2013年9月27日金曜日

「French TV 1973」ザオ



フランスのジャズ・ロックバンドZaoが、1973年にフランスの番組「Pop Deux」で行なったスタジオライヴ。曲は傑作1st「Z=7L」(1973)から「Marochsek」。

[members]
Mauricia Platon(ボーカル)
Francois Cahen(キーボード)
Yochk'o Seffer(ソプラノ・サックス、バス・クラリネット)
Jean My Truong(ドラムス)
Joel Dugrenot (エレクトリック・ベース)
Jean-Yves Rigaud(エレクトリック・バイオリン)

Zaoは、Magmaのメンバーとして2nd「1001° centigrades」(1971)で共演したヨシコ・セファーとフランソワ・カーンが、Magmaを脱退して結成したバンド。アルバムを出すごとにMagmaの影は薄れ、後にバイオリンにディディエ・ロックウッド(Dedier Lockwood)を迎え、4th「Kawana」(1976)というテクニカル・ジャズ・ロックの名盤を作り上げます。

このライヴが行なわれた1st「Z=7L」の時期は、唯一ムリーシア・プラトンという専任女性ボーカリストを擁していいて、Zaoの歴史の中でも特異な編成と言えます。

彼女のボーカル(スキャット)には、美しく力強い声で怪しいメロディーを反復するという、Magmaのコーラスにも似た雰囲気があります。しかし脅迫的なMagmaのコーラスに比べ、その声量と声の良さのため呪術的ボイスパフォーマンスとモダンなジャズ・スキャットを融合させたような不思議な魅力を醸し出しています。

バックの演奏もパワフルなインタープレイという感じではなく、雰囲気を大事にした堅実なもの。それでもこのゆったりした流れに漂う緊張感は素晴らしいですね。セファーとカーンに目がいきがちですが、リズムセクションの二人の的確なプレイも光ります。

冒頭で、アルバムと同じように「Zao!」という叫び声が聞こえます。Magmaの「Hamatai!」を思い出してしまいましたが、Magmaの影もちらつきながら非常にオリジナリティの高いサウンドという点では、後のインスト・ジャズ・ロック期にも匹敵する個性を感じさせてくれるライヴです。

2013年9月23日月曜日

「Live in L.A. 1994」セバスチャン・ハーディー



オーストラリアの叙情派シンフォニック・バンドSebastian Hardieが、1994年にオリジナル・メンバーで再結成され、アメリカのフェスティバル「ProgFest '94」に出演した際の映像。

曲は大傑作1st「Four Moments」(1975)から、大名曲「Four Moments」。

[members]
Mario Millo(ギター、ボーカル)
Peter Plavsic(ベース)
Alex Plavsic(ドラムス、パーカッション)
Toivo Pilt(キーボード)

[set list]
Four Moments
 i Glories Shall Be Released
 ii Dawn Of Our Sun
 iii Journey Through Our Dreams
 iv Everything Is Real

アルバム発表から19年経ってのステージということで、マリオ・ミーロのボーカルがちょっと苦しそうとか、若干ぎこちない部分もありますが、リズム・セクションはむしろ安定さを増しているし、何よりマリオ・ミーロのギターが鳴り始めるともう紛れも無いSebastian Hardieの世界が広がります。

技巧的に高度なことをしているわけでもないのに、グイグイ引込まれる曲構成と演奏が魅力なSebastian Hardie。マリオ・ミーロのギターの素晴らしさは言うに及ばず、トイフ・ピルトのシンフォニックなキーボード、特にメロトロンの響きが素晴らしいですね。

シンプルで哀愁たっぷりなメロディーとスムーズでドラマチックな曲展開。イタリアン・ロックのような盛り上がりとは違った、正にオーストラリアの大自然を感じさせる雄大な美しさはSebastian Hardieならでは。変に新しいアレンジを加えたり最新の機材で音色を変えてしまったりといったこともなく、オリジナルの音を失わずにいたこともこのステージの大きな魅力です。

特に2ndパートの「Dawn of Our Sun」のメロトロン・フルートからギターソロへの流れは格別。ここで溢れ出す美世界には言葉を失います。

2013年9月22日日曜日

「German TV Live 1970」ルネッサンス


イギリスのクラシック・ロック・バンドRenaissanceのオリジナルメンバーが、1970年1月にドイツのTV番組「Beat Club」に出演した際のスタジオライブ。

曲は1st「Renaissance」(1969)から「Kings & Queens」。

[members]
Jane Relf(ボーカル)
Keith Relf(ボーカル、ギター)
Jim McCarty(ボーカル、ドラムス、パーカッション)
John Hawken(キーボード)
Louis Cennamo(ベース)
  
元Yard Birdsのキース・レルフとジム・マッカーティらによって結成されたRenaissanceは、アルバム2枚を残し一旦解散します。その後リード・ボーカルにアニー・ハズラム(Annie Haslam)を迎え、新メンバーによる再出発を図ります。

このステージはキース・レルフ&ジェーン・レルフを擁する“Original” Renaissanceによるライヴ映像です。2nd「Illusion」(1971)ではすでにバンドは崩壊状態で、多くのゲストを招いて完成させていることを考えると、活動時期が短かったオリジナルメンバーでの映像は、非常に貴重なものだと言えるでしょう。

この「Kings & Queeens」は1stアルバムの最初の曲で、キース・レルフがメイン・ボーカルを務める大曲。歌い方はフォーキーな感じですが、ルイス・セナモのベースがせわしく動き回り、ジム・マッカーティのドラムスが力強くリズムを刻むので、全体としてはロック色が強くなっています。その上に乗るジェーン・レルフの清楚で線の細いボーカル&スキャットが美しいですね。

アニー・ハズラムのRenaissanceとは異なり、ジェーン・レルフがリード・ボーカルという明確な位置づけはされていないので、曲によって大分趣きが違います。それでもジョン・ホークンの華麗なピアノを核としたクラシカルな美しさは、新生Renaissanceにも通ずる大きな特徴でしょう。

なお、このオリジナルメンバーによるRenaissance再編が、Illusionというバンド名で計画されます。リーダーのキース・レフルが1976年に感電死するというアクシデントがありながら、残された4人はIllusionとして「Out of the Mist」(1977)、「Illusion」(1978)、「Enchanted Caress」(1979)というアルバムを発表します。そこで聴けるサウンドは、まさに“Original” Renaissance復活と言えるものでした。