2013年3月8日金曜日

「Old Grey Whistle Test 1974」ウォーリー



イギリスのバンドWallyによるOld Grey Whistle出演時のスタジオライヴで、曲は1st「Wally」(1974)から「The Martyr」。

WallyはStrawbsに似てフォーク・ミュージックをベースにしながらエレクトリック・楽器を導入することでプログレッシヴ・ロックに近づいていったグループです。そこはかとなくカントリー風味が漂うのが彼らの一つの特徴と言えるでしょうか。

Strawbsで“初めてのフォーク・ロック・バンド”を目指したリック・ウェイクマンが1stアルバムのプロデュースを行なっている(ボブ・ハリスと共同)のも、なるほどとうなずけるものがあります。

[members]
Roy Webber (リード・ボーカル、アコースティック・ギター)
Pete Cosker(エレクトリック・ギター、ボーカル)
Paul Gerrett - Smith(ピアノ)
Paul Middleton(ベース)
Roger Narraway(ドラムス)
Pete Sage (バイオリン)

1stではピアノを主体としたプレイ をしていたポール・ゲレットが、2nd「VALLEY GARDENS (幻想の谷間)」(1975)ではニック・グレニー・スミス(Nick Glennie - Smith)に代わり、オルガン、メロトロン、シンセサイザーなどのエレクトリック楽器が大胆に導入されます。これによりサウンドにドラマチックな広がりが生まれ、カントリーっぽかったバイオリンが朗々と歌いだし、特にLP片面を使った組曲「The Reason Why」で一気にWallyのプログレッシヴ・ロック・サウンドが完成します。

 それでも基本の人なつこいメロディーと柔らかなハーモニーを中心としたアコースティックなサウンドは1stから不変。この「The Martyr」でもバイオリンとピアノはクラシカルさとフォーク/トラッド風味を醸し出し、元々シンガー・ソング・ライターだったロイ・ウェバーとピート・コスカーが美しいハーモニーを聞かせてくれます。特にピート・セイジの叙情に走ることなく落ち着いたバイオリンの響きがイギリス的で、とても良い味を出していますね。


そのフォーク的な曲を硬質なベースと泣きのギターがドラマチックに盛り上げるのがWallyらしいところ。Yesの前座を務めたというのも納得です。

尚、Wallyは2009年に復活し2010年には「Montpelier」という3rdアルバムを発表しています。