2013年4月9日火曜日

「Längtans klocka Live 2013」アングラガルド



現在活動するバンドとしては世界屈指のヘヴィー・シンフォ・バンドと言えるスウェーデンのÄnglagårdの2013年ライヴ映像。バンド・サイドで記録・公開された2月のステージです。「Längtans klocka」は18年ぶりの復活作「Viljans Öga(天眼)」(2012)のラスト・ナンバーです。

[members]
Anna Holmgren(フルート、サックス、キーボード)
Johan Brand(ベース)
Tord Lindman(ギター、ボーカル)
Erik Hammarström(ドラムス、パーカッション)
Linus Kåse(キーボード、ソプラノサックス、バッキング・ボーカル)

「Viljans Öga(天眼)」の完成度の高さに非常に高い評価を得た彼らでしたが、2012年秋に大きなメンバーチェンジがあり、中心人物と言えるドラムスのマティアス(Mattias Olsson)、キーボードのトマス(Thomas Johnson)、そしてギターのヨナス(Jonas Engdegård)が脱退するという“事件”がありました。

しかしBrighteye Brisonというバンドでも活動中のエリックとライナスという二人の新メンバーを加え、新しいラインナップで臨んだ最初のステージが、この映像が取られた2月23日のストックホルムでのライヴです。その直後の3月にはCrimson ProjecKtのスペシャル・ゲストとして来日し、素晴らしいステージを魅せてくれたのは記憶に新しいところ。 

アンナ・ホルムグレンをフロントに、出戻りのかたちとなったトード・リンドマンの繊細なギターとヨハン・ブランドの硬質なリッケンバッカーの音が、新しいメンバーの活きの良いパワフルなサウンドと一体となって、“事件”の影響など微塵も感じさせない、とても引き締まった一糸乱れぬ力強い演奏が繰り広げられます。

こぎれいにまとまる傾向がある最近のバンドの音とは違って、低音域を中心としたフルートなどの生々しい管楽器の音が最新アルバムの特徴でもあります。そして緩急の激しい落差の果てに浮かび上がる美しいメロディー。多くの先達の影響を受けながら、オリジナリティーを追求した末に到達した孤高の音世界がここにはあります。