なった1976年のコンサートのライヴ映像。曲は名作2nd「Mirage」(1974)収録の名作「Lady Fantasy」。

[members]
Andrew Latimer(ギター、ボーカル)
Peter Bardens(キーボード、ボーカル)
Doug Ferguson(ベース)
Andy Ward(ドラムス)

 この1976年には「Moonmadness」発表後にベースのDoug Fergusonが脱退しRichard Sinclairが加入(Doug Fergusonのアップがないのはそのあたりと関係している?)、さらにMel Collinsがゲストで参加するなどして、サウンドもテクニカルなインストとポップな歌ものへと変化します。それはそれで新たなCamelの魅力ではあるのですが、オリジナル・メンバーが作り出していたファンタジックなロックサウンドは薄れていきます。

そういう意味では最もCamelらしい音が聴ける時期の映像記録だと言えるでしょう。この暖かく神秘的な音は突出した技術は持たない4人だからこそ生み出せたもの。

メロディーや音色にこだわったピーター・バーデンスのキーボード、すでに叙情性で聴く人の耳を釘付けにするアンディ・ラティマーのギター、シンバルワークが繊細なアンディ・ワードのドラミング、出しゃばらず堅実なプレイに徹するダグ・ファーガソンのベース。そして時にユニゾンで、時にハモりながら絡み合うギターとキーボードのアンサンブルの面白さ。そこには4人の絶妙なバランスが感じられます。


後にGenesisと並んでCamelタイプの音と呼ばれる例は多いですが、実は単純なメロディアスなインストを越えたこうした面白さは、この初期のCamelならではだったと思います。

2013年1月20日日曜日

「Rock Goes to College 1979」ブルーフォード



UKがデビューアルバム後に分裂し、ビル・ブルーフォードとアラン・ホールズワースがデイヴ・スチュアートとジェフ・バーリンを迎えてバンドBrufordとして発表したのが「One of a Kind」(1979)。同年BBCのTV音楽番組「Rock Goes to College」用にOxford Polytechnicで収録されたのがこの映像作品です。

活動期間が短く、その間にもアラン・ホールズワースがジョン・クラーク(John Clerk)に交替していますから、このオリジナル・ベストメンバーで40分にもわたるライヴ映像が残っていること自体奇跡に思えてしまいます。
  
[members]
Bill Bruford(ドラムス、パーカッション)
Allan Holdsworth(ギター)
Dave Stewart(キーボード)
Jeff Berlin(ベース)

[guest]
 Annette Peacock(ボーカル)

[set list]
1) Sample And Hold
2) Beelzebub
3) The Sahara Of Snow (Part One & Two)
4) Forever Until Sunday
5) Back To The Beginning
6) Adios A La Pasada (Goodbye To The Past)
7) 5G
 
こうして実際の演奏を見てみると、キーボードのデイヴ・スチュアートがとにかく良く動いていますね。職人的なタイミングで複数のキーボードを操っています。そして変拍子をものともしない一糸乱れぬアンサンブル。心地良い緊張感。メンバー間のアイコンタクトを見ているだけでゾクゾクします。

曲はソロアルバムと「One of a Kind」のものを取り上げていて、後半にはソロに参加していたアネット・ピーコックも参加します。が…彼女の歌は正直いただけません…あがっていたのかピッチが安定しないのが残念です。
 

「Live in Mexico 2004」ソラリス



1983年に「Marsbeli Kronikak(火星年代記)」でデビューし、瞬く間に1980年代ハンガリーを代表するバンドとなったSolarisによる、2004年3月メキシコMonterreybenでの45分にわたるライヴ。

1999年発表の「Nostradamus : Book of Prophecies」ツアーのステージで、ボーカルに迎えられたKisszabó Gáborが朗々たるオペラチックな歌を披露、女性コーラスも恐らくビデオとシンクロさせるかたちで再現されています。アルバム・バージョンも荘厳でドラマチックですが、それに勝るとも劣らない完成度の高い貫禄のステージです。

もちろん各メンバーのテクニックも文句なし。中でもやはりKisszabó Gáborの圧倒的な声を中心に、力強く響き渡るメンバーの男性合唱が本作の大きな魅力と言えるでしょう。もちろんSolarisの特徴であるKollar Attilaのフルートも流麗なギターと張り合うくらいに曲を引っ張っていきます。東欧的な愚直さやプリミティブな要素なども大きな魅力です。
 

「Celebration - Live TV, 1974 」PFM



イタリアン・ロックの祖とも言える大物バンドPFM(Premiata Forneria Malconi)の1974年ライヴで名曲「Celebration」。 ベースがPatrick Djivasに替わっているので、マンティコア・デビュー後のラインアップ。1975年にボーカルにBernardo Lanzettiを迎え音楽性が変化する前の、一番勢いのある時期の演奏ですね。

