2015年3月11日水曜日

「Tubular Bells 1974」セバスチャン・ハーディー




オーストラリアのシンフォニック・バンドSebastian Hardieが、大傑作デビュー作「Four Moments(哀愁の南十字星)」(1975)発表前の1974年10月に、地元オーストラリアABC放送の音楽番組「GTK(Get to Know)」で行った、スタジオライヴと思われるTV映像。

演奏曲目はなんと、マイク・オールドフィールド(Mike Oldfield)の「チューブラ・ベルズ(Tubular Bells)」です。

[members]
Mario Millo(ギター、マンドリン、ボーカル)
Peter Plavsic(ベース)
Alex Plavsic(ドラムス、パーカッション)
Toivo Pilt(キーボード)

「チューブラ・ベルズ」が発表されたのが1973年で、ちょうどマリオ・ミーロとトイフ・ピルトが加入した時期。新体制になりプログレッシヴ・ロックの影響を受けたサウンドへと音楽が変化する中で、オリジナル曲に加え20分程度にバンド・アレンジした「チューブラ・ベルズ」を演奏していたようです。


「チューブラ・ベルズ」には、マイク・オールドフィールド本人が演奏した1973年のスタジオライヴ映像がありますが、そちらが多くのサポートを得てオリジナルに忠実な演奏を行っているのに比べ、このセバスチャン・ハーディ版は4人のバンド用に見事にまとめられているのが特徴です。

 
そこに感じられる、実にスムーズで美しい流れは、「Four Moments」などのオリジナル曲に通じるもので、この自然な流れにセバスチャン・ハーディーらしさが出ていると言えるでしょう。演奏技術も高いですが、それ以上に楽曲のアレンジや楽器のバランスの素晴らしさが伝わってきますね。

オリジナルの多彩な楽器パートは、トイフ・ピルトのキーボードが大活躍して、物足りなさを少しも感じさせません。もちろんマリオ・ミーロのギターの滑らかさや美しさ、そして安定感も抜群です。


若干映像が音に遅れ気味にズレているのと、20分の完全版ではない点は残念ですが、“伝説”であった「セバスチャン・ハーディーがアルバム・デビュー前に演奏していた『チューブラ・ベルズ』」の映像が残っていたとは奇跡です。


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