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2013年11月23日土曜日

「Central Park 1973」キング・クリムゾン



King Crimsonが1973年6月25日にNew YorkのCentral Parkで行なったステージのライヴ映像。アメリカかイギリスのTV局が、放送用として撮影したのではないかと思われるプロ・ショット映像です。

この時のメンバーの、TV用スタジオ・ライヴではなくツアーでのステージの様子をクリアーに捉えた映像としては現時点で唯一。大変貴重な映像だと言えます。

[members]
Robert Fripp(ギター、メロトロン)
John Wetton(ベース、ボーカル)
David Cross(バイオリン、ビオラ、メロトロン)
Bill Bruford(ドラムス、パーカッション)
  
[set list]
1. Easy Money
2. Fragged Dusty Wall Carpet(Improvisation)

1973年2月10日にパーカッションのジェイミー・ミューア(Jamie Muir)がすでに脱退しているので、「Larks' Tongues in Aspic(太陽と戦慄)」(1973年3月23日リリース)とは異なる、残り4人によるステージの模様です。

バンドは「Larks' Tongues in Aspic(太陽と戦慄)」発売に伴ったツアーを大々的に行ないますが、6月25日と言うと、イギリス、ヨーロッパに続いて4月18日から7月2日にかけて行なわれたアメリカ・ツアーの終盤。曲にもステージにも慣れてきた時期の貴重な記録と言えるでしょう。

当日の音源などで確認すると、どうやらステージは1時間と決められていたと思われ、後半のインプロヴィゼーションは、通常なら「Easy Money」から怒濤のになだれ込むところが、約5分程度の“ショート・バージョン”となっています。

それでも終始暴力的と言えるほどハイ・テンションなフリップのギター、豪快でテクニカルなジョン・ウェットンのベース、サウンドに変化と厚みを加えるデヴィッド・クロスのメロトロン&バイオリン、そしてアイ・コンタクトしながら奔放に叩きまくるビル・ブルーフォードと、全員が自信に満ち、音に力強さが溢れていますね。ゾクゾクするような素晴らしいステージ風景です。

  
  

2013年10月24日木曜日

「LIve at Bremen 1972」キング・クリムゾン




King CrimsonがドイツのTV番組「Beat Club」用に行なったドイツのブレーメンにあるBeat Clubでのライヴ映像。

曲は「Larks Tongues in Aspic」(1973)収録の「The Larks' Tongues in Aspic part I」(上)と「Exiles」(下)。

[members]
David Cross(バイオリン、ヴィオラメロトロン
Robert Fripp(ギター、メロトロン)
John Wetton(ベース、ボーカル)
Bill Bruford(ドラムス
Jamie Muir(ドラムス、パーカッション)



収録は1972年10月17日。「Exiles」と「Larks Tongues in Aspic」が収録された「太陽と戦慄(The Larks' Tongues in Aspic)」の発売が1973年3月23日なので、アルバム発表前のパフォーマンスということになります。ということはこの新生ラインアップ最初期のパフォーマンスでもあるわけです。

King Crimsonの数少ない映像として昔から有名なものですが、これまではこのBeat Clubで放送されたものしか見ることができませんでした。しかし「The Larks' Tongues in Aspic」40周年記念バージョンに、そのフル映像が収録され、今では初めて全貌を知ることができるようになっています。


わずかな期間しか在籍しなかったジェイミー・ミューアの姿を見ることができる点でも貴重な記録です。当時のサイケデリックな映像エフェクトが今となっては邪魔ですが、
それでも緊張感漂うメンバーの様子や獲物を求めて徘徊するようなジェイミー・ミューアの姿はインパクトがありますね。

そのジェイミー・ミューア
のプレイも含めて、冷静に聴くといかにこのバンドの音や曲が特異なものだったかがわかります。ロックと言うにはあまりにグルーヴしないビル・ブルーフォードのドラミング、ビブラートしない鉛のようなロバート・フリップのギター、クラシックの香りのしないデイヴィッド・クロスのバイオリン。そしてインストゥルメンタルなのに、ジャズでも現代音楽でもない楽曲。

後に居場所がなくなってしまうデイヴィッド・クロスが、バイオリンとフルートで大きな存在感を示しているのも貴重と言えるでしょう。

    

2013年6月17日月曜日

「Live in Japan 2003」キング・クリムゾン



イギリスの最強プログレッシヴ・ロック・バンドKing Crimsonが、2003年に来日した際のステージ映像。

[members]
Robert Fripp(ギター)
Adrian Belew(ギター、ボーカル)
Trey Gunn(ウォー・ギター)
Pat Mastelotto(ドラムス、パーカッション)

[setlist]
1. Introductory Soundscape
2. The Power To Believe I: A Cappella
3. Level Five
4. ProzaKc Blues
5. The ConstruKction Of Light
6. Happy With What You Have To Be Happy With
7. Elektrik
8. One Time
9. Facts Of Life
10. The Power To Believe II (Power Circle)
11. Dangerous Curves
12. Larks' Tongues In Aspic: Part IV
13. The Deception Of The Thrush
14. The World's My Oyster Soup Kitchen Floor Wax Museum

15. Extra Feature : Tokyo Sound & Camera Check

現在のところの最新作である「The Power to Believe」(2003)を引っ提げての来日、東京公演です。場所は東京厚生年金ホール。

Neuvo Metalを標榜していただけあってダブル・トリオだった「Thrak」(1995)の頃よりも曲のキャッチーさは後退し、ハードでシリアス。演奏もテクニカルでパワフル。

