2013年11月28日木曜日

「Saint Quentin 1976」マグマ



フランスのバンドMagmaがフランスのTV番組で取り上げられた際の映像。インタビューをはさみながら1976年2月にサン・カンタン(Saint Quentin)で行なわれたライヴの様子を見ることができます。

[members]
Christian Vander(ドラムス、ボーカル)
Stella Vander(ボーカル)
Klaus Blasquiz(ボーカル、パーカッション)
Gabriel Federow(ギター)
Bernard Paganotti(ベース、ボーカル)
Benoit Widemann(キーボード)
Didier Lockwood(バイオリン)

[set ]
1. Köhntark
2. Theusz Hamtaahk
  ※ いずれも抜粋

この1976年1月〜3月のツアー・データによりますとキーボードにはBenoit WidemannとPatrick Gauthierの二人がクレジットされていますが、映像を見る限りキーボード奏者は一人です。正面からのショットが無いので分かりづらいのですが、恐らくBenoit Widemannではないかと思われます。

何より素晴らしいのは、傑作「Live」(1975)収録時のメンバーによるライヴ映像であることでしょう。ディディエ・ロックウッドの凄まじいバイオリンが聴けるラインアップで、「Live」にも収められていたKöhntark」のクライマックス部分を見ることができます。

甘いマスクロックウッドと恐ろしげなMagmaという取り合わせが興味深かったこともあるのでしょう、カリスマ的なリーダーであるクリスチャン・バンデに加えて、この時点で20歳だった初々しいディディエ・ロックウッドもインタビューされています(ロックウッドの生年月日は1956年2月11日なので、「Live」収録の1975年に“17歳”だったと書かれていたりすることがあるのは誤りです)。

そもそもMagmaの曲はどれも長いので仕方ないかと思われますが、インタビューをはさんだライヴ映像と言うよりは、ライヴ映像をはさんだインタビューという趣きです。インタビュー内容も気になりますが、やはりライヴ演奏のフル映像がぜひ見たいところですね。

観客の気配が感じられないことや、映像のラストで演奏が唐突に終っている感じがすることなどを考えると、ライヴそのものではなくリハーサルの映像なのかもしれません。

それでもMagmaというバンドの共同体的な異質さや、完璧なアンサンブルによってもたらされる呪術的な高揚感は、リズムに乗って身体を揺らすメンバー達の姿を実際に見ることによって、さらに強烈に伝わってきます。

2013年11月23日土曜日

「Central Park 1973」キング・クリムゾン



King Crimsonが1973年6月25日にNew YorkのCentral Parkで行なったステージのライヴ映像。アメリカかイギリスのTV局が、放送用として撮影したのではないかと思われるプロ・ショット映像です。

この時のメンバーの、TV用スタジオ・ライヴではなくツアーでのステージの様子をクリアーに捉えた映像としては現時点で唯一。大変貴重な映像だと言えます。

[members]
Robert Fripp(ギター、メロトロン)
John Wetton(ベース、ボーカル)
David Cross(バイオリン、ビオラ、メロトロン)
Bill Bruford(ドラムス、パーカッション)
  
[set list]
1. Easy Money
2. Fragged Dusty Wall Carpet(Improvisation)

1973年2月10日にパーカッションのジェイミー・ミューア(Jamie Muir)がすでに脱退しているので、「Larks' Tongues in Aspic(太陽と戦慄)」(1973年3月23日リリース)とは異なる、残り4人によるステージの模様です。

バンドは「Larks' Tongues in Aspic(太陽と戦慄)」発売に伴ったツアーを大々的に行ないますが、6月25日と言うと、イギリス、ヨーロッパに続いて4月18日から7月2日にかけて行なわれたアメリカ・ツアーの終盤。曲にもステージにも慣れてきた時期の貴重な記録と言えるでしょう。

当日の音源などで確認すると、どうやらステージは1時間と決められていたと思われ、後半のインプロヴィゼーションは、通常なら「Easy Money」から怒濤のになだれ込むところが、約5分程度の“ショート・バージョン”となっています。

