2013年8月7日水曜日

「Kyrie 1973」ボボル・ヴー



ドイツの実験的瞑想音楽を奏でるバンドPopol Vuhのライヴ映像。ドキュメンタリー番組のような感じですが所出は不明。

曲は3rdアルバム「Hosianna Mantra」(1972)収録の「Kyrie」。


[members]

Florian Fricke(ピアノ)
Djong Yun(ボーカル)
Conny Veit(ギター、パーカッション)
Klaus Wiese(タンブーラ)
Robert Eliscu(オーボエ)

リーダーのフローリアン・フリッケは電子音楽では先駆的なジャーマン・ロックバンドの中でも非常に早い段階からシンセサイザーを用いていて、その中古をかのクラウス・シュルツェ(Klaus Schulze)が使うことになるというほどであったとか。

しかしシンセサイザーを使った作品は初期の二作に留まって、傑作と言われるこの3rdアルバム「Hosiana Mantra」では、いっさいシンセサイザーの使用を止めアコースティクでアンビエントなサウンドに大転換します。

サウンド的にはいわゆるリズム・セクションがいないのが特徴。音のバランス的にもボトムが空いているので、独特の浮遊感がありますね。

韓国系ボーカリスト、ジョン・ユンの声も美しく、フリッケのピアノや今作から加入したコニー・ファイトのエコーがたっぷりかかったギターが、宗教的/瞑想的な世界を描いていきます。

Popol Vuhもフローリアン・フリッケ自身も、当時はライヴを行なわなかったようなので、こうした映像が残っていることは実に貴重だと言えるでしょう。ただし音はアルバムのものを使っているようです。

ちなみに“Popol Vuh”とは、グァテマラ高地のマヤ系先住民に伝わる起源神話/歴史伝承の書のことで、その場合日本語では「ポポル・ヴフ」と記述されるのが一般的。若きフリッケがミュンヘン大学図書館でこの書と出会ったのが、バンド誕生のきっかけと言われています。



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