2013年7月20日土曜日

「Beat Club 1970」レア・バード



イギリスのギターレス、ツイン・キーボードを特徴とするバンドRare Birdが、1970年にドイツのTV番組「Beat Club」に出演した際のスタジオライヴ映像。

曲は1st「Rare Bird」(1969)から「Beautiful Scarlet」。

[members]
Graham Field(キーボード)
David Kaffinetti(キーボード)
Steve Gould(リード・ボーカル、ベース)
Mark Ashton(ドラムス)

ギターレス、ツイン・キーボードというと、NiceやEL&P顔負けのキーボード主体のサウンドかと思ってしまいますが、実はスティーヴ・ブールドのソウルフルな歌を核にした、ポップなオルガン・ロックと言えるでしょう。

グラハム・フィールドはオルガン主体、デヴィッド・カフィネッティはエレクトリック・ピアノ主体と、ツイン・キーボードでもある程度の役割分担があり、昨今の“分厚いキーボード・オーケストレーション”とは無縁の、味のあるプレイ&掛け合いが信条です。これが震えるほど渋くて良いですね。

アルバムを聴くと、スティーヴはノーマル・ボイスとソウルフル・ボイスを使い分けていて、それがまたサウンドに変化と厚みをもたらしています。こういう声&歌唱法は、今の“プログレ”的感覚から言うと、受け入れ難いものがあるのかもしれませんが、逆にこの時代だからこそ生み出せた、クラシカル&シンフォ色に拘らない何でもアリな本当の“プログレ”的魅力を持ったバンドだと言えるでしょう。

その“ソフルフルなプログレ”、あるいは“ゴスペル風プログレ”という他に類を見ないサウンドが結実したのが、2nd「As Your Mind Flies By」収録の19分を越える大曲「Flight」です。

ちなみにこの「Beautiful Scarlet」は、これまたコーラス主体のポップバンドながら「Voice」(1973)という傑作プログレアルバムを作ってしまったイギリスのバンドCapability Brownが、1st「From Scratch」で第一曲目としてカバーしています。こちらも分厚いハーモニーが特徴の素晴らしい出来です。





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