それでも終始暴力的と言えるほどハイ・テンションなフリップのギター、豪快でテクニカルなジョン・ウェットンのベース、サウンドに変化と厚みを加えるデヴィッド・クロスのメロトロン&バイオリン、そしてアイ・コンタクトしながら奔放に叩きまくるビル・ブルーフォードと、全員が自信に満ち、音に力強さが溢れていますね。ゾクゾクするような素晴らしいステージ風景です。

尚この映像は2011年に正規盤「暗黒の世界 / 40周年記念エディション」のDVDサイドにボーナス映像として収録されました。ただし本映像はそれとは異なり、映像調整用カラーバー部分約10秒を含んだ“完全版”とのことです。

2013年11月21日木曜日

「Saxinette & clarophone 1975」マネイジュ



カナダのバンドManeige(マネイジュ)が1976年にケベックで行なったTVライヴ映像。

冒頭のタイトルの「Saxinette & clarophone」は2ndアルバム「Les Porches De Notre-dame」(1975)収録曲「Les Aventures De Saxinette Et Clarophone」からのもの。従って演奏された曲もこの2ndを中心とした構成と思われますが、残念ながら特定できませんでした。ちなみに映像そのものが抜粋で、完全版ではないとのことです。

[members]
Alain Bergeron(ピアノ、フルート、サックス)
Jrome Langlois(クラリネット、ピアノ、ギター)
Vincent Langlois(ピアノ、パーカッション)
Yves Leonard(ベース、コントラバス)
Gilles Schetagne(ドラムス、パーカッション)
Denis Lapierre(ギター)
Paul Picard(パーカッション)

ギターのデニスとパーカッションのポールは、アルバムではゲストとして参加していたメンバーです。

テクニカルなインストゥルメンタル・アンサンブルですが、非常に個性的なサウンド。ジャズ・ロック的なインプロヴィゼーションや派手なソロはほとんど無く、フュージョン的な明るいノリとも異なり、室内楽風な雰囲気もありながらチェンバーミュージック的小難しさや暗さは無く、クラシカルな中にロックなダイナミズムも感じられるという、非常に面白いサウンドです。ほのかにユーモアが漂う部分もあり、カンタベリー的な面白さに近づく場面も見られます。

このムービークリップではフルートが比較的メインの扱いで、クラリネット、サックスの出番が少ないようですが、フルートがメインのバンドという訳ではありません。

アランとジェロームを中心に1972年に結成され、1983年まで活動を続けて、7枚の公式アルバムを発表しました。

2013年11月18日月曜日

「POPGRAMA 1979」ザ・クラック



スペインのシンフォニック・ロック・バンドThe Crack(ザ・クラック)のスタジオ・ライヴ。1977年から1981年までスペイン国営放送(TVE)で放送されていたカウンターカルチャーを扱った番組「POPGRAMA」出演時の映像です。唯一作「Si Todo Hiciera Crack」(1979)が発表された1979年のものと思われます。

曲はその「Si Todo Hiciera Crack」の冒頭曲「Descenso En El Mahellstrong」。

[members]
Alberto Fontaneda(フルート、ギター、ボーカル)
Mento Hevia(キーボード、ボーカル)
Rafael Rodriguez(ギター)
Alex Gabar(ベース)
Manolo Jimenez(ドラムス)

スタジオ・ライヴのように装っていますが、実はアルバムの音を使った、ちょっと荒っぽい当て振りです。映像と音のズレを考慮しても音に手の動きが合っていないキーボード&ドラムス、カメラを向けられた瞬間驚いたようにアクションが派手になるベース、一人気を吐くフルート、ほとんど写らないギター。

ヘッドセットまでしてスタジオに陣取っている割には映像の作りが雑ですが、でもそのちょっとユルいところも、またスペインらしい大らかな感じがすると言えるかもしれません。

彼らのサウンドの特徴は、フラメンコ色のないファンタジックなサウンド。アコースティック楽器を活かしたアレンジとメロディーが美しく、演奏もタイトでしっかりしたテクニックと音楽性を感じさせます。

実験や冒険といったものを求めていた1970年前半の音とは異なり、1979年という時期を感じさせるとても落ち着いたまとまりのある音ですね。派手なことはしていないのですが、フュージョンにはならないドラマチックなアンサンブルの心地良さは絶品です。