PFM、あるいはP.F.M.という略称はPeter Shinfieldの発案で、母国イタリアではその後もフルネームで呼ばれていたということや、イタリア語ではなく英語で歌っていることなどから、イギリスのTV番組の映像ではないかと思われます。

「Celebration(お祝い)」のタイトル通りにこやかに、楽しげに、そして溌剌と演奏している姿を見ると、テクニカルな曲をゆったりとした詩情をたたえつつ演奏する彼らのオリジナリティーがより強く感じられます。Gentle Giant同様に、基本的な演奏技術は舌を巻くほど高いのに、それを前面に出ずに楽曲の魅力やメロディーの良さで勝負するところが本当に素晴らしいです。
 
余裕と愛嬌を感じさせるFlavio Premoliとか、今でも見られるFranco Mussidaの跳ねるような左足のステップとか、4人のハーモニーとか、短い映像ですが見どころ一杯です。

「Live in Shepperton Studio 1973」ジェネシス



1973年10月、イギリスのShepperton StudioにおけるGenesisのスタジオライヴ映像です。「Selling England by the Pound(月影の騎士)」(1973)発表後のステージで、全5曲1時間に渡ってPeter Gabriel在籍時の黄金期のメンバーによるライヴが堪能できます。

[members]
Peter Gabriel(リード・ボーカル、フルート、タンバリン)
Tony Banks(キーボード、12弦ギター)
Michael Rutherford(ベース、12弦ギター、バッキング・ボーカル)
Steve Hackett(エレクトリック・ギター、12弦ギター)
Phil Collins(ドラムス、パーカッション、バッキング・ボーカル)


[set list]
1) Watcher of the Skies
2) Dancing with the Moonlit Knight
3) I Know What I Like
4) The Musical Box
5) Supper's Ready

あらためてピーター・ゲイブリエルの演劇性や異形性を前面に打ち出した幻想世界が、非常に特異であったことがわかります。曲間を繋ぐ彼の語りも、とても重要な要素だったんですね。

とともに後のリード・ボーカリスト、フィル・コリンズがライヴでも歌が上手くきれいにハモるため、ボーカルパートの充実度と安定感はその後の凡百のフォロワーには真似できないレベルにあることもわかります。

そのフィル・コリンズの演奏レベルに他のメンバー達が追いつき、ピーター・ゲイブリエルのカリスマ性と他のメンバー演奏技術の高さが、絶妙なバランスで共存していた時期の貴重な映像記録だと思います。

アルバム「Genesis Live」は、この映像収録時期に近い1973年2月のステージから作られたものです。

「The BBC Sight & Sound concert 1974」ジェントル・ジャイアント



英国きっての技巧派であり、複雑かつ大胆な楽曲で数あるプログレ・バンドの中でも孤高の存在であるGentle Giant。これは彼らが1974年にドイツのテレビZDFでのスタジオ・ライヴを行なった時の映像で、7thアルバム「Free Hand」(1975)までの曲が演奏されています。

[members]
Derek Shulman(ボーカル、サックス、リコーダー)
Ray Shulman(ベース、バイオリン、アコースティック・ギター、ボーカル)
Kerry Minnear(キーボード、チェロ、リコーダー、ボーカル)
Gary Green(ギター、マンドリン、パーカッション、リコーダー)
John Weathers (ドラムス、パーカッション)

 
[set list] 
1. Two Weeks In Spain
2. Free Hand
3. On Reflection
4. I'm Turning Around
5. Just The Same
6. Playing the Game
7. Memories Of Old Days
8. Betcha Thought We Couldn't Do It
9. JP Weathers presents
10. Funny Ways
11. For Nobody
12. Mountain Time  

Gentle Giantの超絶技巧ぶりというのは、当時のジャズ・ロックや昨今のプログ・メタルのような早弾き・高速ユニゾン・キメの嵐…みたいなものとはまったく異なり、複雑な変拍子や異なる曲調への大胆な転換、複層的なリズムと和声など、緻密に計算されたアバンギャルドとでも言えそうな曲構成が大きな特徴です。

にもかかわらず一聴するとぎこちなさや取っ付きにくさは微塵も感じられず、不思議な展開をするストレートなロックとして楽しめてしまうところがまた凄いところ。強烈な個性を持ったスタープレーヤーによる圧倒的なソロというものには頼らず、メンバー全員による複雑なのにノリの良いアンサンブルが、ジワジワと聴くものを虜にしていくという魅力を持ったバンドなのです。

一人一人が複数の楽器を操り、全員リコーダーとか全員パーカッションなどの離れ業もくり出すし、コーラスの素晴らしさも独特という、見ても凄いライヴバンドでもありました。