ダブルトリオでは複雑な音の絡み合いやウォール・オブ・サウンド的な音の厚みがありましたが、逆にあまりに音が多過ぎて誰がどう貢献しているのかが分かりづらいという難点がありました。

しかしここでは4人という通常のロックバンド的なラインアップに落ち着くことで、各人のプレイや全体の中の役割が分かりやすくなって、バンドとしての一体感は増したように思います。


その演奏ですが…何げなく合わせている風でいて、実に徹頭徹尾高度なアンサンブルです。 本人の希望でライトのあたらない暗闇でギターを弾くロバート・フリップからは、終始怪しいエネルギーが放たれていて、エイドリアン・ブリューもはしゃぎ過ぎず歌にも落ち着きがあるので、両者の陰陽のバランスが取れている感じ。ブリューのうねるようなギターも活きていますね。


仁王立ちのトレイ・ガンとワイルドなパット・マステロットのリズム・セクションも鉄壁。フリップとブリューの二本のギターの絡みに耳が行きがちですが、実はトレイ・ガンのベースパートも負けず劣らず複雑に絡んでいるのがわかります。そして時々ちょっとエロティック。これはフリップにもブリューにも無いモノですね。


そのウォーギターは重低音というよりはテクニカルに動き回るフットワークの良い音なので、実は上モノ的な3人のギタリストをボトムで支えているのがパットのドラミング。ビル・ブルーフォード(Bill Bruford)ではなくパットである必然性が、このメンバー、この楽曲、このサウンドバランスには感じられます。


MCも無く音楽だけで聴衆を独自の音世界に引きずり込む力は圧倒的です。

2013年4月28日日曜日

「Three of a Perfect Pair - Live in Japan 1984」キング・クリムゾン



1981年に復活したKing Crimsonが、「Three of a Perfect Pair」(1984)発表後のツアーで1984年4月に来日した際のライヴのコンプリート映像。

[members]
Adrian Belew (ボーカル、ギター、パーカッション)
Robert Fripp(ギター)
Tony Levin(ベース、スティック、シンセサイザー、ボーカル)
Bill Bruford(アコースティック&エレクトリック・ドラムス)

[setlist]
1. Three of a Perfect Pair
~ Band Introduction ~
2. No Warning
3. Larks Tongues in Aspic Part III
4. Thela Hun Ginjeet
5. Frame by Frame
6. Matte Kudasai
7. Industry
8. Dig Me
9. Indiscipline
10. Sartori in Tangier
11. Man With An Open Heart
12. Waiting Man
13. Sleepless
14. Larks' Tongues in Aspic Part II
15. Elephant Talk
16. Heartbeat

このツアーの後King Crimsonは再び活動停止となるので、ある意味総決算的な1980年代King Crimson最後のステージです。アメリカ人ボーカルを二人擁し、変拍子と複雑なギターアンサンブルをたっぷり含んだ、エレクトリックでダンサブルな曲の数々。

エイドリアン・ブリューとロバート・フリップのギターの絡みもすでにお家芸。でも自由奔放なようでいてしっかりアイコンタクトしている様子もライヴならではの面白さですね。しっかりロバート・フリップに照明があたっているのも嬉しいです。スツールで身をよじらせてソロを弾く姿は貴重、というかちょっと違和感すら感じてしまいますね。

シモンズのエレクトリック・ドラムを叩くビル・ブルーフォードには、1970年代の即興的な創造性や緊張感が欠ける気がしますが、それは彼と言うよりはこの1980年代King Crimsonの姿勢であったと考えるべきでしょう。でもダンサブルな傾向が強いからこそ、逆にグルーヴしないビルのドラミングがこのバンドの独特な個性にもなっていたように思います。

トニー・レヴィンのベース&スティック&シンセも80年代的な軽やかさを見にまとっていますが、何よりそのタイム感覚が素晴らしく、一見無造作に弾いているようで非常に安定感のあるリズムを繰り出しているところに唸ってしまいます。

控え室でメトロノームに合わせて「Fracture」のフレーズを機械のように弾いているロバート・フリップが、いかにも彼らしい佇まいです。

2013年1月17日木曜日

「Live at Medley Show 1974」キング・クリムゾン


1970年代のKing Crimsonはその圧倒的なライヴパフォーマンスにもかかわらず、ライヴ映像が非常に少ないことが惜しまれています。現在に至るまでライヴ音源は数多くDGMから発表されているので、映像もあるのではないかと思いますが、未だ日の目を見たものは多くありません。

そんな中で約30分にわたりスタジオ・ライヴの映像が堪能できるのがこのフランスのTV番組「Melody Show」出演時のもの。1974年というCrimsonが一番パワフルだった頃のものなので、まさに手に汗握る演奏が繰り広げられています。

その番組から「Starless」。下記のセットリストは番組全体のものです。

[members]

Robert Fripp(ギター、メロトロン)
John Wetton(ベース、ボーカル)
Bill Bruford(ドラムス、パーカッション)
David Cross(バイオリン、メロトロン)

[set list]

1. Larks Tongues in Aspic part II
2. Lament
3. Book of Saturday
4. Starless

70年代的なサイケ・イフェクトが邪魔ですが、シンメトリーに置かれた黒と白のメロトロンなど、ゾクゾクするほど魅力的な映像です。荒々しいジョン・ウェットンのボーカル、シンプルなセットなのに強烈な個性がほとばしるビル・ブルーフォードのドラミング、暴力的な音に叙情性を加えるデイヴィッド・クロスのバイオリン!そして硬質なギターサウンドで迫るロバート・フリップが時折見せる無表情なカメラ目線がちょっと恐い


このライヴ映像は「Red」40周年記念エディションに収められています。