2013年11月16日土曜日

「RTVE Show 1977」アイスバーグ(イセベルグ)



スペインの超絶ジャズ・ロック・バンドIceberg(アイスバーグ)が、スペイン国営放送局(RTVE)の番組で1977年に行なったスタジオライヴ。

[members]
Joaquím "Max" Sunyer(アコースティック&エレクトリック・ギター)
Josep "Kitflus" Mas(エレクトリック&アコースティック・ピアノ、シンセサイザー)
Jordi Colomer(ドラムス)
Primitiu "Primi" Sancho(ベース)

[set list]
1. Joguines
2. Allegrias del Mediterraneo

演奏されているのはどちらも3rdアルバム「Sentiments」(1977)に収録されている曲。曲順もそのままでアルバムのラストを飾る2曲です。

1stアルバム「Tutankhaon」(1975)制作時には専任ボーカリストがいてギターのヨアキム・マックスもボーカルを取っていたので、英語&スペイン語による歌やコーラスを含んだシンフォニックな面がありましたが、ボーカリストは1stのみで脱退。その後は一気にハードなジャズ・ロック路線に突き進むことになります。

そこで完成させたこの3rd「Sentiments」は、年代的にはクロスオーヴァー&フュージョンの台頭に呼応したかのようなオールインスト作ですが、ロック寄りの作品を出していたReturn to ForeverやMahavishnu Orchestra、さらにはちょうど同時期に活躍していたBrand Xのように、フュージョンと言うにはロック的な荒々しさが残るジャズ・ロックの傑作となりました。

流れるようなギターと、それに負けじとユニゾンを仕掛けるジョセフのキーボードのスリリングなアンサンブルや、自由奔放に弾きまくる両者のソロ・パートなど、最初から最後まで全く緩むことのない緊張感の連続。「Joguines」で見せるスペインらしさも良いアクセントになっています。

一糸乱れない演奏は、リズム・セクションの素晴らしさも物語っていますね。特に熱いディストーション・ギターの音とともにロックなストレートさを感じさせる、ジョルディのドラミングがまた魅力です。

2013年11月9日土曜日

「TV Live 1972」レアーレ・アカデミア・ディ・ムジカ



イタリアのバンドReale Accademia Di Musicaが、1972年にイタリア国営放送(LAI)に出演した際のスタジオライヴ映像。

曲は1st「Reale Accademia Di Musica」(1972)のラスト曲「Vertigine」。

[members]
Federico Troiani(キーボード)
Gianfranco Coletta(ギター)
Henryk Topel Cabanes(リード・ボーカル)
Pierfranco Pavone(ベース)
Roberto Senzasono(ドラムス、パーカッション)

Reale Accademia Di Musicaは1972年に結成、同年1stアルバムを発表しますが、同じ1972 年のこのTV出演時にはすでにギターがニコラ・アグリミ(Nicola Agrimi)からジャンフランコ・コレッタに交替しています(間にさらに一人ギタリストが在籍していた模様)。そのなこともあってか、このライヴではギターはまだアルバムほどの自己主張をするには至っていない感じですね。

1st発表後の1973年には実質バンドは崩壊してキーボードのフェデリコとドラムスのロベルトだけが残り、翌1974年にアドリアーノ・モンテドゥーロ(Adriano Monteduro)というカンタトーレ・ギタリストとの共作「Adriano Monteduro & Reale Accademia di Musica」を出して解散することになります。
  
バンドとしては非常に短い期間しか存続しなかったわけですが、その音楽はボーカルのヘンリク・トペルのジェントルな声質もあって、哀愁溢れる上質なシンフォニック・ロック。中でも安定したリズム・セクションの上で奏でられるフェデリコの厚みと深みのあるキーボードが印象的です。決して派手ではないのですが、彼のプレイからは全体を包み込みリードする音楽的豊かさが感じられます。

ところがなんと近年、2ndアルバムの未発表音源が「La Cometa」として発掘され、2010年にダウンロードで、2013年にCD&LPでリリースされました。フェデリコ、ヘンリク、ジャンフランコら1stのメンバーがほとんど顔を揃えた音源とのこと。
  

