イギリスのバンドでありながらドイツのレーベルBellaphonと契約したことでドイツを中心に活躍していたNektarが、1973年にダブルアルバム「...Sounds Like This」を発表し、これがイギリス本国でもリリースされたことで、BBCのTV番組「Old Grey Whisle Test」への出演を果たした時の映像。
曲は「A Tab in the Ocean」(1972)から、「Desolation Valley」〜「Waves」メドレー。
[members]
Roye Albrighton(リード・ボーカル、ギター)
Allan "Taff" Freeman(キーボード、ボーカル)
Derek "Mo" Moore(ベース、ボーカル)
Ron Howden(ドラムス、パーカッション)
後にピーター・ゲイブリエル(Peter Gabriel)のバンドに参加することになるラリー・ファースト(Larry Fast)を迎えた傑作「Recycled」(1975)の印象が強烈な彼らですが、それ以前の音も「Recyceld」のメカニカルでSF的な世界とは異なる魅力に溢れた、高水準なもの。
ロイ・アルブライトンのブルース/ハードロック系のギターとハイトーン・ボーカルを中心としたバンドの安定感や表現力は素晴らしく、このライヴではジャズ色やサイケデリック色に加えPink Floyd的な幻想性も漂います。
ギターのロイは昨今のプログ・メタルのようなテクニック的に凄いことをやろうとはしていませんが、フロントでもバックでも実に的確な良いプレイで聴くものを惹き付けます。こういうプレイが本当に上手いギターなんだなぁと思わされますね。
彼のギターはもとより、ロン・ハウデンのキレのあるドラムスもアラン・フリーマンの繊細なオルガンも、バンドの大きな魅力です。
そして、(ブルーバックによる合成によるクドいものではありませんが)まるでBeat Clubか?というようなサイケデリックな映像が「Old Grey Whisle Test」にしては珍しいと思われますが、これは当時“5人目のメンバー”としてステージ・ライティングを担当していたMick Brockett存在が大きいのだろうと思われます。ライヴに於けるライティングを中心としたビジュアル面へのこだわりを、このスタジオライヴでも再現したかったのでしょう。
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