2013年3月3日日曜日

「Top of the Pops 1971」ストローブス



デイヴ・カズンズとトニー・フーバーが中心となって結成されたStrawberry Hill Boysを母体とするブルーグラス・バンドは、1968年Strawbsとしてアルバム・デビューします。

当初はブルー・グラスをルーツとするフォーク・ミュージックを奏でていたバンドですが、実はFairport Convention加入前のサンディ・デニーやCurved Air加入前のソーニャ・クリスティーナが在籍したこともあるという重要バンド。もちろんプログレ的にはあのリック・ウェイクマンがYes加入前に在籍していたことで有名です。

この映像は1971年にBBCの「Top of the Pops」出演時のスタジオ・ライヴ。曲は4th「From the Witchwood」(1971)から「Hangman and the Papist」。キーボードはリック・ウェイクマンです。

[members]
Dave Cousins(ボーカル,ギター)
Tony Hooper(ボーカル、ギター)
Rick Wakeman (キーボード)
Richard Hudson(ドラムス、ボーカル)
John Ford(ベース、ボーカル) 

冒頭リック・ウェイクマンによる、目の醒めるようなオルガン・ソロが入ります。実は当時ローカル・バンドで仕事をしていたリックは、そこでの定職・高収入を蹴って、Strawbs加入を決めたのですが、その大きな理由は1)デイヴ・カズンズの書く曲と歌詞に惚れ込んだ、2)Strawbsを“最初のフォーク・ロックバンド”にすることでリーダーのデイヴ・カズンズと意気投合した、3)Strawbsにはその頃パリ1週間というライヴの予定が入っていて、結婚予定だったリックはハネムーン旅行にちょうど良いと思った、からなのだそうです。

3)の理由はジョークとして、リックの弾くオルガンはバッキングに回ってもロック的なスリルを醸し出し、フォーク・ソング的な曲にドラマチックな広がりを与えています。まさにフォーク・ロック的なサウンドを狙ってチャレンジしていることが感じられます。

ところで一瞬映ったリックが左手にしていたのはペンキ・ローラー。低音部に厚みを加えるためでしょうか。 地元のダンスバンドで活動していた時には、ハモンド・オルガンの上に乗ってほうきブラシで“演奏”したりしていたリックなので、それがヒントになってペンキ・ローラーを思いついたのかもしれませんね。

ちなみにこのペンキ・ローラーは、Strawbsにリックが加入して間もない、まだ無名の頃からやっていたことのようです。キース・エマーソンのナイフみたいな感じでしょうか。