2013年11月2日土曜日

「Live at Lucerna 1971」モードリィ・イフェクト



チェコのバンドModrý Efektが、1971年にスイスのルツェルンで行なったプラハ・ジャズオーケストラとの共演ライヴ映像。

[members]
Radim Hladík(ギター)
Jiří Kozel(ベース、
Lešek Semelka(キーボード)
Vlado Čech(ドラムス、パーカッション)

[set list]
1. Popinavy Brectan
2. Má Hra

1969年にバンドが結成されたBlue Effectは、Modrý Efekt、 M Efektと名前を変えつつ1981年まで活動し、近年再びBlue Effectとして復活してライヴ活動を行なっている、チェコを代表する息の長いロック・バンドです。
 
Modrý Efektとして1971年に「Nova Syntheza」を発表しますが、これが何とチェコスロバキアン・ジャズ・オーケストラというジャズ・ビッグ・バンドとの共演という、プログレッシヴ・ロック界でも非常にレアな内容のジャズ・ロック・アルバムでした。

映像はその1971年、恐らくアルバム発表に前後して行なわれたコンサート映像と思われ、アルバム「Nova Syntheza」収録の2曲が演奏されています。

映像でも分かるように、ギターのラディム・フアディックを中心に、ハードロックバンドとジャズ・ビッグ・バンドが見事に融合した迫力満点なサウンドが素晴らしいですね。管弦オーケストラとの共演は数々のバンドが試みていても、ジャズ・ビッグ・バンドとの共演は他に例がないと思われますが、実に新鮮で見事な演奏です。

ジャズ・ギター奏法も取り入れた高度なテクニックと力強さで、パワフルなブラス・セクションと堂々と渡り合うラディムのギターがとにかく素晴らしいですが、非常に計算され両者を巧みに融合させながら次々と展開していく楽曲そのものもとても魅力的です。

ジャズ・バンドのメンバーの醸し出すラフな雰囲気も、バンド同士が対等にぶつかり合う荒々しさに通じていて良いですね。

「Nova Syntheza」は現在入手困難なため、同様な手法でビッグ・バンド・オーケストラと共演しながら、より洗練された次作「Nova Symtheza II」(1974)をご紹介しておきます。

「Live at Filmhuset 1975」トレッティオアリガ・クリゲット



スウェーデンのハード・プログレッシヴ・ロック・バンドTrettioåriga Krigetが、スウェーデンのストックホルムにあるFilmhusetで1975年に行なったTV用ライヴ映像。

曲は1st「Trettioåriga Kriget」から「Kaledoniska Orogenesen」。

Stefan Fredin(ベース)
Christer Akerberg(ギター)
Robert Zima(ボーカル、ギター)
Dag Lundqvist(ドラムス、メロトロン)

1970年に結成され1974年にアルバムデビューしたTrettioåriga Krigetは、基本的なサウンドはギターとベースがグイグイと引っ張るハードロックと言えそうですが、せわしない展開とタイトなリズムチェンジなどは、リッケンバッカー・ベースの音もあって初期のYesにも似ています。

演奏されているのはデビューアルバムの冒頭を飾る曲。アルバムではまるでKing Crimsonの「21st Century Schizoid Man」のラストを引き継ぐかのように曲が始まるのが印象的です。

この映像でもステファン・フレディンのベースの安定感と存在感が抜群で、ダグ・ルンドクヴィストのドラミングがかなりタイトなので、ハードロックと言うにはアンサンブルの素晴らしさが出色。クリステル・オーケンベリのギターも弾きまくるというよりはソロにバッキングにと多彩に曲を盛り上げます。

ロベルト・ジーマのボーカルは、ハイトーン・スキャットがブリティッシュ・ハードロックを思い起こさせてくれますが、歌自体はスウェーデン語ということもあって、比較的マイルドな印象。それがまた曲に叙情を与えているとも言えそうです。

全員がテクニシャンであり多用する変拍子も大きな魅力ですが、熱くなり過ぎずにどこか冷たく暗い感じが漂っているのが北欧らしいですね。