2021年5月19日水曜日

「Ciclos(シクロス/四季)1975」抜粋 ロス・カナリオス(Los Canarios)

 
スペインのLos Canariosが1975年にrtve(スペイン放送協会)というスペインの公共放送の番組に出演した際の映像。
 
曲はヴィヴァルディの協奏曲集「四季」を大胆にアレンジした大作「Ciclos(シクロス/四季)」(1974)からの抜粋です。


[members]
 Eduardo "Teddy" Bautista:キーボード、ボーカル
 Antonio Garcia de Diego:ギター、ビブラフォン、スピネット、ボーカル
 Mathias Sanvellian:キーボード、バイオリン
 Christian Mellies:ベース
 Alain Richard:ドラムス、パーカッション
 
[setlist]
1. 「第一の輪廻:遥かなる楽園」抜粋
2. 「第四の輪廻:回復された環」抜粋
 

ロス・カナリオスはこれ以前にアルバムを3枚出していて、ブラスの入ったロック・バンドだったのですが、リーダーのバウティスタが兵役につくことになり、一旦解散します。

その後、バウティスタが新たなメンバーを集め、のちの素晴らしいソロ・アルバムを出すことになるアルフレッド・カリオンをアレンジャーにして作り上げたのが、以前の音楽とはまったく違ったこの「Ciclos」でした。

正直なところ、演奏は当て振りですし、そのためか風景のスチール映像ばかりが目立ちますので、演奏の様子はほとんど分かりません。

ただ、リーダーのテディ・バウティスタによる、このアルバム制作のためだけのプロジェクト的なバンドだったと思われますので、バンド活動はほとんどしなかったのではないでしょうか。アルバム自体が、スペイン国立歌劇団やオーケストラの協力を得たり、SEを多様したりと、強力なスタジオワークのたまもののような作品なので、そもそもライヴをする予定はなかったのかもしれません。

と考えると、実にレアで貴重な映像だと言えるでしょう。
 
ちなみに、バウティスタは、これ以前はボーカル&ギターだったのですが、ここではまるでリック・ウェイクマンのようにまわりにキーボードを並べています。バンドを一旦解散したあとに、〝プログレッシヴ・ロック〟に触れて、自分もこれがやりたくなったのではないかと、勘ぐってしまいたくなるような、ちょっと微笑ましい光景です。

とは言え、もちろんアルバム自体は、よくぞ作ってくれましたと言いたいほどの大傑作です。

ちなみにトリアナの1st「El Patio」(1975)がリリースされ、やがて〝アンダルシアン・ロック〟の波が起こるのは、まだ先のことです。


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