2022年11月5日土曜日

「Old Grey Whistle Test 1979」ブランドX


イギリスのテクニカル・ジャズロック・バンドBrand Xが、1979年6月にイギリスのTV番組「Old Grey Whistle Test」用に行なったスタジオライヴ映像。

曲は5thアルバム「Product」(1979)から「...And So To F... 」。

Phil Collins(ドラムス、パーカッション、ボーカル)
John Goodsall(ギター、ボーカル)
Robin Lumley(キーボード)
Peter Robinson(キーボード)
Percy Jones(ベース)

冒頭に入っているフィル・コリンズへのインタビューではGenesisの活動についての話題も。Genesisは丁度「...And Then There Were Three...」(1978)を出して、「Duke」(1980)発表前という時期です。やはりメディアではGenesisの活動への関心が高く、Brand Xも「Genesisのフィル・コリンズが参加しているバンド」という捉え方がされていたことが伺われます。

それはさておき、この時のメンバーはツワモノ揃いです。特にアルバム「Product」は新旧2チームによるセッションアルバム的なものであるため、結果的にここに集まったメンバーは誰もが強烈な個性とテクニックを兼ね備えた5人。

キーボードの高速パッセージに導かれて、凄まじい9拍子(4拍子+5拍子)アンサンブルが始まります。フィルのボーカルが入ると8拍子にリズム・チェンジ、でも突進する迫力と勢いは少しも衰えません。フィル・コリンズのドラミングは本当に素晴らしいですね。全体を包み込んで押し上げて行くようなドラミングです。

ジョン・グッドソールの早弾きギターも、パーシー・ジョーンズのフレットレスベースも、一糸乱れぬというよりは、むしろさらにその上を行って余裕で楽しんでいる感じ。この、超絶技巧なのにポップテイストが感じられるところがまたBrand Xらしいと言えるかもしれません。

さぁこれから…というところで終ってしまうのが残念ですが、サワリであってもBrand Xの凄さが実感できる映像だと言えるでしょう。

2021年7月11日日曜日

「Live in Tokyo 1975」Strawbs(ストローブス)


イギリスのバンド、ストローブスが、8thアルバムとなる最新作「Ghost(幻影)」のツアーで1975年に来日した際の、TV放送用スタジオ・ライヴ映像。NHKのスタジオに観客を入れて収録されたもので、1975年5月10日に「ヤング・ミュージック・ショー」で放映されました。

[members]
Dave Cousins - vocals, guitar 
Dave Lambert - lead guitar, vocals
Chas Cronk - bass guitar, vocals
John Hawken - keyboards
Rod Coombes - drums, percussion

[tracklist]
1. Lemon Pie
2. Remembering / You And I (When We Were Young) 
3. New World
4. The Life Auction
5. drum solo
6. Hero And Heroin
7. Just Love
8. Down By The Sea

各曲の収録アルバムは以下の通りです。
「Lemon Pie」、「
Remembering」、「You And I  (When We Were Young) 」、「The Life Auction」→「幻影(Ghosts)」(1975)

「New World」→「
グレイヴ・ニュー・ワールド(Grave New World)」(1972)

「
Hero And Heroin」、「Just Love」→「Hero And Heroin(ヒーロー・アンド・ヒロイン)」(1974)

「Down By The Sea」→「バースティング・アット・ ザ・​シームス(
Bursting at the Seams)」(1973)

アコースティックでポップなサウンドで出発したバンドが、リック・ウェイクマンの加入を機にトラッドやクラシック音楽を取り込み、次第にエレクトリック・バンド化も進みます。

この頃になるとさらにプログレッシヴ・ロックへと傾倒し、
ルネッサンスの初代キーボード奏者ジョン・ホーケンを迎え、「ヒーロー・アンド・ヒロイン」(1974)、「幻影」(1975)とアルバムを発表します。

そのジョン・ホーケンが、リック・ウェイクマンばりに、グランドピアノ、フェンダー・ローズ、黒いメロトロンM400S2台、ミニ・ムーグ2台と、キーボードの〝
要塞〟に陣取っているのが印象的です。

もちろんプレイの面でも、
美しいローズ・ピアノ、物憂いミニ・ムーグ、ドラマチックなメロトロンと、職人的な素晴らしい仕事をしています。

ライヴらしくアルバム以上に熱い演奏になっていて、
人懐こいメロディーの素晴らしさ、デイヴ・カズンズの独特なボーカル、三声のハーモニーの魅力に、ロックっぽい力強さが加わっているのも魅力ですね。

当時「幻影」をFMラジオで聞き、アルバムを入手し、いわゆるプログレッシヴ・ロックと言うには少し地味でポップ過ぎるかなと思いつつも、アルバムが愛聴盤になっていたこともあり、「ヤング・ミュージック・ショー」を食い入るように見た記憶がありますが、今見ても、実に安定した演奏による素晴らしいステージだったことが分かります。

本ツアー後にジョン・ホーケンはバンドを脱退し、イリュージョンに参加して2枚のアルバムを制作することになります。ジョン・ホーケンのプレイ映像としても、貴重なものと言えるでしょう。

2021年6月2日水曜日

「The Scene of Pale Blue live in 1987」アウター・リミッツ(Outer Limits)


海外での人気も高かったアウター・リミッツが、4thアルバム「ペール・ブルーの情景」(1987)をリリースした1987年1月に、横浜VIVRE21で行ったライヴ映像。

曲はアルバム・タイトル曲である大作「ペール・ブルーの情景」。


[members]
塚本周成:キーボード
川口貴:バイオリン、ギター
荒牧隆:ギター
桜井信行:ドラムス
上野知己:ボーカル、キーボード
石川 正:ベース


武蔵野音楽大学の学生であった、塚本周成、杉本正、川口貴の3人により結成されたアウター・リミッツは、塚本の本格的な作曲・オーケストレーションと、川口の華麗なバイオリンを特徴としたシンフォニック・バンドです。

2nd「ミスティ・ムーン」(1985)がインディーズで大ヒットし、「少年の不思議な角笛」(1986)が、フランスの「Harmonie」誌で80年代の世界のプログレ作品のベストアルバムに選ばれるなど、海外の人気も高まりました。

この「ペール・ブルーの情景」は、いわゆるLPアルバムの片面を使った大作ですが、クラシック音楽を文化的バックグラウンドとして持たない日本のバンドが、そのクラシックな技法を、楽曲面でも演奏面でも対等なレベルまで高めて、なおかつモノマネではないオリジナリティーあふれる音楽として結実させた名曲です。

複雑な楽曲を見事に再現する、メンバーの技量が素晴らしいですね。アルバムとは違って、終盤のギター・ソロのパートで、川口がバイオリンを弾きまくっているのが新鮮です。