2013年4月20日土曜日

「Old Grey Whistle Test 1975」ドゥルイド



Druidは英メロディー・メーカー誌主催の1974年のアマチュア・フォーク&ロック・コンテストで優勝したイギリスのバンド。TV番組「Old Grey Whistle Testに出演した1975年の映像です。曲は傑作1st「Toward the Sun」(1975)から「Voices」と「Theme」。

[members]
Neil Brewer(ベース)
Andrew McCrorie-Shand(キーボード)
Cedric Sharpley(ドラムス、パーカッション)
Dane(ギター、ボーカル)


ハイトーン・ボイス、線の細い固いギターの音色、唸るリッケンバッカーベース、そしてドラマチックなメロトロン…。やはりお手本はYesなのでしょう。でもテクニカルでハードな面もあるものの、流れて来る音はもっとフォーキーでドリーミー。

正直なところファルセットを多用するボーカルのデーンの、声と風貌のギャップに最初ちょっと面食らいました。でもファルセットで歌いまくるようなプログレバンドのボーカルなんて他にはいません。オリジナリティが感じられて実に面白いですね。

そして演奏面でも四人のバランスがとても良く、一体感のある良い音を出しています。高度なことはしていないのですが、聴いていてワクワクさせられるアンサンブルの妙があります。特にアンドリューのメロトロンの入れ方が絶妙。

バンドは2nd「Fluid」(1976)発表後に解散してしまいますが、2ndにおいてすでにファルセットは封印されています(地声も良い声ではあるんですが…)。年代的にもプログレが一層厳しい時期ですから、何か外部から圧力がかかったのか、それともバンド内で方向性に迷いが生じたのか…。この1stの路線を突き詰めて欲しかったなぁと思ってしまいます。