イギリスのバンドGraciousが、伝説の1970年「ワイト島音楽祭」に出演した際のライヴ映像。
曲は2nd「This is... Gracious!!」(1972)収録の大作組曲「Super Nova」。ただしオリジナルは20分を軽く越える曲ですが、ここではメロトロンの不調により途中で演奏を断念しています。
[members]
Paul "Sandy" Davis(リード・ボーカル、12弦ギター)
Alan Cowderoy(ギター、バッキング・ボーカル)
Martin Kitcat(キーボード、バッキング・ボーカル)
Tim Wheatley(ベース、バッキング・ボーカル)
Robert Lipson(ドラムス)
[set list]
Super Nova
a) Arrival of The Traveller
b) Blood Red Sun
c) Say Goodbye to Love
d) Prepare to Meet Thy Maker(メロトロンの不調で演奏されず)
Graciousは1967年結成、1970年にデビューアルバム「Gracious」を発表し、その翌年の1971年には解散してしまった短命なバンドです。
1972年に2nd「This is... Gracious!!」が発表されますが、これはもともと「Supernova」というタイトルでバンドがまだ活動していた1971年に完成していたもの。しかしコマーシャルではないということでレコード会社(ヴァーティゴ)はリリースしようとしなかったという曰く付きの作品。バンド解散後に「This is...」という廉価版シリーズの一枚としてフィリップスから発売されたので、このタイトルになったのだそうです。
ハードロックっぽい骨太なサウンドに、ポールの男っぽいボーカル、そしてマーティン・キットカットの奏でるメロトロンが一体となり、イギリスの香り高いサウンドが展開されます。ハード・ロックのキーボードと言えばハモンド・オルガンが当たり前だった当時に、メロトロンをキーボードのメインに据えたところが一つの大きな魅力ですね。
後半「Say Goodby to Love」が終る辺りでマーティンがポールのところに駆け寄って耳打ちすると、ポールが曲の終了をアナウンス。「メロトロンが動かなくなったんだ」と観衆に説明していますが、発電機のパワーが落ちてメロトロンのピッチが不安定になってしまったようです。
そのメロトロンもなだめすかしつつなんとか鳴らしながら、次の曲「Once on a Windy Day」が始まったところで映像は切れてしまいます。アンコールでは「C.B.S.」が演奏されたようなので、この日の演目は3曲。ぜひ完全版映像が見たいところです。
この日は「Super Nova」初演だったそうで、メロトロンがダウンしたライヴ記録というアクシデントも含めて、非常に貴重な映像だと言えるでしょう。
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