そんなGentle Giantの凄さは、こうして映像を見てみるとさらに良く分かります。聴けば聴くほど、見れば見るほど唸ってしまうバンドですね。

2013年1月19日土曜日

「Hammersmith Odeon 1979」エニド


現在も精力的な活動を続けているThe Enidですが、1970年代のアナログ機材を駆使した緻密でドラマチックな作品群は、未だに彼らのベストと言える傑作ばかり。

そんな彼らが「In The Region Of The Summer Stars」(1976)、「Aerie Faerie Nonsense」(1977)、「Touch Me」(1978)という3作を引っ提げて、まさに脂が乗り切った状態で臨んだHammersmith Odeonでのライヴから「The Last Judgement」です。

[members]
Robert John Godfrey(キーボード)
Stephen Stewart(ギター)
Francis Lickerish(ギター)
Glen Tollet(ベース)
William Gilmour(キーボード)
Tony Freer(オーボエ、キーボード)
Dave Storey(ドラムス、パーカッション)


2人のパーカッションがシンフォニーを奏でるような効果を上げ、2人のギターが甘美なフレーズでハモるのも感動的ですが、なんと言っても壁状に積まれたキーボードの回廊を行き来しながら、ロバード・ジョン・ゴッドフレィとフランシス・リッカリッシュの2人が息の合った動きで音を重ねていく様子が圧巻です。


  通常版   DVD&CD特別盤




「Pictures at Exhibition 1970」エマーソン、レイク&パーマー


Emerson, Lake & Palmerが、デビューした1970年の12月、ロンドンのライシアムで行なったコンサートのライヴ映像。曲はムソルグスキー作曲(ピアノ曲)、ラベル編曲(オーケストラ)の「展覧会の絵(Pictures at Exhibition)」のロックアレンジ版。


[members]

Keith Emerson(キーボード)
Greg Lake(ベース、ギター、ボーカル)
Carl Palmer(ドラムス、パーカッション)

[set list]  

1. Promenade
2. Gnome
3. Promenade
4. The sage
5. The old castle
6. Blues variation
7. Promenade
8. The Hut of Baba Yaga
9. The Curse of Baba Yaga

10. The Hut of Baba Yaga
11. The Great gates of kiev 

翌年1971年にEL&Pの3rdアルバムとして「展覧会の絵(Pictures at Exhibition)」が発売されますが、その内容は1971年3月のライヴの模様を収めたものでした。つまりこの1970年12月の時点で、このロックアレンジ作品はすでにアレンジ面でも演奏面でもここまで完璧な曲になっていたことになります。


とにかくクラシックの翻案というような行儀の良さは皆無で、たった3人がくり出す荒々しくも緊張感あふれるロック的なダイナミズムに目と耳を奪われてしまいます。特にキース・エマーソンは、非常に高いテクニックを持っているにもかかわらず、身体全体でキーボードと格闘しているようなケレン味がまた大きな魅力。そしてトリオ編成なのにこれだけ圧倒的アンサンブルを目の当たりにすると、いかにこの3人のバランスが良いかが分かります。


例によって70年代サイケデリック映像処理が非常に残念ですが(それもこの作品の場合かなり長い…)、それでも若々しく勢いに乗った演奏と鮮明な映像は、当時も今も傑作ライヴ作品であることは間違いありません。

 

2013年1月17日木曜日

「Yessongs 1972」イエス


Yes が1972年12月の「Close to the Edge(危機)」発表後に行なったツアーの模様を74分に収めた作品。場所はロンドンのレインボー・シアター。Yesの映像作品は比較的多いですが、この1970年代前半の絶頂期のステージがフル・ステージで堪能できるのはこの作品だけです。


[members]

Jon Anderson(ボーカル)
Steve Howe(ギター、バッキング・ボーカル)
Chris Squire(ベース、バッキング・ボーカル)
Alan White(ドラムス)
Rick Wakeman(キーボード)

[set list]

1. Your Move / I've seen all good People
2. The Clap
3. And You And I
4. Close To The Edge
5. The Six Wives Of Henry 8(抜粋)
6. Roundabout
7. Yours Is No Disgrace
8. Starship trooper(抜粋)


例によって1970年代特有のサイケデリックな演出が邪魔ですが、それを差し引いても神がかった演奏には圧倒されます。何より曲のテンポが速く、メンバーの 演奏の勢いが違います。そしてテクニカルなのにジャズ・ロックなどにはならず、独特の世界を創り上げてしまうところがYesならでは。


