2013年9月15日日曜日

「Stockholm 1973」フランク・ザッパ



元祖にして孤高のミクスチャーロック・ミュージシャンFrank Zappaが、The Mothers of Inventionを率いて1973年8月にストックホルムで行なったライヴのフルコンサート映像。 

[members]
Frank Zappa(ボーカル、ギター)
Jean-Luc Ponty(バイオリン)
George Duke(キーボード)
Ruth Underwood(マリンバ、ビブラフォン、パーカッション)
Ian Underwood(バス・クラリネット、サックス、フルート)
Tom Fowler(ベース)
Bruce Fowler(トロンボーン)
Ralph Humphrey(ドラムス)

[set list]
1. Cosmik Debris
2. Eric Dolphy Memorial Barbecue
3. Kung Fu
4. Penguin In Bondage
5. RDNZL
6. Montana
7. Dupree's Paradise
8. Join The March And Eat My Starch
9. Farther Oblivion
10. Cucamonga

歌詞のお下劣さでキワもの的な印象が付きまとうZappaですが、R&Bと現代音楽を基本にとても広範な音楽性を持つ彼の作品群は正に唯一無二。イギリス&ヨーロッパ的クラシック色は無くとも、正に“プログレッシヴ”な音楽を創造し続けたミュージシャンと言えるでしょう。

作曲家、ギタリストとしても偉大な存在と言えますが、精緻なアンサンブルによるライヴのもの凄さも大きな特徴です。

1970年代からライヴ音源をスタジオでの演奏に重ねてアルバムを作っていたという驚異的なライヴ演奏の様子が、この映像からも見て取れます。ブルース的なラフ&ルーズなボーカルやジャム的ギターソロに気を許していると、次の瞬間にはメンバー全員での正確無比な高速アンサンブルが始まったりします。

神経質なほど構築された楽曲と、それを再現するメンバーのテクニックに目が眩むほどですが、その複雑さは譜割されたクラシックのスコアー的。実際Zappa本人も頻繁に指揮をして、演奏のコントロールをしているのが印象的です。

1973年は「Over-Nite Sensation」(1973)を発表した年。ルース・アンダーウッド、ジョージ・デューク、ジャン・リュック・ポンティなどそうそうたるメンバーを集め、それ以前のビッグバンド・ジャズ・ロックから、ファンキーなブルース・ロック方向に転換した時期にあたります。しかしこのステージではインストパートも充実しており、1時間以上に渡り個性的で素晴らしい演奏を堪能することができます。

時期やメンバーはちょっと異なりますが、偉大なるライヴということで「Roxy & Elsewhere」(1974)を挙げておきたいと思います。

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