2013年5月12日日曜日

「Jazz Land 1971」ゴング



Soft Machineのフランス・ツアーからの帰国の際に、ビザが切れて不法滞在状態だったためにイギリスへの入国を拒否されたデイヴィッド・アレンが、そのままフランスに残って結成したグループがGong。

デイヴィッド自身はオーストラリア人ですが、Soft Machineの一員として活動していたこともあって、Gongはイギリスのバンド、イギリス/フランス混交バンド、あるいはフランスのバンドと位置づけられることもあるようです。

そのGongが1971年にフランスのTV番組「Jazz Land」に出演した際のスタジオライヴ映像。曲は「Dreaming It」。

[members]
Daevid Allen(ボーカル、ギター)
Gilli Smyth(ボーカル)
Didier Malherbe(サックス)
Christian Tritsch(ベース)
Rachid Houari(ドラムス)
Daniel Laloux(フレンチ・ホルン、パーカッション)
Dieter Gewissler(バイオリン)

1stアルバム「Magic Brother」(1970)のメンバー、デイヴィッド、ジリ、ディディエの3人に、その1stにゲスト参加していたメンバーなどを加えた7人編成。

銅鑼の音から始まりジリのスペース・ウィスパー、デイヴィッドの語りのようなボーカルと続き、その後はG#とGbを反復し続けるベースラインに乗せて、フリーフォームな演奏が続きます。

サックス、フレンチ・ホルン、バイオリンが自由に音を出しているのに、ベース音がオン気味で、残りの楽器がオフ気味なため、混沌としていながらタイトル通りドリーミーでスペイシーですね。ジリの揺れ動くウィスパリング・ボイスが妖しくてゾクゾクします。

人を食ったような脱力感やユーモア、あるいはジャズ・ロック的なキレのあるアンサンブルなどはまだ伺えませんが、このコズミック感覚はすでにGongと言えましょう。

ヒッピー文化、サイケデリック・ムーヴメントなどを体現しつつ、ありそうでない独自のサウンドを作り上げたGong最初期の貴重な映像です。

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