2013年8月28日水曜日

「Hits A Go Go 1968」ザ・ナイス



キース・エマーソンがEmerson Lake & Palmer以前に組んでいたキーボード・トリオThe Niceが、1968年にスイスのTV番組「Hits A Go Go」に出演した際の映像。

曲はバーンスタイン(Leonard Bernstein)作「ウエスト・サイド物語(West Side Story)」の曲をアレンジした「America」。この曲は1968年にシングル・リリースされたものです。

[members]
Keith Emerson(キーボード)
Lee Jackson(ベース)
Brian Davison(ドラムス)
David O'List(ギター)

“キーボード・トリオ”と書きましたが、そもそもはギターを含めた4人編成で、女性ソウル・シンガーのP.P.アーノルドのバックバンドとしてスタート。その後バンドは独立し、1967年にシングル・デビュー、翌1968年に「The Thought of EMERLIST DAVJACK」でアルバムデビューを果たします。

2ndアルバム「Ars Longa Vita Brevis」(1968)制作中にデヴィッド・オリストが脱退し、キーボード・トリオで再スタートを切ることになるのですが、この映像はまだデヴィッド・オリストが在籍していた時点でのもので、非常に珍しい4人編成のThe Niceを見ることができます。

とは言っても、すでにキース・エマーソンの技量と存在感は抜きん出ています。ギターの出る幕もないわけではないのですが霞みがち、その後のデヴィッド・オリスト脱退もむべなるかなという感じですね。

最後のインタビュー場面で「なぜナイフを刺すのか?」と聞かれたキースが答えます。

「理由は二つ。一つは(ナイフ二本を刺すことで)プレイしている間中、二つの音をずっと出し続けることが出来るから。そうすれば演奏中でもそれだけより多くの音を鳴らすことができるんだ。もう一つは、(ナイフが)大統領が射殺されたりするような、アメリカという国の殺人や暴力をちょっと象徴しているんだよ。」

その後EL&Pにも引き継がれるこのナイフ・パフォーマンスにも、当初には「America」という曲に呼応した政治的・社会的な意味が込められていたというのは面白いですね(後付けかもしれませんが)。

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