2021年4月27日火曜日

「Live in 1974」グリフォン(Gryphon)

イギリスの古楽ロック・バンド、グリフォン(Gryphon)が、1974年にアイルランドのTV番組「The Music Makers」に出演したスタジオ・ライブ映像。


[members]
Richard Harvey (リコーダー、クラムホルン、キーボード、ギター、マンドリン)
Brian Gulland(バスーン、クラムホルン、リコーダー、キーボード、ボーカル)
Graeme Taylor(ギター、キーボード、リコーダー、ボーカル)
David Oberle(ドラムス、パーカッション、リード・ボーカル)

[setlist]
1. Kemp's Jig
2. Sir Gavin Grimbold
3. Pastime with Good Company
4. Mother Nature's Son
5. The Ploughboys Dream
6. Tea Wrecks
7. Estampie


演奏曲は、「4. Mother Nature's Son」がビートルズの「ホワイト・アルバム」(1968)収録曲、「5. Ploughboys Dream」が2nd「Midnight Mushrumps(真夜中の饗宴)」(1974)からで、残りはすべて1st「Gryphon(鷲頭、獅子胴の怪獣)」(1973)収録曲です。

ちなみに「3. Pastime with Good Company」は、アルバムではインストゥルメンタルでしたが、ここでは歌入りバージョン。ちなみに「The Ploughboys Dream」は、古いフォークソングを独自にアレンジした曲とのこと。

グリフォンは、ロンドンにある名門の音楽学校である王立音楽大学(ロイヤル・カレッジ・オブ・ミュージック)出身のリチャード・ハーヴェイとブライアン・ガランドが中心になって結成され、伝統的なイギリスのフォーク・ミュージックと中世ルネッサンス・サウンドをロックと融合させた、稀有なバンドです。

1stではまさに中世音楽そのものといったアコースティックなサウンドでしたが、2ndではメンバーにエレキ・ベース奏者が加わり、若干ロック的なビートが感じられるようになり、その後イエスのツアーに同行した影響が大きく出て、古楽的な趣を残しながらも、きらびやかでハードなロック・サウンドに近づきます。

このTVライブ時は、まだベース奏者がいない1stのラインナップですので、まさに森の中から突然現れたいにしえの楽師たち、といった趣があり、それが時空を飛び越えて、見知らぬ異界をのぞき込むような魅力を持っていますね。

とは言っても、決して雰囲気重視なわけではなく、4人の演奏と歌は実に見事で、アコースティック楽器の高速アンサンブルに見られる卓越した技術など、素晴らしいの一言。

バンドは2015年頃に復活し、2018年に「Reinvention(再確立)」、2020年に「Get Out Of My Father's Car (ゲット・アウト・オヴ・マイ・ファーザーズ・カー)」を発表しています。

楽器の説明をしておきますと、ハルモニウムは、足踏み式リード・オルガンのことです。クルムホルンは、中世ルネサンス時代に一般的だった木管のリード楽器で、ステッキを逆さにしたような形をしています。カズーのような音がします。

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