ジョン・アンダーソンのビブラートしないハスキー・ハイトーン・ボーカル、ゴリゴリとした音でドライヴするクリス・スクワイアのベース、隙間を全て埋め尽くさんばかりに斬り込んでくるスティーヴ・ハウのギター、そして空間までコントロールしているようなリック・ウェイクマンのキーボード。それぞれの個性をハイ レベルでぶつけ合うアンサンブルはまさに唯一無二。

ドラムスがビル・ブルーフォード(Bill Bruford)でのアンサンブルが聴けないのはちょっと残念ですが、このアメリカ・ツアー開始1週間前に加入したというアラン・ホワイトも若々しいドラミングで緊張感溢れる演奏を繰り広げています。


2012年12月に「40周年記念HDニューマスター版」がDVDとBlu-rayで発売されました。


DVD     Blu-ray

「Live at Medley Show 1974」キング・クリムゾン


1970年代のKing Crimsonはその圧倒的なライヴパフォーマンスにもかかわらず、ライヴ映像が非常に少ないことが惜しまれています。現在に至るまでライヴ音源は数多くDGMから発表されているので、映像もあるのではないかと思いますが、未だ日の目を見たものは多くありません。

そんな中で約30分にわたりスタジオ・ライヴの映像が堪能できるのがこのフランスのTV番組「Medley Show」出演時のもの。1974年というCrimsonが一番パワフルだった頃のものなので、まさに手に汗握る演奏が繰り広げられています。

[members]

Robert Fripp(ギター、メロトロン)
John Wetton(ベース、ボーカル)
Bill Bruford(ドラムス、パーカッション)
David Cross(バイオリン、メロトロン)

[set list]

1. Larks Tongues in Aspic part II
2. Lament
3. Book of Saturday
4. Starless

70年代的なサイケ・イフェクトが邪魔ですが、シンメトリーに置かれた黒と白のメロトロンなど、ゾクゾクするほど魅力的な映像です。荒々しいジョン・ウェットンのボーカル、シンプルなセットなのに強烈な個性がほとばしるビル・ブルーフォードのドラミング、暴力的な音に叙情性を加えるデイヴィッド・クロスのバイオリン!そして硬質なギターサウンドで迫るロバート・フリップが時折見せる無表情なカメラ目線がちょっと恐い


このライヴ映像は「Red」40周年記念エディションに収められています。


2013年1月16日水曜日

「Tubular Bells BBCライヴ 1973」マイク・オールドフィールド


マイク・オールドフィールド(Mike Oldfield)と言えばとにかくまずはこの「Tubular Bells」(1973)が代表作でしょう。本人が幾度となく「Tubular Bells」を取り上げていることからも、この曲の重要さがわかります。

この映像はまさに作品が発表された年に、BBCでスタジオライヴのかたちで演奏されたもの。当時のVirginレーベル仲間も結集し、非常に豪華なメンバーによる演奏が堪能できます。

Mike Ratledge(キーボード from Soft Machine)
Terry Oldfield(フルート)
Mike Oldfield(オルガン、ベース、ギター、マンドリン)
David Bedford(ピアノ、アコーディオン、オルガン、コーラス指揮、ストリングス・アレンジ)
John Greaves(ファルフィッサ・オルガン、エレクトリック・ピアノ、ティン・ホイッスル、from Henry Cow)
Mick Taylor(ギター 、from Rolling Stones)
Steve Hillage (ギター、from Gong)
Fred Frith(ギター、ベース、from Henry Cow)
Steve Broughton (Drums).
Tim Hodginson (オルガン、エレクトリック・ピアノ、フェンダー・ローズ、from Henry Cow))
Pierre Morlen (パーカッション、チューブラ・ベルズ)
Geoff Leigh(フルート)
John Field(フルート)
Terry Oldfield(フルート)
Tom Newman(コーラス)
Sally Oldfield(コーラス)
Mundy Ellis(コーラス)
 
膨大な回数のオーバーダビングの末に出来あがった「Tubular Bells」という作品が、腕達者なメンバーによって阿吽の呼吸で再現される様子は、見る物を釘付けにする力を持っていますね。
 

プログレ情報発信します!

1990年頃から次第に広がり始め、北欧、イタリア、アメリカを筆頭に、イギリス、フランス、南米などからも続々と新しいバンドが台頭してきたプログレッシヴ・ロックの世界。

40年の年月を経て今再び隆盛を極めんとしているプログレッシヴ・ロック・ムーヴメントですが、その根源と言えるのが今も燦然と輝き続けている1970年代の バンド達。そこで1970年代を中心に、偉大なバンドの貴重な動画などをご紹介するために作ったのが、この「ProgClips」(プログレッシヴ・ロック情報館)ブログです。

わたし自身のプログレ動画ライブラリーとしても、これから充実させていきたいこのブログ。よろしければ一緒にプログレ動画をお楽しみいただけると嬉しいです。


2013.1.16
館長 TAKAMO