2013年6月17日月曜日

「Live in Japan 2003」キング・クリムゾン



イギリスの最強プログレッシヴ・ロック・バンドKing Crimsonが、2003年に来日した際のステージ映像。

[members]
Robert Fripp(ギター)
Adrian Belew(ギター、ボーカル)
Trey Gunn(ウォー・ギター)
Pat Mastelotto(ドラムス、パーカッション)

[setlist]
1. Introductory Soundscape
2. The Power To Believe I: A Cappella
3. Level Five
4. ProzaKc Blues
5. The ConstruKction Of Light
6. Happy With What You Have To Be Happy With
7. Elektrik
8. One Time
9. Facts Of Life
10. The Power To Believe II (Power Circle)
11. Dangerous Curves
12. Larks' Tongues In Aspic: Part IV
13. The Deception Of The Thrush
14. The World's My Oyster Soup Kitchen Floor Wax Museum

15. Extra Feature : Tokyo Sound & Camera Check

現在のところの最新作である「The Power to Believe」(2003)を引っ提げての来日、東京公演です。場所は東京厚生年金ホール。

Neuvo Metalを標榜していただけあってダブル・トリオだった「Thrak」(1995)の頃よりも曲のキャッチーさは後退し、ハードでシリアス。演奏もテクニカルでパワフル。

ダブルトリオでは複雑な音の絡み合いやウォール・オブ・サウンド的な音の厚みがありましたが、逆にあまりに音が多過ぎて誰がどう貢献しているのかが分かりづらいという難点がありました。

しかしここでは4人という通常のロックバンド的なラインアップに落ち着くことで、各人のプレイや全体の中の役割が分かりやすくなって、バンドとしての一体感は増したように思います。


その演奏ですが…何げなく合わせている風でいて、実に徹頭徹尾高度なアンサンブルです。 本人の希望でライトのあたらない暗闇でギターを弾くロバート・フリップからは、終始怪しいエネルギーが放たれていて、エイドリアン・ブリューもはしゃぎ過ぎず歌にも落ち着きがあるので、両者の陰陽のバランスが取れている感じ。ブリューのうねるようなギターも活きていますね。


仁王立ちのトレイ・ガンとワイルドなパット・マステロットのリズム・セクションも鉄壁。フリップとブリューの二本のギターの絡みに耳が行きがちですが、実はトレイ・ガンのベースパートも負けず劣らず複雑に絡んでいるのがわかります。そして時々ちょっとエロティック。これはフリップにもブリューにも無いモノですね。


そのウォーギターは重低音というよりはテクニカルに動き回るフットワークの良い音なので、実は上モノ的な3人のギタリストをボトムで支えているのがパットのドラミング。ビル・ブルーフォード(Bill Bruford)ではなくパットである必然性が、このメンバー、この楽曲、このサウンドバランスには感じられます。


MCも無く音楽だけで聴衆を独自の音世界に引きずり込む力は圧倒的です。

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